公開日:2024年10月19日
更新日:2024年10月19日

ライブコマースがもたらすポップアップストアへの効果とは

近年、ライブ配信で商品やサービスを紹介し、販売につなげる「ライブコマース」という手法が注目されています。本記事では、ライブコマースの概要をはじめ、ライブコマースがポップアップストアにもたらすメリットや効果的な活用方法について詳しく解説します。

目次

1.ライブコマースとは
2.ライブコマースが増加した時期と背景
3.ポップアップストアでライブコマースがもたらす効果
4.ポップアップストアでライブコマースを実施するタイミング
5. まとめ

1.ライブコマースとは?

ライブコマースは、ライブ配信とオンライン販売を組み合わせた新しい販売形態です。主にインスタグラムやYouTubeなどのSNSライブ配信機能を使用して行われます。

ライブコマースの主な特徴

  1. 配信者と視聴者のコミュニケーションが可能

ライブで紹介されている商品に視聴者がコメントで質問をし、配信者がその場で回答する、という双方向のコミュニケーションができます。

リアルタイムで疑問を解消できるため、ストレスなく買い物を楽しめます。

  1. 画像だけでは伝えきれない情報を伝えられる

商品の詳細はもちろん、実際の使用方法を動画でわかりやすく伝えられます。アパレルであれば、服の質感・素材やコーディネートをより詳しく紹介できます。

  1. 自然にECサイトに誘導できる

ライブ配信からECサイトへ遷移しやすい導線を用意しておくことで、顧客のモチベーションが高い状態でオンラインショッピングに誘導できます。

ライブコマースの難しさ

うまく活用できれば、顧客との関係強化や売上促進につなげることができますが、一方で、ライブ配信にかかる労力も把握しておくことが大切です。ライブ配信には、下記のような難しさもあります。

  • 配信トラブル

ライブ配信は生放送のため、ネットワークが不安定になる、機材の不調による映像の乱れが起こる可能性があります。

リハーサルや機材チェックを入念に行い、配信中にバタバタしないように準備をすることが重要です。

  • 視聴者が集まらない

事前に告知をせずに配信を行ってしまうと視聴者が十分に集まらず、情報を発信できる対象が狭まってしまいます。

メールマガジンやSNSなどでライブ配信を告知したり、ライブ配信を見るメリットを発信したりすることで、視聴者を集めることができます。

また、ライブ配信を行う頻度が多い場合は、曜日や時間を固定して、顧客にライブ配信予定を覚えてもらうなどの方法もあります。

  • 顧客の信用や好感度が下がる

ライブ配信だからこそ、スムーズに商品紹介をするための段取りを決めておき、視聴者を飽きさせない工夫をすることが重要です。

また、リアルタイムでコミュニケーションを取れるからこそ、十分に商品を理解していない状態で配信してしまうと、顧客からの質問に答えられない事態が発生してしまう危険性もあります。

配信者の些細な言動で不信感を抱かれてしまう可能性もあるため、ライブ配信前に入念に打ち合わせを行い、リスクに備えることが大切です。

2.ライブコマースが増加した時期と背景

ライブコマースの先進国は中国で、2016年頃から大手ECサイトの「タオバオ(アリババ傘下)」や「JD.com」がライブコマースに参入したことがきっかけとされています。
中国では、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーや有名人が配信者(ライバー)としてライブ配信を行っており、2020年時点ではKOL経由でのEC市場規模は3,000億元に達しているとのことです。

中国でライブコマースが増加した理由として、「価格」と「ライバー」が挙げられます。

ライブコマースで扱う商品を絞って大量に仕入れ、安価に商品を提供したり、ライブコマース限定セールやタイムセールを実施したりすることで、顧客にライブコマースで購入する魅力を感じさせています。

また、好きなライバーが出演しているから、ライバーとコミュニケーションが取れるから、といった理由でライブコマースを活用している顧客も多いようです。

一方、日本でのライブコマースは、中国ほど活発ではありませんが、コロナ禍をきっかけに徐々に注目されるようになっています。

主にアパレル業界や化粧品業界でライブ配信が行われており、身長や骨格別の着用感を伝えたり、リアルタイムでメイクをして使用感を伝えたりといったシーンが見られます。

MMD研究所が2021年に調査した「ライブコマースに関する利用実態調査」によると、ライブコマースの認知度は43.2%、利用経験は12.7%、実際に商品を購入したことがあるのは5.8%という結果が出ています。

利用したい意向はあるものの、ライブ配信からリアルな購入までつながる顧客はまだ少ない状況です。

3.ポップアップストアでライブコマースがもたらす効果

ポップアップストアとライブコマースを利用することで、以下のような相乗効果が期待できます

来店促進効果

ポップアップストア店内からライブ配信をすることで、来店を検討している方の来店意欲を促進できます。おしゃれな装飾や写真映えするようなスポットを用意し、ライブ配信内で紹介することも効果的です。

また、ポップアップストア限定の商品や来店特典をライブで紹介して、顧客に来店する動機を与えることもできます。ポップアップストアならではのトークショーやワークショップなどの併設イベントの様子を配信するのも良いでしょう。

ポップアップストアへの来場が難しいファンを取り残さない

ポップアップストアは主要都市やブランドのゆかりがあるエリアで開催されることが多く、来場が難しい顧客も多くなります。また、期間限定出店のため、日程が合わない、という場合もあります。

来場が難しいファンにも来店している気分を味わってもらうことができるのがライブコマースです。

ポップアップストアの店内を実際に回りながら商品を紹介して、買い物をしているような体験を提供し、購買につなげることができます。

また、ポップアップストア限定イベントも配信することで、オフライン・オンライン両方の顧客とコミュニケーションを取ることができます。

来場が叶わないファンを取り残さず、関係性を強化できるのもライブコマースを活用するメリットです。

4.ポップアップストアでライブコマースを実施するタイミング

ポップアップストアの効果を最大化するには、ライブコマースを実施するタイミングが重要です。以下、おすすめのライブ配信のタイミングを紹介します。

ポップアップストア 開催前日

会場設営が完了した後、翌日の開催に向けてライブ配信を行います。店舗のレイアウトや雰囲気を伝えることで、来店意欲を高めることができます。

また、ポップアップストア限定商品を先行公開したり、開催期間中のイベントやワークショップの詳細を説明したり、ポップアップストアならではの特別感を与えることで、来店へのモチベーションをアップできます。

初日朝(土日祝日開催の場合)

ポップアップストアの初日が土日祝日の場合、開店直前のライブ配信で、当日の来店を促進することも効果的です。

土日祝日は、仕事や学校が休みの場合が多く、予定が空いていれば、「行ってみようかな」と思ってもらえる可能性が高いです。

ポップアップストア来店の先着特典や数量限定商品を紹介したり、イベントやトークショーといった当日のタイムスケジュールを発信することで、「今日」来店する動機を与えるのがおすすめです。

開催期間中

開催期間中は、ポップアップストアの様子を定期的に配信し、来店できない顧客ともコミュニケーションを取るようにします。その日の店内の様子や売れ筋商品の紹介、人気商品の在庫状況などを共有することで、購入意欲を促進できます。

また、開催期間中にライブ配信をすることで、「来店しようと思っているけれども、まだしていない」という顧客に対してもポップアップストアの魅力を伝え、来店の背中を押す効果があります。

開催期間中のライブ配信事例

CafeSnap

2024年5月のGWに自由が丘の老舗商店街「自由が丘ひかり街」にて開催されたポップアップイベント「Independent Lights」。

3日間のイベント期間中にゲスト出店いただいた国内のトップバリスタが出演する形で営業時間前にライブ配信。

イベント来店に向けた集客施策として、ライブ配信を有効活用しています。

5.まとめ

ライブコマースは、オンラインとオフラインを融合した販売チャネルを作り出すために効果的な手法です。

ライブコマースとポップアップストアをうまく掛け合わせることで、来店促進や来店できないファンへのアプローチなど、多面的な効果が期待できます。事業拡大を目指す場合には、まず検討したい施策の一つです。

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