公開日:2016年2月9日
更新日:2019年7月23日

ブランド認知度をあげる、驚きの体験と投稿したくなる仕掛け/ ビクトリノックス

ポップアップストアは、販売だけではなく認知度向上やファンの醸成といった目的で開催されることもあります。この記事では “体験”を通してブランド認知度を高める施策を実施した「ビクトリノックス スイス・フェスト」の事例をご紹介します。

商品やブランドを知ってもらうために、ポップアップストアやイベントを実施したいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかしこれから知名度をあげたいと考えているブランドにとって、集客や話題づくりが課題になってしまいがち。

そこで今回は2015年10月に表参道で行われた「ビクトリノックス スイス・フェスト」での集客や話題づくりのポイントについてお話を伺ってきました。

ビクトリノックスとは

ビクトリノックスはスイスを本拠地として、マルチツールや時計、トラベルグッズなど “多機能性” “機能美” を追求するライフスタイルブランドです。

特にナイフや栓抜きなどのツールをコンパクトに収納したマルチツールは代表的な商品。
それ以外にもアパレルやキッチンナイフなど技術力を生かした製品で、多くの人々の人生のパートナーとなっています。

ビクトリノックスのマルチツールといえば有名な商品ですが、それ以外のグッズも含めた”ビクトリノックス”というブランドの自体の認知度を高めるために2015年10月にイベントを実施。

イベントの狙いや実施にあたって工夫したポイントについて、ビクトリノックス・ジャパンの西野さん・田代さんにお話を伺いました。

ブランド認知を高めるためのイベントを初開催

▲ビクトリノックス スイス・フェストの様子。スイスワインやチーズなどスイスの特産品を楽しめるコーナーは常にお客様でいっぱい。

  • 今回のようなイベントはこれまでも開催されてきたのでしょうか?

125周年や130周年といったブランドの節目でのイベントは実施してきました。
130周年の時には渋谷のBunkamuraでスイスから歴史的アイテムを集めた企画展を実施し、好評をいただきました。

また販売をメインにしたポップアップストアは百貨店を中心に実施しています。

しかしそういった記念のイベントや販売目的のポップアップストアとは別に、お客様にブランドを体験していただく場としてイベント・ポップアップストアを実施したのは今回がはじめてです。

  • はじめてイベントを実施するにあたって、場所選定のポイントはどういった部分だったのでしょう?

まずはトレンド感があり、人が集まりやすいところというのがポイントでした。
今回の会場であるCOMMUNE246は都会の中で屋外を感じられる場所なので、ビクトリノックスの世界観を表現するのにピッタリな場所のように感じたことも大きかったですね。

スイスのカルチャーを知っていただきながら商品の特徴も体験していただく

▲ビクトリノックスの時計・I.N.O.X.(イノックス)の耐久性を知っていただくため、熱湯や氷に商品をいれたデモンストレーションを用意。SNSへの投稿にもつながった。

  • イベントに足を運んだお客様の反応はどのようなものが多かったのでしょうか?

今回のイベントでは、みなさんがもっているスイスのイメージとは違うスイスの一面を感じていただくことをテーマにしていました。

日本人にとってスイスといえばハイジのイメージが強く、豊かな大自然に囲まれた国という印象が強いのではないかと思います。
しかしそれ以外にもスイスはデザインやアートでも有名な国でもあり、実際にスイスに行ってみるとコンテンポラリーな雰囲気を感じられます。

そこで今回のイベントではそういったコンテンポラリーなスイスの雰囲気を感じていただける、居心地のよい空間作りを心がけました。

イベント期間中は実際に私たちも会場に足を運んでお客様とお話させていただくこともありましたが、多くの方に新しいスイスを感じていただけたようで嬉しく思っています。

ちなみにスイス大使館の方もイベントへ来場してくださり、スイスらしさを上手く表現したイベントだったとお褒めの言葉もいただきました。

  • 本国の方にとっても納得のイベントだったのですね!一般のお客様はビクトリノックスを知っていて来場した方が多かったのでしょうか?

体感としては知らない方が多かったように感じています。
ビクトリノックスを全く知らなかった、もしくは名前は聞いたことがあった程度の方が多く、新しいお客様の認知拡大につながったと感じています。

そういった新しいお客様に向けて、マルチツールだけではなく時計やトラベルグッズなどの商品もPRすべく今回はI.N.O.X.(イノックス)の見せ方にもこだわりました。

I.N.O.X.は高さ10mからコンクリートへの自然落下衝撃テスト、64トンの戦車に轢かせる耐圧テスト、砂嵐の中や洗濯機の中での約2時間の耐砂塵、耐防水テスト、また-51℃から+71℃まで耐熱耐寒テストなど計130のテストをクリアした並外れた耐久性と堅牢性を備えた時計シリーズですが、これまではその特徴を体験していただく機会がありませんでした。

そこで今回I.N.O.X.専用のブースを作り、商品を氷に入れたり熱湯で煮沸しながら展示しました。

それを見た方はそんな過酷な状況でも壊れずに動き続ける商品に驚かれたようで、写真を撮ってSNSにアップしていただいたりと宣伝効果が高かったように感じています。

▼I.N.O.X.プロモーションについての投稿例。

– こういった驚きのあるプロモーションはSNSとの相性もよさそうですね。イベントではSNSnap(※1)も導入されていたようでしたが、効果はいかがでしたか?
大半がInstagramへの投稿だったこともあり、若者、特に若い女性にアプローチできたと思います。
男性へのプレゼントとして女性のお客様にご来店いただくことも多々あるので、SNSの投稿を通じて若い女性に効果的なPRができたのはよかった点だと感じています。
SNSnapでは英語・日本語どちらでもハッシュタグを設定できるのですが、英語の場合スペルを間違えて投稿してしまう可能性があるので日本語で「#ビクトリノックス」に統一したのも投稿しやすいポイントだったのではないかと思います。
※1…SNSnapはスマートフォンで撮影した写真に「#」ハッシュタグをつけてSNS投稿すると、会場でプリントして 持ち帰ることができるサービス。
▼”#ビクトリノックス”のハッシュタグがついた投稿例。

今後の展望

  • 今後改善していきたいポイントや展望を教えてください。

今後もビクトリノックスをまだご存じないお客様にブランドを体験していただくためのリアルイベントを実施していきたいと思っています。

今回のイベントでは販売を目的にしていなかったこともあってその場で商品を購入したいというお客様のご要望にお応えできなかった部分もあり、次回以降はそういったご要望にもお応えできるように整えていきたいと考えています。

私たちにとってお客様との接点で最も重要なのはリアル店舗なので、今回のようなイベントで新しいお客様に興味をもっていただきつつ、店頭にも足を運んでいただけるしかけづくりをしていきたいと考えています。

何をアピールするかではなく、どう楽しんでいただくかという視点

今回のイベントのポイントはI.N.O.X.の見せ方でサプライズを用意したことと、写真を撮って投稿したくなるしかけを作ったこと。

また商品を前面に押し出すのではなく、ブランドのルーツであるスイスを感じてもらうというコンセプトで企業色をだしすぎず自然に来場者の方にブランドが受け入れられたのではないでしょうか。

イベントを実施する際には商品やブランドアピールしたくなりますが、“どう楽しんでいただくか”という視点が成功のポイントと言えます。

今回お話をうかがった西野さんと田代さんも休みの日や仕事終わりにイベントへ足しげく通い、お客様と同じ視点でイベントを楽しみながら生の声を聞いていったそうです。

また集客施策の一環として、会場近くのカフェやお店にイベント案内のリーフレットも置いていただいたとのこと。
会場の近隣店舗も巻き込む施策はイベントの大小に関わらず参考にできそうです。