ここ数年で、個人でもフリマアプリなどを使って気軽に自分の作品を販売できるようになってきました。この記事では、SNS運用とポップアップストアを組み合わせ、ファンの心をガッチリつかみ続ける「nico accessory」の事例をご紹介します。
ここ数年でハンドメイドマーケットアプリやフリマアプリが台頭し、誰でも気軽に自分の作品を販売できるようになってきました。
特にアクセサリーはInstagramを中心に個人で発信することでファンを醸成し、短期間で爆発的な人気がでるブランドもでてきました。
しかし簡単に参入できるようになったからこそ、ライバルとの差別化が難しいもの。
今回はSNSの運用とポップアップストアの出店を組み合わせたブランディングで、ファンの心をガッチリつかみつづけるnico accessoryの李野さんにお話を伺いました。
スワロフスキーやパールを使ったハンドメイドイヤリング、ピアスを制作している「nico accessory」。
結婚式にもデイリーにも使えるアクセサリーを展開する、2014年3月に立ち上がった新しいブランドです。
結婚式で使うドレスやアクセサリーはレンタル用品が多いため、式が終わった後に思い出の品が手元に残せないことを寂しく思う花嫁は多いもの。
ブランドを立ち上げた李野さんも2013年に行ったご自身の結婚式を通して、ブライダルからデイリーまで使えるデザインのアクセサリーを作りたいと思ったことが制作のきっかけでした。
お客様は結婚式を控えた女性も多く、パーティーでもデイリーにでも使えるアクセサリーは、結婚式の後も思い出のアイテムとして大切な記念日に身につけていただいています。
はじめてまだ2年も経っていない中でInstagramのフォロワーは8,000人を超え、1日限定で出すポップアップストアは整理券が必要なほど大人気のブランドに。
今回はそんなnico accessoryの成功の秘訣に迫ります。
▲初出店の東急ハンズ大丸大阪梅田店の様子。なんとディスプレイ用品はすべて手作り!
今回お話をお伺いしたのはnico accessoryを立ち上げた李野さん。普段制作から販売まですべてご自身で行っているそうです。
李野さん:はじめての出店は昨年の1月末から1ヶ月ほど開催した東急ハンズ大丸大阪梅田店のweddingコーナーでした。
Instagramをご覧いただいたウェディング担当者様よりお声がけいただいたのがきっかけです。
その後6月には東急ハンズ新宿店のweddingコーナーでも同様に出店させていただきました。
大阪のハンズでお客様から思いの外大きな反響をいただいたこともあり、新宿店は1日のみの出店とし整理券などの対応もしていただきました。
nico accessoryの世界観をつくる上で商業施設以外でも出店してみたいと思い、8月には大阪北堀江にあるレストランwedding『RESTAURANT en vue』の2Fをお借りしてのポップアップストアも開催しました。
李野さん:絶対にウェディングに関する場所、と決めているわけではありませんが結婚式で身につけて下さる方が多いこともあり、ブライダルシーンもイメージしやすい会場はポップアップストアに適していると感じています。
また出店の際はディスプレイの自由度も条件にしています。
nico accessoryのイメージを表せるようにディスプレイ用品もすべてハンドメイドで用意しているので、ある程度自由な見せ方を許容していただけるかどうかは私にとって大切なポイントです。
▲東急ハンズ新宿店での様子。大阪店での反省を生かして囲いの設置や整理券配布などの対応も。
李野さん:大阪での初出店当日では100点以上のアクセを準備し1ヶ月間で完売を目標としていたのですが、予想以上の反響をいただき、初日夕方までに完売してしまいました。
嬉しくて嬉しくて感謝の気持ちでいっぱいでしたが喜んでばかりはいられず、まだあと一ヶ月間残っている出店期間に販売するための商品制作が追いつかなかったことで翌日からのお客様にご迷惑をお掛けしてしまった事がとても大きな反省でした。
また初出店の際は周りが文房具ばかりの中で、nico accessoryの世界観が伝わるディスプレイづくりにも苦労しました。
李野さん:通りがかって購入してくださる方もいらっしゃいましたが、もともとInstagramやFacebookを見て実物を見たいと思ってきてくださった方が多かったです。
リアル出店ではECにはない体験をしていただきたいと思い、ポップアップストア限定商品を用意していたのですが、回を重ねるごとに「この商品を見たい」と目的をもってきてくださる方が増え、目当ての商品がないことで逆にがっかりさせてしまうこともあり、そのあたりの塩梅を難しく感じています。
李野さん:実店舗で商品を見て頂ける機会がないので、できる限り実物に近い色で写真を撮るようにしてます。
写真で綺麗に見せることにこだわりすぎて「写真の方が可愛かった!」とならないようにも気をつけてます。
フォロワーを増やすために特になにかをした、というわけではありませんが、購入してくださった方が商品やディスプレイ、実際に身につけた写真などを投稿してくださっているおかげもあると思います。
▲大阪で開催したレストランウェディングでのポップアップストアの様子。明るい自然光と外のグリーンが世界観とマッチしています。
李野さん:明るくナチュラルな雰囲気がnico accessoryの世界観だと思っているので、グリーンを添えたりウッド調の小物を使い世界観を演出することにこだわりました。
2回出店させていただいた東急ハンズさんでは特別に囲いをつけていただいたり整理券配布の対応もしていただき満足度も高かったのですが、もっと自由度が高く世界観を演出しやすい場所でも開催してみたいと思い、大阪のレストランウェディング『RESTAURANT en vue』さんでも開催させていただきました。
自然光が入り緑が多い会場はnico accessoryの世界観ともマッチしており、会場選びの大切さを感じました。
お客様にも好評をいただき会場のご担当者様にも感謝しております。
▲東急ハンズの売場での1枚。販売はいつもご主人と2人で行っているそう。
李野さん:2月11日に京都高島屋でポップアップストアを開催する予定です。
ブランドを立ち上げる際にひとつの目標としてきた百貨店のジュエリーコーナー出店という夢がこんなにも早く叶い、まだ信じられないような気持ちでいます。
昨年はまずお客様の生の声を聞いて商品に生かすことを大切にしてきましたが、基本的にわたし一人で運営しているのでポップアップストアを開催すると商品制作の時間が削られてしまうこともあり、今年はオンラインショップに力をいれていきたいと考えています。
ありがたいことにたくさんのお客様からnico accessoryの商品がほしいとご要望をいただいているので、まずは全国に商品をお届けできるように体制を整えてから、実物を見てみたいというご要望やまだnico accessoryをご存じないお客様へのアプローチをしていきたいと思っています。
李野さんにお話を伺いながら、世界観やイメージを大切にされている姿勢が伝わってきました。
ポップアップストアでもただ商品を並べるだけではなくディスプレイも結婚式の写真が並べられている点など、結婚式でもデイリーでも使えるアクセサリーというコンセプトがよく伝わる工夫ではないでしょうか。
人気のInstagramでも商品紹介はもちろん実際の結婚式で着用された方の写真やご自身の結婚式の時の写真など、商品を売りたいという意識よりも結婚式という時間を素敵に過ごしてほしいという想いが伝わってきます。
またInstagramの投稿が「ブランドアカウントと友人アカウントのちょうど間くらい」の温度感であることもポイントに感じました。
コメントしやすい投げかけやこまめな返答によって関係性を築く、ということが上手なブランドだと思います。
SNSですでにお客様と関係値が築けていると、集客において人通りが多いところや1Fの路面店といった出店場所の制約が少なくなり、より世界観に合った場所の選択ができるのも魅力です。
nico accessory ポップアップストア でも、3回目はレストランウェディング会場の2Fと一般の方の来店を期待できる立地ではなかったものの、既存のお客様の来店で盛況だったとのこと。
これまでは立地こそが出店の結果を分ける大きな要素でしたが、今後はSNSを通した下準備こそが成功の鍵になりそうです。
商品にこだわってお客様によるSNSの投稿を促し、ブランドのアカウントでより深く知ってもらう。
そしてリアルショップで実物を見比べたりコミュニケーションをとることでさらにブランドを好きになってもらう。
nico accessory はこの循環がとてもうまくいったブランドの好例ではないでしょうか。
■POP UP SHOP出展実績
■ブランド概要
ブランド名:nico accessory
取り扱い商品:スワロフスキーやパールを使ったハンドメイドイヤリング、ピアスなど
「SHOPCOUNTER」は、ポップアップストア・催事・展示会などの出店/出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォームです。ショッピングモール、スーパーマーケット、百貨店、商店街、駅ナカ、オフィスビル、撮影スタジオ、展示会場など様々な商業スペースの検索・予約が可能です。
今すぐお探しでない方もアカウント作成 することで、新着やおすすめスペース等のお役立ち情報を受け取ることができますので、ぜひご登録ください。
2016年3月15日
2019年8月16日
2019年8月9日
2020年9月11日
2023年12月4日
2019年10月4日
2019年9月6日
2023年10月31日
2016年5月12日
2024年6月23日
2024年4月7日
2020年2月14日
2024年7月16日
2024年4月28日
2020年3月12日
2016年1月15日