単独で出店するポップアップストアだけではなく、他のブランドが持つ店舗内でコラボする「ショップ・イン・ショップ」の事例も増えています。そこでこの記事では、セレクトショップ内に出店したブルーボトルコーヒーの事例をご紹介します!
ポップアップストアのひとつの利点として「普段のお客様とは違う層にアプローチしやすい」というものがあります。
普段とは違うエリアに期間限定で出店することで、これまでブランドを知らなかったお客様に商品を見て、体験していただくことができます。
さらにセレクトショップやカフェの一角といった他のブランドが持つスペースへの出店は、客層やブランドイメージが合えば、お互いに相乗効果を見込むこともできます。
そこで今回は銀座のEN ROUTE(アンルート)店内で、2016年2月10日(水)から3月6日(日)の約1ヶ月間開催されたポップアップストアを中心に、ブルーボトルコーヒーが考える出店戦略についてのお話を伺いました。
カリフォルニア州で2002年に生まれたブルーボトルコーヒーは、創業者であるジェームス・フリーマンが日本の喫茶店からインスピレーションを受け、コーヒー豆を自宅の裏庭にあるガレージで焙煎し、スタートしたのが始まりです。
日本では、清澄白河ロースタリー&カフェ・青山カフェ・新宿カフェの3店舗を展開しています。
そうした常設店舗以外にも、自由が丘や銀座で「ショップ・イン・ショップ」のかたちでポップアップストアを開催してきました。
なぜあえて「ショップ・イン・ショップ」でポップアップストアを開催するのでしょうか?
この記事では、ブルーボトルコーヒーの出店戦略に迫ります。
▲銀座・EN ROUTEで開催されたブルーボトルコーヒーポップアップストアの様子
-清澄白河、青山、新宿とすでに常設で3店舗を運営していらっしゃる中で、ポップアップストアを企画されたのはなぜでしょうか?
ブルーボトルコーヒーには、美味しいコーヒーを多くの皆さまに届けたいという想いがあります。
そのためには店舗をオープンして、そこにお越しいただけるお客様を「待つ」だけでは足りないと考えています。
これまで来店されたことがないお客様にも、ブルーボトルのコーヒーの味や体験を実感していただきたいという思いから、常設店舗とは別にポップアップストアという形で出店しています。
もちろんポップアップストアでブルーボトルのコーヒーを体験していただいた後は、常設の店舗にもお越しいただけるよう感動体験を作り出していきたいですね。
-ブルーボトルコーヒーであれば単体でもお客様を呼べそうですが、他店舗とのコラボという形でポップアップストアを企画されたのはなぜでしょうか?
「コーヒー」というのはとても身近な存在です。
だからこそ、コーヒーではない別のきっかけでブルーボトルのコーヒーに触れていただくことで、普段口にしているコーヒーとはまた違う奥深さや楽しさを感じていただきたいという思いから、ショップ内でポップアップストアを開催してきました。
ポップアップストアは、わざわざ店舗に足を運んだり豆を取り寄せたりするほど強い興味や関心はないというお客様にもリーチできる、とても有効な方法であると感じています。
-今回出店先をEN ROUTEに決定された決め手などはあったのでしょうか?
既存の店舗とコラボしてポップアップストアを出店する場合は、ブランドとしての考え方が近いかどうかは慎重に擦り合わせています。
今回のEN ROUTEさんでいえば、EN ROUTEさんとブルーボトルコーヒーの内装を同じ方が設計をされていたのは決め手のひとつでした。
同じ空間イメージで作られていることもあり、雰囲気としても相性が良く、お客様の相性もよいのでないかと考え、具体的に話を進めていきました。
▲店舗内ではコーヒーだけでなくオリジナルグッズの販売も
-約1ヶ月間の出店の中で、お客様の反応はいかがでしたか?
EN ROUTEさんの常連のお客様がブルーボトルのコーヒーを楽しんでくださったり、コーヒーを買いにきてくださったお客様がEN ROUTEさんでついでに靴を買われたりと、相乗効果を感じる部分が多々ありました。
お互いのブランドイメージや雰囲気が近いことで、似た世界観を好むお客様へ、それぞれが効果的にアプローチできたように感じます。
-来店されたお客様はどんな方が多かったのでしょうか?
ほとんどが、はじめてブルーボトルへ来店してくださったお客様でした。
約1ヶ月という短い期間でも常連のお客様がつくほどご愛飲いただき、また銀座にもぜひ常設店舗をだしてほしいという声も多くいただきました。
そもそもブルーボトルコーヒーの店舗がどこにあるのかを知らないお客様も多かったため、次回ぜひご来店くださいと常設店舗のご案内にもつながりました。
-今後気になるエリアや実施してみたい企画などはありますか?
今回自由が丘・銀座と開催してみて、ポップアップストアは新しいお客様へのアプローチ方法としてとても有効な方法だと感じています。
東京でもまだ出たことのないエリアではぜひ実施したいですね。
またブルーボトルコーヒーらしい取り組みであれば、ぜひ東京以外でもトライしてみたいと思っています。
サードウェーブコーヒーの代名詞として常にたくさんの人に愛されているブルーボトルコーヒー。
多くの人が店舗に訪れるブルーボトルコーヒーでも、「お客様を待つだけでは足りない」と感じている、というのが今回のインタビューで印象に残ったポイントでした。
例えば渋谷・代官山周辺に店舗をもつブランドが東京の東側や埼玉・千葉方面のお客様へアプローチしたいと考えた場合、お客様に店舗へ来ていただくためには多大な労力が必要です。
しかし期間限定で他エリアに出店することができれば、気になってはいたけれどわざわざ遠い店舗まで行くほどでもないと考えていた「ライト層」にアプローチすることができます。
そういったお客様に商品やブランドの世界観を体験していただくことでブランドへの理解が深まり、次回以降常設店舗へ足を運んでいただいたり、オンラインで買い物していただくきっかけを生み出せるのがポップアップストアなのです。
これまで店舗はお客様を待つだけの場所でしたが、ポップアップストアの出現によって、ブランドが自らお客様へ会いに行くことができるようになりました。
今後は、さらにこういった積極的な出店が加速していくのではないでしょうか。
また、今回は既存ショップとのコラボレーションしてショップ・イン・ショップの形で実施されたのもポイントです。
世界観が近いショップ同士がコラボすることで、双方のお客様へより豊かな体験を提供することができます。
SHOPCOUNTERではショップやカフェの一角でのポップアップストア開催もサポートしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
【参考】
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