公開日:2024年6月24日
更新日:2024年10月19日

POPEYE Web編集部が老舗商店街でバザーを開催した理由とは

「POPEYE」といえば出版大手マガジンハウスが1976年に創刊した男性向け雑誌で、ファッション、旅行、スポーツ、車などサブカル的な世界観で一世を風靡しています。
今回、POPEYE Web編集部が自由ヶ丘ひかり街で開催したバザー企画について、エディトリアルディレクターの宮本賢さんに詳しく伺いました。

目次

雑誌と一線を画するPOPEYE Web
老舗商店街でバザーをやる理由
ポップアップストア出店の事前準備
ポップアップストア出店による効果
POPEYE Web編集部からみた自由が丘の魅力とは
ポップアップで行う交流イベントのポイント 

雑誌と一線を画するPOPEYE Web

―今回インタビュアーを務めるカウンターワークスPR担当の柏原です。
 私自身、学生時代から超がつくほど「POPEYE」のファンだったのですが、そんな「POPEYE」 について改めて教えてください。

1976年創刊の雑誌「POPEYE」 は、2012年にリニューアルして新たなファン層を獲得し、60代以上の親世代と30代程度の子世代2代でのファンも多く安定的な人気があります。

POPEYE Webは2021年にスタートしました。マガジンハウス社の雑誌の中では後発のWeb媒体でしたが、それもあって他の雑誌のWeb版とは違う方向性をもっています。

 ―といいますと?

他のWeb媒体は、雑誌のコンテンツを利用して転載するのが主ですが、POPEYE Webは、POPEYEのブランド力を生かしつつも、雑誌ではできないコンテンツ作りを独自にしていこうということでスタートしています。

 ―詳しく教えてください。

通常は、雑誌のサブ的存在として、雑誌での記事にキャッチーな見出しをつけて転載したり、大量に記事を作り、キュレーションメディアなどに配信してPV数を狙うというやり方ですが、それだとPOPEYEの世界観が伝わりづらいのではと思いました。そこで、雑誌のサブ的存在として収益を見込むというよりは、Webで新たなファン層を獲得しようと考えました。 

―新たなファン層のターゲットはZ世代でしょうか? 

ピンポイントで狙っているというわけではないのですが、雑誌離れが進む中、SNSを通じてZ世代が見てくれている感じはします。あとは、海外も視野に入れています。

幸いInstagramではすでに70万人以上のフォロワーがおり海外からの流入も多いので、そこを意識しつつ独自の企画を展開しています。ポップな移動式編集車でフットワークよく取材をしてその場で記事をスピーディにアップをしたり、ポッドキャストを始めたり、記事も一部多言語対応をしています。

 ―なるほど。それで、POPEYEの世界観を保ちつつユニークなサイトになっているんですね。
 ファンと交流したいというのはどういうモチベーションからなのでしょうか?

POPEYE創刊号に、[Come Join us!]という当時の編集長のメッセージがあるのですが、そこで「雑誌はもはや編集者だけで作る時代は終わりました」といっているんですよ。
45年経ってさらにWeb媒体だから、なおさら編集者だけでやっているわけにはいかないと思いました。 なのでPOPEYE Webでは改めて[Come Join us!]をテーマに掲げています。

その流れで読者から投稿を募集したりしているのですが、やっぱりメールだけのやり取りだけだとイマイチ熱意が伝わってこないというのもあり、直接読者と交流したいという気持ちが強くなりました。

とは言え、ただ座談会とかを開催しても堅苦しいので、ウェブスタッフの私物を持ち寄るバザーを開催して、買い物ついでに来てくれた読者に意見を聞いてみたいという思いがありました。
なんなら面白いネタがあったらそのまま記事を書いてもらおうという目論見も(笑)。

本当は常設編集部をどこかに作って、そこは読者がいつでも誰でも来られるというのが理想ですけど、それはまだまだ難しいので、単発でまずやってみようと。 

老舗商店街でバザーをやる理由

 ―バザーをやる場として自由が丘の商店街「ひかり街」を選んだのはどうしてですか?

自分たちのキャラクターや世界観にぴったりくるところでやりたくてポップアップスペースを探していたんですがなかなかしっくりしたところがなくて。都心にある大きな商業施設でやると、、バザーで出したかった軽やかさ、手作り感が半減してしまうなと思っていたんです。

ひかり街に目をつけたのは、私はじめ自由が丘が好きなメンバーがウェブチームに多かったという個人的な理由です。
ひかり街の前を通ったら、ポップアップスペースがあるぞ、と。掲示されていたサインボードにQRコードがあって、簡単に借りられそうだし、意外と安い。しかも、1日単位で借りられるということがわかって、そこからすぐ申請しましたね。

ポップアップストア出店の事前準備

―特に準備に力を入れたことや工夫を教えてください。 

どんなものが出品されるかは気になると思うので事前告知は丁寧に行いました。また、何も買わなくても楽しめるコンテンツも用意しようということでブックシェルフをおきました。

トランクを本棚代わりにして、20冊くらい詰め込んで。本を1冊持ってきてくれたら、本棚から1冊持って帰れるという企画です。

3月28日(木)「BOOK SWAP MEETING Vol.5」を『自由が丘ひかり街1F』で開催!

BOOK SWAP MEETING Vol.5の開催風景(※写真提供:POPEYE Web編集部) 

それから、ひかり街周辺のマップも作り、購入いただいた方に先着でお配りしました。

でもその他はスペースのレイアウトなどは当日バタバタと決めたし、什器も家の近いスタッフが持ち込み。
100円のライターから3~4万円台の高価な自転車まで、自分たちの好きなものをごちゃごちゃ置くという「玉石混交」がテーマでした。

バザーの開催風景(※写真提供:POPEYE Web編集部)

イベント開催情報

POPEYE Webが自由が丘でバザーを開催!

昨年、大好評だったPOPEYE Web主催のバザーが今年も開催されます。
今回はPOPEYE Webで連載をしている料理家の土井光さんも参加。
ぜひご来場ください。

開催場所:自由が丘ひかり街1F 東京都目黒区自由が丘1-27-2
開催日時:6/27(木)12:00〜18:00、6/28(金)12:00〜18:00


ポップアップストア出店による効果

―開催したのは2023年の8月21(月)、22日(火)、あえて平日を選んだのですね。

平日に開催したのは参加メンバーのスケジュールの都合なのですが、結果的には、有給を取って来てくれた方や山梨からわざわざ来てくれた方、旅行中にインスタを見てフラッと来てくれた方など熱意がある読者にたくさん参加していただけて嬉しかったです。

―当日の様子や、皆さんの反応はどうでしたか?

お客さんは100人以上は来てくれたと思います。ブックシェルフの物々交換企画の評判がよかったのも印象的でした。あとは、近くに住んでいる先輩方が「POPEYEを読んでいたよ」と足をとめてくれてうれしかったですね。 

平日にも関わらず休暇を取ってきてくれた読者の方はPOPEYE WebやPOPEYEに対する解像度がとても高いのでいい意見をもらえて勉強になりました。
楽しかったのでもう一度やってほしいと言ってくれた人も多くて、やってみてすごく良かったですね。

あとはメディア関係者の人も来て、ファンビジネスとしての新しいビジネスモデルやタイアッププランとしても活用できそうという意見をいただけたのも思わぬ発見でした。 

バザーの開催風景

―ひかり街周辺マップは大変好評だったようですね。これはどういう意図で作ったのでしょう。 

買ってくれた人に何かしら特典をつけたいという気持ちから購入者限定で配りました。

特典をマップにしたのはせっかくバザーに来てくれたのだから、自由が丘という街を楽しんで帰って欲しいという思いがあり、独断と偏見で自分たちの好きな店を30店くらい載せたんです。

POPEYE Web謹製オリジナル自由が丘マップ

POPEYE Web編集部からみた自由が丘の魅力とは 

―さすがプロが作っただけあって、完成度が高いと評判でした!
 宮本さんが思う自由が丘の魅力って何でしょうか。 

自由が丘は品がある大人のお洒落な街みたいなイメージがあるような気がするのですが、実は一癖ある老舗の喫茶店や個人経営の本屋、こじんまりしたレストランなどが点在しているんです。

ちゃんと歩くとパブリックイメージと実際の街のポテンシャルの違いがだんだんわかってくるのが魅力です。ひかり街の商店街的なノリはまさにそれを象徴していると思います。

―確かに、自由が丘をよく知らない人からするとちょっとギャップがあってそれがおもしろいですね。

 

ポップアップで行う交流イベントのポイント 

―最後の質問ですが、ひかり街にこだわらず、このようなイベントをポップアップでしたいと思っている事業者やブランドさんに何かアドバイスがあったらお願いします。 

ひかり街の中にいいお店がたくさんあるので、事前に調べておいてお客さんに教えてあげるなど、既存テナントと交流したり、活用するのはおすすめです。

今回でいうと、和菓子屋の「大文字」さんのおまんじゅうを買ってスタッフで食べていたのですが、その流れでバザーに来た人に紹介したらとても喜ばれました。

もうひとつは反省点ですが、来場者が多い場合は、もう1区画借りて販売する場所のほかに休憩所や交流スペースをおいた方がいいかなと思いました。スペースからはみ出た人で通路がふさがったり、他のテナントの邪魔になってしまったので。

―ひかり街、ひいては自由が丘全部が好きで、来てくれた人みんなにも好きになってほしいという気持ちが、マップを作ったり、和菓子屋を紹介したりという行動につながり、お客も既存テナントも自分たちにとっても「三方よし」の楽しいイベントとなったのですね。

大変参考になりました。ありがとうございました。

インタビュイー

宮本 賢 さま
POPEYE Web エディトリアル ディレクター)

2012年からPOPEYEにフリーランスライターとして参加。2019年マガジンハウスに入社し、Casa BRUTUSに所属。2020年POPEYEに異動。2021年POPEYE Webのローンチを担当。

POPEYE Web関連情報はこちらから

公式サイト:https://popeyemagazine.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/popeye_magazine_official/
X:https://x.com/popeye_magazine


イベント開催情報(終了)

POPEYE Webが自由が丘でバザーを開催!

昨年、大好評だったPOPEYE Web主催のバザーが今年も開催されます。
今回はPOPEYE Webで連載をしている料理家の土井光さんも参加。
ぜひご来場ください。

開催場所:自由が丘ひかり街1F 東京都目黒区自由が丘1-27-2
開催日時:6/27(木)12:00〜18:00、6/28(金)12:00〜18:00


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