公開日:2024年9月6日
更新日:2024年10月24日

SHOPCOUNTER導入により収益が20%アップした横浜市営地下鉄でのポップアップストアの取り組み

ポップアップストアの出店支援プラットフォーム「SHOPCOUNTER」を導入いただいた企業様に、それまでにどのような課題や目的を持たれ、SHOPCOUNTERのどういった点を評価されて導入に至ったのか。2024年5月から導入開始いただいた、横浜市交通局資産活用課の方々にお話を伺いました。

スペースの稼働・集客にお困りの方へ

ショップカウンター」は、短期出店で物販、催事、展示会、プロモーションを検討しているブランドの方々向けにスペースの貸し出しを希望するスペースオーナーさまを募集しております。

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■インタビュイー

横浜市交通局 経営管理部 資産活用課

星野 尊 課長 (左から3人目)
寒川 一 担当係長 (左から4人目)
三澄 翔太 さま (左から2人目)
古正 淳子 さま(左から1人目)

1日に60万人近くが利用する横浜市の重要な交通インフラ

ー横浜市交通局の事業内容について教えてください。

寒川:バスと地下鉄の運行管理が主な事業です。バスは1日あたり31万人の方にご利用いただき、ブルーラインとグリーンラインの2線からなる地下鉄は計40駅で61万人が利用しています。

我々の所属する資産活用課は、横浜市交通局が保有する資産を収益に繋げることを目的に、バス・地下鉄の広告掲載や、今回の取材の主題であるスペースの有効活用など、乗車料収入以外で収益を上げています。

ー42駅ある中でも、ポップアップスペースとして人気の高かったところはどこでしょうか?

三澄:ポップアップスペースに対応した駅でいうと戸塚駅、センター南駅、センター北駅、あざみ野駅が乗降客数の上位でして、それぞれ1日あたり7万人近くの乗降客数となっています。

特にブルーラインとグリーンラインの2線が走るセンター南駅とセンター北駅は、駅前に大型の商業施設もあり、ファミリー層はじめ若年層や学生まで幅広く住んでいることからポップアップスペースの出店実績がこれまで多かったです。他線への乗り換えがある戸塚駅も直近では人気のスペースになっています。

ーどういった業種の方からの出店が多いのでしょうか?

寒川:センター南駅・センター北駅などは昨年度から携帯ショップのキャンペーンPR目的の出店が圧倒的に多い状況です。

その他、ファミリー層をターゲットにしたプログラミング教室などの学習系サービスを提供する事業者も多いですね。もちろん、こういった販促ニーズの出店も歓迎しつつ、今後は食物販のカテゴリがもっと増えていくと駅周辺の賑わいにも繋がるのではと期待しています。

湘南台駅 改札口

紙と電話によるアナログな事務作業からの脱却を目指して

ーポップアップスペースを運営する上で抱えていた課題について教えてください。

三澄:これまで交通局のホームページのみで告知していたせいか、リピーターの方が多く、新規でご利用される事業者が少なかったことと、さきほど上げたような人気駅で、かつ土日に利用が集中するといった稼働状況の偏りに課題を抱えていました。

ー認知率と稼働率以外にも課題はありましたか?

寒川:業務の流れでいうとお客様から電話にて「どのスペースが空いていますか?」という問い合わせからスタートし、カレンダーで空き状況を確認、メールで申請いただいた後、許可書を郵送で受け取り、銀⾏窓⼝での使⽤料納付いただく……といった煩雑な業務が要所要所で発生していました。

ー失礼な質問になるかもしれませんが、そういった業務フローになってしまう背景というのは……?

寒川:一番は自治体のルールに縛られているのと、それを解決するためのDXツールが存在せず、また、そういったものを積極的に導入しようという意識が弱かったのが要因だと思います。ただ、コロナ禍を経て、先延ばしにしていたこれらの諸問題をなんとかしようと気づき始めてきました。

ー横浜市交通局が2026年に向けた中期経営計画の中で「資産の有効活用による収益の向上」を掲げていましたが、今回のSHOPCOUNTERの活用にも繋がっているのでしょうか?

星野:駅ナカスペースを活性化させるために、交通局のホームページだけではたどり着けない方々への認知向上と、さきほどのような利用者にとって煩雑な作業を減らしていくこと、さらには関連する業務の効率化、このあたりが中期経営計画ともリンクしていると思っています。

ー現在、資産活用課の組織体制はどのようになっていますか?

星野:会計年度職員非常勤職員)も含めると課には17名在籍しており、そこから3つの担当に分かれ、ポップアップスペースの運用は3名の職員で行っています。もちろんそれ以外の業務も携わっているので、潤沢なリソースとは言えないですね……

ーさきほどおっしゃったポップアップスペースの受付業務に皆さんが要する時間はどれくらいかかっていたのでしょうか?

寒川:新規のお客様の場合だとひとつの案件に対して、電話での説明や仮予約の手続き、許可書の郵送、入金確認など全て合算すると、長い時で3時間は掛かっていたと思います。

試験導入で大きな手応えを感じ、導入を決定

ー想像以上に工数が掛かっていたのですね……そういった中、当社のSHOPCOUNTERを具体的に検討し始めたキッカケは?

星野:当初は資産活用ポータルサイトという自社ホームページを独自に改修してシステムをイチから構築することを検討していました。横浜市のデジタル統括本部という市全体の情報システムを管轄する部署に相談したものの、それだとあまりにもコストがかさんでしまうことから、外部の提携業者を見つける方針に舵をきった次第です。

ースペースマッチング関連のサービスがいくつかある中でSHOPCOUNTERを選んでいただいた理由というのはなんでしょうか?

三澄:類似のスペース予約サービスと比較する中で、SHOPCOUNTERはビジネス利用シーン(法人向け)に特化していることと、キッチンカーなど特定カテゴリに限定されておらず、弊局のような駅スペースの掲載実績もあった、という親和性が一番の決め手になりました。

星野:その他にも、同一エリアでのスペース登録も多数あったので、利用するユーザー目線でも価格の相場感を比較検討しやすく便利なのでは、と感じています。

寒川:また、営業担当の方からの提案で、本導入前に3ヶ月間、テスト的に一部のスペースを掲載したところ、今まで接点がなかったような業種から想定以上の問い合わせ数があったのと、価格設定に対するフィードバックを得られたなど、今まで自社サイトでの掲載では気づけなかった学びが得られたのも大きかったです。あとこれはサービス内容と直接関係はないのですが、その営業担当の方がたまたま横浜市営地下鉄の沿線にお住まいだったため、このエリアへの理解度も高く、地域を盛り上げていきたいという強い想いを持ってくれていたのも嬉しかったですね!

ー導入から実際に運用を開始するまでに社内調整で苦労された点はありますか?

三澄:市では手続き面のルールとして「要綱」というものを定められているのですが、SHOPCOUNTER導入にあたって紙で発行していた許可書の電子化については改正する必要がありました。ツールにあわせてルールを柔軟に変更していくというのは、他の局でも進んでいたので、その流れに上手く乗れたのではないかと思っています。

■横浜市交通局のイベントスペース例

実感した集客・運用面それぞれの導入効果

ーSHOPCOUNTER導入後、集客面ではどのように変化は見られましたか?

寒川:問い合わせの窓口をSHOPCOUNTERに集約したことで、当課への電話・メールでの直接のお問い合わせというのはほぼゼロになってきました。これまでのやり取りに慣れ親しんだ既存のお客様からクレームのお言葉があるかも?と危惧していましたが、それも一切なかったですね。

問い合わせ数でいうと、4月の導入から4ヶ月で新規の問い合わせが数十件近くあり、うち6割くらいが成約にいたっています。収益ベースでいうと、昨対比で20%アップという上々のスタートとなっています。もちろんこれはSHOPCOUNTERの導入効果もありますが、グリーンラインの駅周辺の発展に伴い、乗降客数の増加といった外部要因もプラスに影響していると思われます。

成約いただいた方の内訳としても、こちらの期待していた食物販目的でのご利用がありました。また問い合わせベースだと、雑貨類を扱う個人事業主の方や電動車椅子の試乗会など、これまででは考えられなかった業種や利用用途での引き合いもあり驚いています。

戸塚駅内のレンタルスペースでの出店事例 おにぎりせんべい(株式会社マスヤ)

ー煩雑だった運用フローの改善効果についてはいかがでしょうか?

寒川:ひとつの案件に費やす時間は概ね2/3くらいに短縮できたと実感しています。それに付随して、入金管理も楽になりました。というのも、今までは納入通知書(振込用紙)を紙で利用者に郵送していたのもあり、入金タイミングがバラバラで、1件1件入金を確認する必要があり、入金されていない場合は電話で督促するなど手間がかかっていたのですが、SHOPCOUNTER導入によって事前決済するシステムに移行したのでそのリスクがなくなったのも大きいですね。

ー前述の中期経営計画の中でも駅構内スペースの一時利用・ワゴン販売の促進として、2026年度に掲げている目標値(34百万円)に対して、今回の導入がどのくらいの影響すると思われますか?

星野:一昨年に立てた計画ではあるものの、SHOPCOUNTERに期待しているところは多分にあります。現在20駅で導入していますが、現在実施していない駅でも拡張できる駅は拡張して、目標を達成したいな、と。今後は関内駅あたりが狙っていきたいスペースです。調整難易度は極めて高いですが、いつかは横浜駅でもトライしたいですね。

ーポップアップストア誘致のためのSHOPCOUNTERへの掲載以外で工夫されていることはありますか?

寒川:駅構内でのポスターの掲出をはじめ、横浜市の公式LINE、横浜市交通局X(旧twitter)での告知、信用金庫や商工会議所と連携してのビジネスマッチングなど、SHOPCOUNTERでの掲載を機に様々なチャネルで積極的に周知を図っているところです。

あざみ野駅構内に掲示されたSHOPCOUNTER のポスター

テレビ神奈川「ハマナビ」で横浜市営地下鉄のポップアップスペースが紹介されました

ー最後に今後、横浜市営地下鉄での出店を検討するテナント候補の方々へのメッセージがありましたら。

星野:ポップアップストアの活用が駅の賑わいに繋がるので、出店者と地域の方々の交流がもっと生まれていくことを目指しています。一方で、いま話題のお店などに出店していただけるとそれがSNS上での呼び水となり、普段使いだけでなく、目的買いとして新たな顧客層にも横浜市営地下鉄をご利用いただける状況を期待しています。

また個人事業主の方は、いきなり常設店を構えることは難しいでしょうから、こういった駅スペースを1日単位でも構いませんので、上手くトライアルとして活用してもらえると嬉しいですね。

我々のポップアップスペースの特長として、改札近くに出店場所を確保しているので、多くの方の目に触れることができます。是非お気軽にお問い合わせください。

レンタルスペースを貸し出したい方へ

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