初めてでも再現できる?「カイトル」に聞く、買取催事のKPI設計と出店先の見極め方
常設店より小さな初期コストで始められ、場所を変えながらスピーディに拡大できる「買取催事」。とはいえ、集客や損益、人員体制に不安はつきものです。月170〜175回の出店を重ねる株式会社カイトルの代表取締役・松枝 恭平様に、出店判断の基準、KPI設計、現場運用の工夫、そしてショップカウンターを使う理由を聞きました。

目次
小さく始めて検証できる催事の魅力
── まず、カイトルさんの事業概要を教えてください。
カイトル代表・松枝様(以下、松枝):大きく言うと、催事での中古買取が軸です。「つなぐ屋」という常設店が大阪と兵庫に2店舗あって、宝石事業部は法人からも仕入れています。楽天やメルカリなどでのEC販売もやっていて、フランチャイズ事業も展開しています。いろいろ手段はありますが、今の事業の中心はやはり催事ですね。
── 催事出店を本格的に始めたきっかけは何でしたか? 当時、どんな課題意識があったのでしょう。
松枝:会社員時代にバイセルテクノロジーズで働いていて、起業後はいろいろ検討しましたが、2022年頃から中古買取事業者による催事への参入が増えてきた流れもあって、本格的に催事へ寄せていきました。
もう一つ大きいのは「広告」です。出張買取は事業を拡大させようとすると、結局広告に頼らざるを得なくなる。大手が強い領域なので、競争の中で広告依存になっていく構造があると思っています。だからこそ、スケーラビリティの観点で催事が一番だと判断しました。
── 常設と比べたとき、催事は“投資”としてどう見ていますか? 費用対効果の考え方を数字ベースで教えてください。
松枝:常設店の場合、初期費用が大きく、概算でも1,000万円規模になるイメージです。一方、催事は1日単位でスペース料を払えば始められる。イニシャルのハードルが全然違います。だから小さく試して、合う場所なら回数を増やす、という動きができます。

加えて、催事なら“場所”を変えながら試行錯誤しやすい。特にスーパーマーケットのように常連客をはじめ来店者数がある程度見えやすい施設だと、集客の見立てをした上で検証に入れるんです。
そうやって、勝ち筋がある場所を見つけたらスピード感をもって回数を重ね、再現性を高めながら伸ばしていく。その動き方が、私たちの目指す成長の形に合っていました。

月間170件以上の出店から見えた場所選びのコツ
── 今はどのエリア・どんな施設で出店されることが多いですか? 頻度も含めて教えてください。
松枝:頻度で言うと、1週間に43回くらいで、月にすると170〜175回くらいになります。エリアは関東(1都3県)と関西(近畿。和歌山と三重は除く)が中心です。今後を考えると、同じペースで増やし続けるには新規開拓が必要になるので、地方都市も視野に入れていきたいと思っています。

── 出店先は何を基準に選んでいますか? “この条件なら勝てる”という見極め方があれば知りたいです。
松枝:催事の流入は大きく3つに分かれると考えています。チラシ、リピーター、スタッフによる声がけ。この3つがどう組み合わさるかを見ます。
例えばチラシが撒きづらいエリアでも、来店者数が多ければ声がけで補える。逆に地域のスーパーマーケットみたいに商圏が狭いところだとリピーターが取りやすい。どれかが弱くても、他で補えるなら成立します。
最終的には、想定できる査定数と単価を合わせて「売上ボーダー」を超えるかどうか。超える店舗は優良店舗としてランク付けしていきます。新規の場合は、Googleストリートビューで街並み(マンション比率・一軒家比率)、周辺スーパーの距離感を掴むほか、Google Mapの来店者数の推移グラフなども参考にします。

失敗しないKPI設計と“現場力”を支える社員教育
── 当日の現場では、何をKPIにして回していますか? “うまくいく催事”に共通する動き方も教えてください。
松枝:KPIは売上(査定総額)を一番上に置きます。その次に査定数(来客数)と単価。査定数はさらに、チラシ・リピーター・声がけのどこから来たかまで分解して見ています。チラシは運の要素もあるので、自分たちで作れるリピーターと声がけは特に重視しています。
出店の継続判断も、結果だけでなくプロセスで見ます。売上が伸びなくても、声がけで“見込み客”に出会えているなら、次回で回収できる可能性がある。一方で、ピークの時間帯でも人が少なく営業機会がない店舗は撤退の判断をします。
チラシ施策はエリアで変えています。23区など新聞購読が減っているエリアは折込を絞り、ポスティングに寄せる。スーパーマーケット商圏は「1kmを超えると来店が減る」感覚があるので、1km圏内、さらに500m圏内に集中して投下します。

── 出店回数が増えるほど、現場の品質担保が難しくなると思います。教育やクレーム対策はどう設計していますか?
松枝:正直、最初は失敗もありました。若手や新メンバーの教育が追いつかない時期に、売上を急いでしまって、店舗側とのクレームが増えたことがあって。そこは反省点です。そこから、技術よりもまず「マナー」「言葉遣い」「高額品を丁寧に扱う所作」など、ベースを徹底してボトムラインを上げる方針にしました。
もう一つ大事なのは、出店させていただく店舗責任者との関係性です。催事はToC営業だけど、ToB要素も大きい。責任者とコミュニケーションを取って、営業しやすい環境を作るべきだと思っています。
中古買取に対して、最初は快く思われていない責任者の方と出会うこともありますが、そこで諦めずに信頼を積む。実際、仲良くなった店長が異動先で「カイトルさんは良い」と本部に伝えてくれて、新しい現場につながったケースも複数あります。
── 最近は催事出店において声がけが難しい施設も増えています。現場で“できる範囲を広げる工夫”はありますか?
松枝:確かに施設側のルールは厳しくなっています。ただ、関係値を作らないまま「もうできないからダメ」と諦めてしまうケースもあると思っていて。まず店舗責任者と向き合って、どこまでなら可能かを一緒に探ることが大事です。
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ショップカウンターを利用している理由
── 数ある手段の中で、「ショップカウンター」を選んでいる理由は何ですか?使っていて便利な点も具体的に教えてください。
松枝:きっかけは同業の元上司の紹介です。以前使っていたサービスはレスポンスが遅くて、フランチャイズや直営が増えるタイミングで「早く現場を押さえたい」ニーズに合わなかった。担当スタッフの方のスピードは本当に重要ですし、提案が継続的に届くのも運用面ではありがたいですね。
機能面ではクレジットカード決済ができるのが助かっています。以前はチラシ代や場所代を先に立て替えて、回収まで時間がかかって“数千万円くらい貸付け状態”になることもあったので、キャッシュフロー的な改善効果が大きい。それと、ショップカウンターのスペース情報ページは写真がたくさん見られるなど現場イメージがつきやすい。

── 今後はどんな出店戦略を描いていますか?次に伸ばしたい領域や強化ポイントを教えてください。
松枝:今後は地方都市も含めて広げていきたいですね。関東・関西で出店回数を積み上げるほど、新規開拓やエリアの新陳代謝が重要になる。だからこそ、出店判断の型(導線×単価×プロセス)を武器に、次の成長フェーズに進めたいと思っています。
会社名:株式会社カイトル
所在地:東京都中央区八丁堀1丁目11-12 キューブワン八丁堀6階
代 表:森本 拓也、松枝 恭平
設 立:2019年12月
事業内容:古物営業法に基づく古物商、フランチャイズチェーン店の加盟店募集および加盟店の指導業務、採用コンサルティング事業
公式サイト :https://tsunaguya.co.jp/
【カイトル フランチャイズ加盟店募集のお知らせ】

株式会社カイトルでは、催事買取事業の拡大に伴い、フランチャイズ加盟店を募集しています。関東・関西を中心に月170〜175回の催事出店を行いながら培ってきた、出店判断の基準やKPI設計、催事運営ノウハウを共有し、未経験の方でも取り組める体制を整えています。
催事買取は、常設店舗と比べて初期投資を抑えて始められ、場所を変えながら検証・拡大できるビジネスモデルです。
買取ビジネスに興味がある方、催事ビジネスで独立・事業拡大を目指したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
TEL:070-8504-3687
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累計85,000ブランドの出店データと、全国28,000スペースとの取引実績をもとに、出店戦略やオフライン出店における売上最大化に関する実践的な情報を発信中。出店を検討するブランド担当者、ならびに商業施設・レンタルスペース運営者に向けて、再現性のあるノウハウや業界動向をわかりやすく解説することを心がけています。
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