百貨店とショッピングセンターの違いとは?
百貨店(デパート)の定義をご存じでしょうか。百貨店は、イオンに代表されるショッピングセンターと定義・事業運営の点で明確な違いがあります。また、ポップアップ出店においても百貨店のメリット・デメリットはショッピングセンターと異なります。
この記事では、百貨店とショッピングセンターの違いを、定義・出店条件の点から解説します。

目次
百貨店とは
■百貨店の定義
百貨店は「衣・食・住」をバランスよく取り揃えた商業施設です。経済産業省の商業統計調査では、以下の条件を満たす店舗を「百貨店」と定めています。
- 衣料品・食料品・住関連商品の売上比率がいずれも10%以上70%未満に収まること
- 従業員が常時50人以上勤務していること
- 売場面積の50%以上で対面販売を行っていること
売上の大半を衣料品に依存する「ファッションビル」や、食品に特化した「食品スーパー」は百貨店には含まれません。
また、商業統計上の基準に加えて「日本百貨店協会に加盟しているかどうか」も実務上は大きな判断基準となります。
加盟百貨店では「全国百貨店共通商品券」が利用できるため、一般消費者にとっても百貨店の目安となっています。
百貨店は、バイヤーが厳選した商品を揃え、包装や什器も統一し、消費者に「特別な買い物体験」を提供することに重きを置いています。
そのため、出店ブランドには高い品質や運営基準が求められる一方、信用力を大きく高められるというメリットがあります。

■百貨店(デパート)の歴史的背景
明治末期から大正期にかけて呉服店を起源とする三越や松坂屋などが衣料品だけでなく、食品・雑貨・家具を含めた「総合商業施設」へと変化したことから「百貨店(デパート)」と呼ばれるようになりました。
欧米のデパート文化を取り入れたことで、買い物だけでなくレストラン・文化催事・屋上遊園地など、生活を総合的に楽しむ場として発展した歴史があります。
この「生活提案型」の姿勢が、現在も百貨店の強みであり、ブランド出店時の「信用力」につながっています。
ショッピングセンターとは
■ショッピングセンターの定義
ショッピングセンター(SC)は日本ショッピングセンター協会により、「一つの単位として計画・開発・所有・運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるもの」として定義されています。
さらに「SC取扱い基準」によると、ショッピングセンターと認められるには以下の条件を満たす必要があります。
- 小売業の店舗面積が1,500㎡以上あること
- キーテナント以外に10店舗以上の小売業テナントを含むこと
- キーテナントがある場合でも、その面積が全体の80%を超えないこと(例外あり)
- テナント会を組織し、広告・販促や共同催事などの活動を行っていること
この定義からわかる通り、ショッピングセンターは「不動産ディベロッパーが街づくりの一環として開発・運営する」点に特徴があります。
百貨店が「小売主体のセレクトショップ」であるのに対し、ショッピングセンターは「不動産事業としての商業空間」であることが大きな違いです。

■ショッピングセンターの歴史的背景
ショッピングセンターの概念はアメリカで1950年代に広まりました。都市郊外の自動車社会に対応し、大規模駐車場を備えた「郊外型商業施設」として発展したのが始まりです。
日本では1969年に開業した「玉川高島屋ショッピングセンター」が草分けとされ、その後イオンやイトーヨーカドーなど大手流通が全国各地で展開しました。
当初は日用品を中心に「便利にまとめ買いできる場」として機能しましたが、近年は映画館やフードコート、イベントスペースを備え、「一日滞在型の消費体験」を提供するライフスタイル拠点へと進化しています。
そのため、出店ブランドにとっては「幅広い世代・ファミリー層にアプローチできる場」として位置づけられます。
ショッピングモールとの違い
ショッピングモールはショッピングセンターの大型形態を指し、複数棟や屋外通路を含むケースが多いです。イオンモールなどはその代表例で、ファミリー層を中心に幅広い来館者を見込めます。
百貨店とショッピングセンターの違い早見表
| 百貨店 | ショッピングセンター | |
| 運営主体 | 百貨店(デパート)企業 | 不動産デベロッパー |
| 業態 | 小売業主体。バイヤーが商品を仕入れ、販売方法や演出を百貨店側がコントロールする事業モデル。(統計上の区分は「百貨店業」) | 建物を開発・運営し、テナントにスペースを貸す「場所貸し」の事業モデル。(小売業ではなく「テナント集合体」) |
| 販売モデル | ・集中レジや委託販売 ・備品や什器も百貨店仕様で統一 ・出店ブランドは「百貨店の一部」として販売 | ・各テナントごとにレジを設置 ・什器や運営方法は各ブランドに委ねられる ・出店ブランドは「独立した店舗」として運営 |
| 主な顧客層 | 富裕層・シニア | ファミリー層・若年層 |
| 代表例 | 伊勢丹、高島屋、大丸 | イオンモール、ららぽーと |
出店における、百貨店とショッピングセンターの違い
百貨店とショッピングセンターでは、出店条件や運営方法が大きく異なります。
■百貨店の特徴
- バイヤーが商品や展開を厳格に管理
- 備品や什器は百貨店側で提供
- 売上歩率による精算(売上を百貨店に預け、手数料控除後に入金)
- 委託販売もあり、百貨店従業員が販売するケースもある
- 出店基準は高いが、出店した実績自体が信用力の向上につながる
出店判断軸
- ブランドの成長ステージ
立ち上げから数年経ち、次のフェーズとして「信用」を強化したい時期 - 出店目的
新規顧客獲得よりも「ブランドの信頼性」や「既存顧客への信頼提供」を重視
■ショッピングセンターの特徴
- 什器・レジ・販売員を自社で手配
- ディスプレイや展開の自由度が高い
- 委託販売はなく、自社で運営する必要あり
- 出店料は「固定家賃+売上歩率」の併用が一般的
出店判断軸
- ブランドの成長ステージ
認知拡大を優先したいフェーズ - 出店目的
世界観を伝える体験設計をもとにした新規顧客獲得や認知拡大
出店におけるメリット・デメリット比較表
| 百貨店 | ショッピングセンター | |
| メリット | ・企業信用力 ・ブランド価値を高められる ・百貨店側のバイヤーや販売員の支援がある ・高単価・高付加価値商品が売れやすい ・富裕層・リピーター顧客との接点創出 | ・自由度の高い演出が可能 ・幅広い年代への認知拡大 ・什器・販売方法を自社仕様にできる ・施設の広報媒体やSNSで集客効果を期待できる |
| デメリット | ・出店基準や審査が厳しい ・什器・包装は百貨店仕様に制限される ・売上精算が遅れる場合あり ・短期的な利益回収が難しい | ・販売員・什器を自前で準備 ・集客は施設依存 ・家賃+歩率でコスト負担大 |
出店事例:日本酒応援団
クラフト日本酒ブランド 「日本酒応援団」 は、全国の小規模酒蔵と協力してオリジナル銘柄を展開しているD2Cブランドです。
オンライン販売が中心でしたが、「新しい顧客層との接点を作りたい」「ブランドの品質や背景を直接伝えたい」という目的から、ショッピングセンターであるCOREDO室町のポップアップスペースに出店しました。
今回は比較的自由度の高いショッピングセンターへ出店したことで、メインの日本酒だけではなく、酒器やメッセージカードを組み合わせて提案するなど、自由度の高い商品展開を実現しています。
人員や什器や資材もすべて自社で手配が必要になりますが、その分イベントテーマにあった資材を都度作成することもできるため、ブランドの世界観を伝えやすいというメリットをうまく活用した事例です。
百貨店・ショッピングセンターのスペース
① なんばダイニングメゾン(髙島屋大阪店)|レストランゾーン内のイベントスペース

| 住所 | 大阪市中央区難波5-1-18 |
| 料金 | 33,000円〜/日 |
| おすすめポイント | 食商材と相性が良く、信頼感ある顧客層と接点を持てる |
② 小田急百貨店町田店|1階化粧品フロアにあるフリースペース

| 住所 | 東京都町田市原町田6-12-20 |
| 料金 | 22,000円〜/日 |
| おすすめポイント | 小田急線屈指の乗降客数を誇る町田駅直結で高い集客力 |
③ ペリエ千葉|駅直結ショッピングセンター入口近くのイベントスペース

| 住所 | 千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1 |
| 料金 | 44,000円〜/日 |
| おすすめポイント | JR千葉駅東口直結。エスカレーター横で視認性も抜群 |
まとめ
百貨店とショッピングセンターは、それぞれ異なる強みを持つ商業施設です。
- 百貨店は信用や信頼を重視するブランドに適し、成長フェーズで次のステージに進む場
- ショッピングセンターは自由度が高く、世界観を体験させ認知拡大を狙う場
出店成功のカギは、自社が「どの成長ステージにあるのか」「今回の出店目的は何か」を明確にすることです。
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