駅構内は日々多くの人々が行き交い、圧倒的な集客力を持つポップアップストアの好立地です。特に菓子類や手軽に購入できる食料品は、通勤・通学客の「衝動買い」を誘発しやすく、高い販売効率が期待できます。本記事では、食系商品を扱うメーカーやD2Cブランドの担当者様向けに、駅ナカでのポップアップストア出店を成功に導くための実践的なノウハウを、具体的な戦略と合わせて解説します。

目次
駅構内は「駅ナカ」と「駅ビル」に大別されますが、食料品のポップアップストアにおいて特に注目すべきはその圧倒的な集客力と顧客層の多様性です。
駅の改札内にある「駅ナカ」は、乗り換え利用者も気軽に立ち寄れるのが大きな特徴です。キオスクやコンビニエンスストア、飲食店などが並び、通勤・通学のスキマ時間に利用されることが多く、期間限定のショップには、乗り換え駅でなくとも足を運ぶ顧客もいます。一方、駅舎と一体になった「駅ビル」は改札外に位置し、デパートやスーパー、レストラン街など複合的な施設として機能し、買い物や娯楽目的で駅を利用する人々が集まります。
食料品、特に菓子類は、帰宅途中の「手土産」や「自分へのご褒美」といった衝動買いのニーズと非常に相性が良い商材です。悪天候時でも人通りが極端に減ることがなく、安定した売上を見込める点も魅力と言えるでしょう。駅の乗降客数が売上高に比例する傾向にあるため、効率的な販売が期待できます。
駅ナカでの出店成功は、単に人通りの多さだけでなく、「人の流れ」を深く分析し、商材に合った場所を選ぶことが鍵となります。
人通りが激しすぎる場所では、人々は立ち止まらずに通り過ぎてしまう傾向があります。最も効果的なのは、「帰り道」の「左側」に位置するスペースを狙い、「夕方」の時間帯に注力することです。朝の通勤客は忙しく素通りしがちですが、夕方には残業を終えたり、飲みに行く途中の人々が時間に余裕を持って行動し、立ち止まりやすくなります。さらに多くの駅構内は左側通行を基本として設計されているため、帰路の人々は自然と通路の左側を歩き、視線や身体の向きもそちらに向きやすくなります。その結果、左側にある店舗や売り場は正面からの視認性が高まり、無意識のうちに目に入りやすくなるのです。

駅や路線によって利用者の属性は大きく異なります。例えば、神奈川県の路線では所得層が高く、消費意欲が高い傾向が見られます。通勤客が中心の駅(例:戸塚駅)は平日が賑わい、ショッピングモール直結の駅(例:センター南・北駅)は土日に集客が集中するなど、顧客層や利用目的によって売上のピークが異なります。自社の商品がどのようなターゲット層に響くのかを明確にし、それに合致する駅を選ぶことが重要です。
出店場所の選定においては、必ず現地に足を運び、自身の目で人流や滞留状況を確認することが不可欠です。オンラインプラットフォームで潜在的な出店スペースを見つけたら、その場所が持つ独自の特性と顧客層をより深く理解するために、実際に足を運び、人通りのパターン、時間帯による変化、顧客の動線、さらには現地の雰囲気までを詳細に観察することをお勧めします。中には、清掃員など現場で働く人から話を聞いて日常的な人流や特性を把握している方もおり、土日や特定の時間帯の人出について思わぬヒントが得られることもあります。
各地域の商工会や観光協会に加入し、会報誌や人脈を通じて情報収集を行うことは、地域イベントと連動した出店機会を増やす上で非常に有効です。イベントの協賛を通じて、会場近くの駅ナカで販売スペースを確保できるケースもあります。これにより、通常とは異なる顧客層へのアプローチや、地域の賑わいに乗じた集客が期待できます。
駅ナカでのポップアップストアでは、顧客の「衝動買い」心理を巧みに引き出す販売戦略が求められます。
人々は行列ができていると「何か良いものがあるのではないか」と感じ、つられて列に並びたくなる心理があります。この心理を最大限に活用しましょう。
百貨店のようにきっちり整えるのではなく、あえて少しラフに並べたり、市場のようにカゴやザルにざっくり置くと、顧客は気軽に手を伸ばしやすくなります。商品を山積みにして自由に触れられるようにすることで、店員と向き合って販売する場面でありがちな「順番待ちのストレス」や「後に引けない緊張感」をやわらげられます。結果として、顧客はリラックスして商品を見比べ、購入につながりやすくなります。

ガラスケース越しの対面販売では、一人の顧客に時間がかかり、後ろに並ぶ人が離脱してしまう「機会損失」が発生しやすいという課題があります。これを避けるため、コの字型やL字型など、顧客が商品の周りを自由に移動し、複数の商品を同時に見られるようなレイアウトを検討しましょう。これにより、レジに到達するまでの顧客の流れがスムーズになり、回転率が向上します。
もっとも、駅ナカの出店スペースは通路幅や安全面の制約から、このような自由度の高いレイアウトが必ずしも実現できるとは限りません。その場合でも、陳列棚やショーケースの配置を工夫して「正面から一度に複数の商品を視認できる」ようにするだけで、滞留時間を短縮し、スムーズな購買行動につなげることが可能です。
さらに回転率を高める観点では、キャッシュレス決済の導入も有効です。SuicaやPASMOなど交通系ICカード、QRコード決済を取り入れることで会計時間を短縮でき、列の進行がスムーズになり、顧客満足度の向上にもつながります。
「いらっしゃいませ」といった積極的な声かけをあえて控え、顧客が自由に商品を眺められる雰囲気を作ることも効果的です。これにより、顧客はプレッシャーを感じずに商品に近づくことができます。
さらに、レジ前にお客様が並んでいる様子は、「このお店は人気がある」という印象を与えやすく、通りがかった方の興味を引くきっかけになります。混雑を過度に避けるのではなく、常に数名のお客様が並んでいる状態を保てるよう、無理のない範囲で対応のペースを整えるのも一つの方法です。ただし、待ち時間が長くなりすぎると逆効果になるため、スムーズさと適度なにぎわいのバランスが大切です。

成功するポップアップストアには、周到な準備と実行が欠かせません。
ポップアップストアの開催には「予約・審査・集客準備」など多くの事前ステップが必要です。
開催の1週間前には、POPや価格表、会計ツールの準備、スタッフへの説明、役割分担の確認、そして当日の流れのシミュレーションを行い、潜在的な問題点を洗い出すことがスムーズな運営につながります。 当日は、開始時間の最低1時間前には会場入りし、セッティングを完了させましょう。集客状況を柔軟に確認し、必要に応じて店頭での声かけなどを行い、来場者の流れや反応を観察・記録することは、次回以降の改善に活かす貴重なデータとなります。

駅ナカへの出店は、電鉄会社への直接交渉が複雑で、たらい回しにされるケースも少なくありません。しかし、「ショップカウンター」のようなオンラインプラットフォームを利用することで、この煩雑なプロセスを簡素化し、効率的に出店場所を探すことが可能です。
ショップカウンターでは、ショッピングモールやスーパーマーケット、百貨店、商店街、そして駅ナカなど、多様な商業スペースをオンラインで検索・予約できます。これにより、個別の問い合わせの手間を省き、希望の条件に合うスペースを効率的に見つけることができるでしょう。
駅ナカでのポップアップストアは、食料品販売にとって非常に大きな可能性を秘めています。成功の鍵は、駅の圧倒的な集客力を最大限に引き出すための戦略的なアプローチにあります。
これらのノウハウを実践することで、貴社の商品も駅ナカで成功を収め、新たな販路と顧客層を獲得できるはずです。

ポップアップストア・催事イベントにおすすめなスペースや、ノウハウ・事例を紹介いたします。

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