東京都品川区に位置する戸越銀座商店街は、日本で最も長い商店街のひとつとして知られ、地元住民や観光客に愛されています。この活気あふれる商店街にある空きスペースが、どのようにしてレンタルスペースとして成功を収めたのか。その背景や工夫、運営のポイントを解説します。
戸越銀座商店街は、日本有数の規模を誇る商店街として知られています。レンタルスペース運営を開始するにあたり、この立地に着目した理由は、商店街の立地特性があります。商店街は、地元住民だけでなく観光客も訪れるため、平日・休日を問わず一定の人流があります。
運営初期は認知度の向上に努め、2022年以降は年平均70%という高い稼働率を達成。また、キーボックスの設置と内覧対応を含めたセルフチェックイン/アウトの運用導入により、運営効率の向上とコスト削減を実現しています。
スペース運営の最大の特徴は、どのような用途の出店者に利用してもらいたいかをベースに貸し出し価格や必要な什器設備を揃えた点です。
ポップアップストアと一言で言っても、物販利用、プロモーション利用といった用途、ファッション・アパレル、フード等の業種によって、出店予算や必要な設備は異なります。
戸越銀座のレンタルスペースは、運営当初はD2C企業のテストマーケティングの場として運用していましたが、実際にスペースをレンタルする事業者を分析し、いくつかの属性のユーザーがリピート利用あるいは年間の貸し出し日数に占める割合が高い点に着目しました。
利用する期待値の高い用途・業種に対しては、レンタル条件として確認されることの多かった備品設備を充実させました。
例えば、ファッション・アパレルの展示会やファミリーセールであれば、複数のハンガーラック、簡易試着室を仮設するためのパーティション、マネキントルソーを無料什器として設置しています。
また、商店街という立地を生かした利用者のアイデアを引き出すためにレイアウトの柔軟性も成功の一因です。例えば、「地元食材をテーマにしたフードイベント」や「地域住民が参加できる写真展」など、原状回復いただくことを前提に、イベントによって什器のレイアウトを変更してもらえるスペースに仕立てました。
そして、利用問い合わせへの対応スピード向上にも取り組みました。レンタルスペースの利用ユーザーは複数のスペースに問い合わせすることが多いため、レスポンススピードをあげることで、スペースのスペック以外の要素で優先的に選んでもらえる運営努力もレンタルスペースの成功には欠かせません。
戸越銀座のレンタルスペースはショップカウンターにレンタルの受付窓口を集約しているので、問い合わせ対応もスムーズに対応できています。
2023年3月1日(水)~3月31日(金)の1ヶ月間、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営する株式会社クラダシがポップアップストアを開催。
その他にも住宅販売相談会や携帯料金の見直し相談会や出張販売会など販促イベントを中心に14日〜最大30日間ご利用いただいた事例があります。
どんな運営にも課題はつきものです。戸越銀座のレンタルスペース運営でも、いくつかの問題に直面しました。
初期段階では、スペースの認知度が低く、利用者をまずは知ってもらう工夫が必要です。戸越銀座のレンタルスペースは、運営当初からショップカウンターにスペースを掲載し、募集してきました。
ショップカウンターのSNSやメルマガで定期的にスペース情報が発信されることで徐々にユーザーが増えていきました。
商店街という公共性の高い場所では、周辺住民や店舗への配慮が必要です。音や人の流れなどの問題を未然に防ぐため、「利用の手引き」を作成し、利用者に対して、事前のルール説明を徹底しました。
幅広い利用シーンに対応するため、設備の整備や利用時間の柔軟性を高めました。例えば、可動式の什器を導入し、利用者が自由にレイアウトを変更できるようにしています。
今回の事例から得られる教訓は、以下の通りです。
戸越銀座のレンタルスペース事例は、商店街というロケーションを活かした成功モデルのひとつです。同様の取り組みを検討している方は、ぜひこの記事を参考に、新しい可能性を探ってみてください。
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