SDGsという言葉はどのような意味か、ご存知でしょうか。メディアや店頭などさまざまな場所で見かけるようになりましたが、正しい意味を知らない方は多いでしょう。
本記事ではSDGsの基本情報とともに、ビジネスやポップアップストアに与える影響、ポップアップストアでの実践方法についてご紹介します。
SDGsとは何か?
SDGsがビジネスに与える影響
SDGsを取り入れることのメリット
ポップアップストアにおけるSDGsの実践方法
まとめ
SDGs(エス・ディ・ジーズ)は英語で「Sustainable Development Goals」といい、持続可能な開発目標という意味。SDGsは17のゴールと169のターゲットで構成されており、2030年まで持続可能かつより良い世界を目指すべく掲げられた国際目標となります。
昨今世界で起きるさまざまな課題は、予測できないうえにかつ複雑です。課題の解決のためSDGsは国同士だけでなく、研究機関や企業、学会、地域のコミュニティが一丸となり、さらに子どもから大人までが境界を越えて協力することを求めています。責任を持ちつつ課題解決に取り組むことがSDGsの目標です。
SDGsができた背景には、世界中の貧困や気候変動、戦争、感染症をはじめとした数々の問題がある中、現状のままでは安定して暮らしていけるのは難しいと判断したことがきっかけ。数々の危機がある中で世界中の人々が話し合いを経て課題を整理し、解決方法を考え、詳細な目標を立てた結果生まれたのが、SDGsです。
また、SDGsができた背景には前身のMDGs(ミレニアム開発目標)の存在もあります。MDGsは主に開発途上国における課題解決を目指し多彩な分野で成果を見せたものの、先進国における貧困や格差、ジェンダーの不平等といった問題も露呈されました。
MDGsの課題を引き継ぎ、開発途上国のみならず先進国も含め全ての国における共通目標を掲げ、目標を達成するために生まれたのがSDGsなのです。
ここ数年で登場したSDGsですが、考え方や取り組みに関しては長い歴史があるのはご存知でしょうか。
世界では1970年代から、地球における資源の枯渇や環境破壊に対しての懸念が高まり、1980年代には「持続可能な開発」という概念が生まれたのです。従来は対立するものであると考えられていた環境保全と経済発展が、「持続可能な開発」においては両立するということが重要視されました。
1992年にリオデジャネイロにて開催された「環境と開発に関する国際連合会議」(通称:地球サミット、もしくはリオサミット)では、サステナビリティこと持続可能性という考え方が世界に認知され、次第に普及していったのです。
2000年に行われた国連ミレニアムサミットでは、SDGsの前身となる「MDGs(Millennium Development Goals=ミレニアム開発目標)」が採択。SDGsの前身として、2015年までに達成するべき8つの目標が掲げられたMDGsは、開発途上国に焦点を当て一定の成果を上げました。
1992年に行われた地球サミットから20年後に開催された「リオ+20」こと国連持続可能な開発会議では、持続可能な開発を実現するべく立てられた行動計画の「アジェンダ21」が採択。気候変動枠組条約・生物多様性条約における署名が始められるなどの、大きな成果を上げたのです。
国際的な議論や、取り組み、取り組みの成果を経て2015年に生まれたのがSDGs。MDGsの内容を発展させ、先進国も含めた全ての国が取り組む目標として誕生しました。
現代社会における課題は、それぞれの課題が複雑に関係しあっているため、今まで通りの取り組み方では対応がし切れません。複雑に関係しあった課題を解決するべく、国同士だけでなく全ての人々が境界を越えて取り組むために、17の目標を掲げたSDGsが生まれました。
(引用元:日本ユニセフ協会「SDGsって何だろう?」より)
SDGsには上記17の目標があります。それぞれの目標や意味、詳細は次の通りです。
目標 | 詳細 |
1.貧困をなくそう | あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる |
2.飢餓をゼロに | 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する |
3.すべての人に健康と福祉を | あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する |
4.質の高い教育をみんなに | すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する |
5.ジェンダー平等を実現しよう | ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う |
6.安全な水とトイレを世界中に | すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する |
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに | すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する |
8.働きがいも経済成長も | 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する |
9.産業と技術革新の基盤をつくろう | 強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る |
10.人や国の不平等をなくそう | 国内及び各国家間の不平等を是正する |
11.住み続けられるまちづくりを | 包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する |
12.つくる責任 つかう責任 | 持続可能な消費生産形態を確保する |
13.気候変動に具体的な対策を | 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる |
14.海の豊かさを守ろう | 持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する |
15.陸の豊かさも守ろう | 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する |
16.平和と公正をすべての人に | 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責 MDGs 任のある包摂的な制度を構築する |
17.パートナーシップで目標を達成しよう | 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
(引用元:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」より)
1〜6の目標に関しては、貧困や飢餓、健康、教育、安全な水とトイレといった要素があるため、どちらかといえば開発途上国に対する支援がメインともいえます。ただし、ジェンダー平等に関しては数字の低い日本にも当てはまる内容です。
7〜12に関してはエネルギーや経済成長、技術、不平等などの項目が含まれた内容は、日本においても関係のあるものといえるでしょう。
13~17は気候や自然環境も含まれ、さらに平和など広範囲を指す内容。開発途上国・先進国関係なく、世界レベルの共通した目標が記されています。
SDGsが小売業界に与える影響は、さまざまあります。
1つ目は消費者に合わせた価値観の変化。今後は環境問題や社会貢献への感度が高い若い世代が消費の主役となるため、小売業界も価値観を変化させていく必要があります。
2つ目は商品。従来の商品とは異なる、SDGsに関連する商品の製作や仕入れが小売業界にも求められます。もし商品が難しい場合は、社会貢献でSDGsに対応するのも選択肢の一つです。
(消灯やアイドリングストップ、クールビズにウォームビズを心掛けるなど)
3つ目は取り組み。自社がSDGsを行っているのであればきちんと発信する必要があります。その他にも、エコ包装を行う・店頭でのリサイクルを実施するなど、お客様にもSDGsに参加してもらうことも必要となるでしょう。
SDGsが小売業界に与える影響はさまざま。そんなSDGsを小売業界も取り入れることは単に時代に合わせるだけでなく、お客様や取引先、株主などからの信頼や支持に繋がり、ひいては経営の強化に繋がります。
SDGsが普及し始めてからは、消費者の意識も変化しています。消費者は自身がSDGsに取り組みたい以外にも、SDGsに取り組む企業を応援したい・SDGsに関連する商品やサービスの購入・利用をしたいと考える方が増えてきているからです。
消費者はSDGsに取り組んでいる企業の活動に対して共感や応援をし、その企業が手掛けるSDGsに対応した商品の購入を通じて、自ら社会や環境に貢献したいと考える方も増えてきました。
SDGsをビジネスに取り組むメリットは、次の3点が挙げられます。
SDGsに取り組むことは、イメージアップに繋がります。なぜかというと、SDGsに取り組む企業は、取引先や投資家をはじめとしたステークホルダー、金融機関などから評価される傾向が世界的に増えているからです。消費者も同様に、環境や社会に配慮した製品・サービスを選ぶ方が増えています。
そのため、SDGsに取り組むことでイメージがアップするだけでなく、売り上げの上昇や優秀な人材の確保、ステークホルダーとの結びつきが強くなる、効果的なブランディングが可能になるなど、さまざまメリットが得られるでしょう。
SDGsに取り組むことで、ビジネスチャンスになるのもメリットの一つ。SDGsに取り組むことがきっかけで自社における新たな強みに気づき、新たな商品やサービスの開発が可能になるだけでなく、新たなパートナーシップによりビジネスの幅が広がる可能性があります。
また、SDGsはビジネスにおいて、取引条件となる可能性もあり得る要素。SDGsに取り組むことで、ビジネスチャンスを逃さないというメリットもあります。
働いている社員にとっても、SDGsに取り組むことで「自分達は社会の課題解決に貢献する仕事をしている」という認識を持つことができ、やりがいやモチベーションアップに期待ができます。
ポップアップストアにおいてSDGsを実践するためには、サステナブルな商品の選定と仕入れが不可欠です。理由としては、サステナブルな商品を販売することで、ポップアップストアでもSDGsの達成に貢献できるからです
例えば回収した服を利用して作ったアパレルアイテムや、リサイクル素材を使用して作ったシューズ、フェアトレードのコーヒー豆などがサステナブルな商品に該当。その他にも、自然や働く人に優しかったり、リサイクルなどが簡単にできたり、廃棄時でも環境への負荷が少なかったりするアイテムも含まれます。
サステナブルな商品の選定と仕入れは、ポップアップストアにおけるSDGsの実践方法の中でも重要な要素といえるでしょう。
ポップアップストアにてSDGsを実践するのなら、環境に配慮したデザインや運営も必要といえます。その理由は、商品だけでなくデザインや運営方法にも環境や社会への負荷が少ない方法を取り入れることで、SDGsの実践が一層行えるからです。
例えばポップアップストアのデザインとしては、店内のディスプレイに使うアイテムをリペアしたアイテムやリサイクル素材を使用したアイテム、廃棄物を原料とする素材を利用して作った什器などを使用することで、環境に配慮することが可能です。
運営面では省エネ機器の導入や太陽光発電をはじめとしたエネルギーに代替するといった方法もよいでしょう。
環境に配慮したデザインと運営方法を取り入れ、ポップアップストアでさらなるSDGsの実践を目指してみませんか。
ポップアップストアのSDGsの実践方法としては、ローカルコミュニティとの連携や支援活動も大事なことです。新たなローカルコミュニティと連携することで、自分達では思い浮かばなかった視点が思いつくだけでなく、多くの方々の参画が実現します。また、ポップアップストアに地域住民の方を積極的に関与してもらうことで、その地域のニーズや期待を反映することも可能になるでしょう。
その他にも、ポップアップストアにて取り扱う商品の資材や材料、サービスを、地域から利用することで地域経済の支援も可能です。
ローカルコミュニティとの連携や支援活動を行うことで地域にポジティブな影響を与えつつ、SDGsの実現とともにポップアップストアの出店を成功へと導きます。
SDGsは人々や環境、社会に良いだけでなく、ビジネスにおいても積極的に取り入れたい要素です。SDGsを取り入れることで、ビジネスチャンスがさらに広がるでしょう。
本記事を参考に、ポップアップストア出店の際もSDGsを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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