公開日:2020年9月15日
更新日:2023年11月30日

SHOPCOUNTERは革新的なつながり / みのる陶器【ブランドインタビュー】

“おうち時間”などで生活の質の向上を目指すようになっている昨今。今回は食器を販売している“みのる陶器”さんにポップアップストアの使い方や今後の展望についてお話を伺いました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、家で過ごす時間の質の向上を図る人も増えてきています。
そんな中で、かわいいお皿や毎年の新作食器の販売を行い、ポップアップストアなども積極的に利用している“みのる陶器”さん。
彼らは美濃焼の卸問屋から始まり、現在では小売の世界に足を踏み入れたり、海外販売に力を入れるなど、販路開拓にも積極的です。
今回はブランドのお話から、ポップアップストアの捉え方、今後の展望まで、『みのる陶器』3代目の玉樹誠也社長にお話をお伺いしました。

▲シーンを想起させるクリエイティブがメイン

利益率の改善を目指して小売の世界へ

― ブランドの遍歴を教えてください。

祖父が創業したみのる陶器は私で三代目になります。
家業を引き継いでから7年ほどになるのですが、当初は卸売業がメインでかつ卸先が100円均一など薄利多売の商売だったので利益率が低く、とても苦しい経営状況でした。
様々な食器を生産している美濃焼の産地が会社の所在地なので、低コストで仕入れをして、卸売りではなく、直接販売が出来る方法を自社で構築できれば、利益に繋げることができると思っていました。
雑貨卸や海外輸出などの問屋業も継続して販路拡大を狙い、並行してEC事業を拡充していくことを同時進行しながら現在に至ります。

― 美濃焼や美濃地方の特徴を教えてください。

弊社が取り扱う商品は食器がメインとなりますが、美濃地方は国内生産の60%をまかなう生産高を誇っていて、電化製品で使用するファインセラミックなども美濃地方で生産しています。
中国製などの海外製品も多く国内に輸入されていますが、製造技術やコストのバランスなど国内随一の産地であるため、商品としての魅力はとても高いと思っています。
また、インターネットやSNSの普及もあり、以前よりも独自路線が打ち出しやすくなっている印象もあります。

― なぜポップアップストアを出店されようと考えたのですか?

弊社はオリジナル商品の開発に力を入れています。理由は①価格競争に巻き込まれないため、②納得する商品つくりのため、です。
会社全体を運営するには、EC事業やポップアップストアだけでなく問屋卸の充実も欠かせません。実際にどんな商品がよく売れるのか、客層やお店のコンセプトによってどんな変化があるのかなど、販売先の小売店のバイヤーや問屋さんの担当者目線で考える必要があります。
同じ目線で物事を進めるためにも、直接販売できるSHOPCOUNTER様のポップアップストアは弊社にぴったりの戦略と思いました。

また、『みのる陶器』で商品を購入していただくことが、売り上げ・利益の拡大に直結するため、インスタグラムなどのSNSと組み合わせてオリジナルの企画を試してみたり、売れ行きが好調の他社商品なども積極的に取り入れています。ECショップだけでは質感やイメージがつかみにくいため、商品を直接触って検討してもらうためにも、消費地で自社の売り場を持つということはとても意味のあることに思います。

余談ではありますが、ポップアップストアを出店中にお越しになったお客様の中で、「ちょっと持ち帰るには重たいので、やっぱりネットで買います」という方がいらしたんですね。 当然、ポップアップストアの場で売れることは嬉しいのですが、ECと絡めることで取りこぼしがなかったり、新しい買い方もしてもらえるんだな、という新たな発見があったりもしてますね。

― instagramもかなり力を入れてますよね?

そうですね、instagramは僕らが狙っている客層の方々がよく使っているイメージで、ポップアップストアの事業だけでなく、他事業にも効いてくるので効率が良いと考えています。僕らの場合、現在は海外輸出とEC事業部の部門、催事部門が主な軸になっているので、SNSをやるだけで4部門全てに効果があったりするんです。

SNSも含めて、5年前、10年前とは全然違う販売方法や考え方になってきているので、様々に探りながら、楽しみながらやっているところですね。

SNSも労力がかかることなので、やるからには効率よく結果がほしかったところもあります。ただ、僕らよりもずっと上手くいっている会社さんがゴロゴロあるので、参考にさせてもらえれば成功は固いのでは…?と考えて進めていて、ようやく一定の成果が出てきてる側面もあるかな、と考えています。

とは言え、いろんなことを織り交ぜて同時並行で進めているので、何か一つやったから良くなったね、という訳でもなかったりはします。
現在は、たまたまinstagramの調子が良いのですが、Twitterなどの他SNSにも展開できるような形で準備を進めているところではあります。

▲柄が可愛いものも多いです

― 出店時の工夫について教えてください。

もともと僕らの小売のスタートは地元の陶器まつりだったんです。200テントほどお店が並ぶ中でみのる陶器で買ってもらうためには、他とは異なるオリジナルが無いとだめだ、と感じてました。そこで、instagramアカウントのフォローでお茶碗プレゼントなどのアナログなことはやってきていて、それらは意外にお客様に喜んでもらえています。

最近ですと、「¥3,000以上購入していただき、instagramアカウントをフォローしていただいたら、10種類くらいの中から好きなものを選んでプレゼントします」のような形でキャンペーンをしています。
他にも、ポイント還元やその他のプレゼント企画など、お客様が喜んでもらえることはもっとやりたいなと思っていますし、そこには僕らとしてお金をかけていきたいなと思っています。

最近だとファンも増えてきて、みのる陶器を好きだと言ってくださるお客様も増えている印象なので、ポップアップストア限定商品なども検討しています。

― 逆に課題だった点などはありますか?

自分たちは大丈夫だったのですが、1つは最新機器の操作を覚えるのが大変なのはありますね…。現在レジ機能として“スマレジ”を使わせてもらっていますが、覚えてしまえば本当に便利です。一方で、業界としてはデジタルに疎い方も多いため、「エクセル叩いてipadでインポート」などの作業はブレーキになってしまっている可能性はありそうだな、と感じました。

あとは、販売員さんなど人の手配はやはり難しいなと感じています。特に、現状ではどの店舗も初めての出店が多く、どの程度売れるかが分からないことが多いです。1人の販売員だと回らなくなってしまったり、2人手配したのにそんなに売れない、などのケースもあり、その辺りのやり取りは難しいです。
1年程度は様々な場所に出店してみて探っていき、2年目から、「ここはやめよう」とか、「ここは売上があるから続けてみよう」とできればいいな、と考えています。
例えばですが、「その場所で赤字でした」という結果自体は寂しいものではあるものではありますが、数値化できない価値もあるかな、と考えています。赤字だったとしても、2〜3週間みのる陶器の商品を展示販売できたうえ、販売員さんとinstagramフォロワーの方がコミュニケーションを取っているはずなので、間違いなく広告宣伝やブランディングにはつながっている、と考えています。

正直、自分たちが比較的上手くいっているからこそ、これだけポップアップストアの出店を増やしていこうという気持ちになっている部分はありますね。

▲使いやすいサイズも多く取り揃えています

ポップアップで全国にアンテナショップを

― SHOPCOUNTERの良い点・課題点を教えてください。

課題に思っているところでお話しますと、関東関西などの都市部は多いが、地方になると選べるスペースが少なくなってしまっているところかな、と思います。地方でもかなり売れる売り場などがありますので、その辺もカバーしていただけたらありがたいですね。また、短期イベントへの出店も、スペースを選ぶのと同様にできる形になるといいなと思っています。例えば、地元の陶器まつりだと1日に数百万くらい売れたりすることがあるので、出店者ともども利益が出て面白い形が作れるのではないかな、と思ったりしています。

良い点で言うと、SHOPOCOUNTERは革新的なつながりだったな、と感じています。本当にとてもいい販路ができたと実感しております。また、ご対応頂いているスタッフの方、現場の方も含めて非常にしっかり仕事していただき、良い提案も貰えているので、今のような関係を続けていきたいなと思っています。

― 今後の展望についてお聞かせください。

例えば、間違いなく認知してもらいたいのであれば、ショッピングモールのテナントに入るという選択になると思います。ただ、そこまでのレベルは地方の問屋には難しい部分があります。
とはいえ、僕らとしては小売の事情を知りたかったり、自社商品を分析したり、広告のために出たい、という想いがあるので、細かく日本中出店できそうな場所にはポップアップストアを出店し、認知を広げていきたいです。ポップアップストアは直に手で触ってもらえるみのる陶器の“アンテナショップ”的な立ち位置で活用していきたいと考えています。

現場に行かなくても、運営していただけて、売上も作っていただいて、さらに広告宣伝もできてって感じなので、ポップアップストアという施策自体は周りに勧めているところです。

ブランドとしては、結構ハードルが高いな、と思いつつ、流行を織り交ぜながらみのる陶器ならではのスタイルを構築していきたいと考えています。
その先に、例えば「ご飯茶碗を作りました!」という話でも、国内・海外・EC・業務用や、OEMでできるのでは?など様々な形で販売できるようにしていくことを考えています。
まずはポップアップの形でみのる陶器のアンテナショップという一本の柱を作って、そこからさらに拡がる世界を見ていきたいなと思っています。

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