繁華街やビジネス街などが集まる都心とは、東京都の中心部だけではありません。各都市の中心部も該当します。
本記事では都心についてより知りたい方に向けて、そもそも都心とはどういう意味か、東京以外の都心の情報、ポップアップストアの出店の際に検討したい都心エリアのおすすめスペースについてご紹介します。
都心とは、「大都市における中心部」を指す言葉です。オフィス街や繁華街、官公庁の施設など都市における中枢機能が集中した地域を指します。
「都心」という言葉を聞くと、東京の千代田区や中央区、港区といったオフィス街を思い浮かべるかもしれません。ですが、言葉の意味を考えると東京の特定の地域だけでなく、大阪や名古屋、福岡をはじめとした各都道府県の中心部も「都心」といえるのです。
ちなみに「都心」という言葉は意味が決まってはいますが、明確な定義がありません。そのため、使う人によって具体的な場所や範囲は異なります。
| ＜例＞ 東京を例に挙げると、都心＝千代田区や中央区、港区のように「区」で考える方もいれば、大手町駅や霞ヶ関駅、銀座駅、東京駅の近辺など「駅」で考える方もいます。対象範囲や数が異なる場合もあるため注意しましょう。 |
東京以外の都心について、各地域における都心と代表的な地区について解説します。
神奈川県における都心が、横浜。人口はおよそ370万人・総面積は435.43平方キロメートルの横浜は、18の行政区を持つ政令指定都市の一つであり、日本における自治体の中でも最大規模の都市です。
横浜みなとみらい21地区をはじめ商業施設や観光施設が数多くある横浜は、外国客船も寄港する港や開港当時の歴史を語る建物、街並みに溶けこむ公園もあり、利便性に優れるだけでなく磨き抜かれた景観も魅力となっています。
横浜において都心ともいえるのが、西区と中区です。
横浜市において東側にあるのが西区。市内にある18区の中でも一番面積が小さい（7.03平方キロメートル）ながらも、2023年5月1日時点で106,355人住んでおり、人口密度は横浜市全体の2位を誇るエリアです。
西区内には横浜の玄関ともいえるJR横浜駅の周辺地域やみなとみらい21地区などもあり、各路線やMARK IS みなとみらいをはじめとした商業施設などが集まる大都心となっています。
横浜市における都心の一つである中区は、神奈川県庁や横浜市庁といった神奈川県における行政機関が集まるだけでなく、観光地でもある中心都市の一つ。ビジネス街や繁華街が広がるだけでなく、古くからの高級住宅地もある地域です。中区は歴史的背景や中華街があることから、外国人も住んでいます。
中区の北部には観光地（横浜赤レンガ倉庫や横浜中華街など）があり、週末になると多くの人で賑わいを見せているのが特徴。南部に関しては、重化学工業地帯と横浜港が広がっています。
43の市町村が存在し、全国都道府県で3位のおよそ880万人が住むのが大阪府。面積はおよそ1,905平方キロメートルと全国でも2番目に小さいながらも、東京に次ぐ大都市です。
大阪府における中心都市である大阪市は、およそ225平方キロメートルの面積内に約275万人が生活しています。人口が多いだけでなく、国内で2番目に多いおよそ18万の事業所が大阪市内に存在し、大阪の行政および経済の中心として機能している地域です。
昼間は近隣のエリアから就業者などが流入していることから、大阪市の昼間人口はおよそ354万人にもなっており、経済活動が盛んに行われています。
大阪市において都心ともいえるのが、5つの区です。
大阪市の中西部に位置し、ほぼ中央にあるのが西区。区内の中央に流れている木津川を境に、東側に商業施設とオフィスビルが、西側には鉄鋼や物流関連の会社や住宅街、知名度の高い九条商店街があります。
交通アクセスと居住環境に優れている西区は、近年では東部地区において高層マンションなどの再開発が進み、人口は増加傾向にあるのが特徴。また、区内には全天候型の多目的ドームである京セラドーム大阪も有する地域です。
西区の東南部には都会的で個性豊かなお店が続々とオープンしており、従来の店舗と共存したおしゃれな街として人気を得ています。
大阪市のほぼ中央にあるのが、天王寺区。美術館や動物園に加えて、聖徳太子が建立されたと称される四天王寺をはじめ、数多くの寺社がある地域です。
エリア内にある近鉄大阪線大阪上本町駅やJR天王寺駅の周辺には、天王寺ミオをはじめさまざまな商業施設が集結しており、大阪市内でも屈指の繁華街があります。学校や幼稚園といった教育施設も充実していることから、文教地区としての一面もある地域です。
大阪市においてほとんど中央にあるのが、浪速区。面積は大阪市の24区の中でも一番狭く（4.39平方キロメートル）、全国の行政区でも最も小さい地域です。
浪速区内にあるJR難波駅の周辺には、なんばパークスをはじめ数々の商業施設が勢ぞろい。南部には大阪のシンボルともいえる通天閣があります。その他にもでんでんタウンの愛称で親しまれている電気街や串カツ屋が並ぶジャンジャン横丁もあり、賑わいを見せている地域です。
近年は商業施設と住宅の複合ビルやオアシスのような機能を備えた文化ビルも建設され、再開発も進んでいます。
大阪市における北部にあり、周囲三方が淀川をはじめとした河川に囲まれているのが北区です。区の中心ともいえる梅田周辺には、大阪を代表するターミナル駅・梅田駅があり、JRや私鉄、地下鉄などが集結。駅の周辺には超高層ビルが並ぶビジネス街や、グランフロント大阪をはじめとした複合商業施設が広がっています。
北区の東部には大阪天満宮を中心に広がる商店街があり、南部には官庁街もあるのが特徴。発展を続ける都心部と昔からの住宅地を有するのが、大阪市の北区です。
大阪市において中央部にあり、大半が官庁街とオフィス街で形成されているのが中央区。大阪城や道頓堀などの名所があるだけでなく、心斎橋オーパをはじめ商業施設も多数あります。
中央区の南部に位置する通称「ミナミ」は、大阪の象徴ともいえる繁華街。商業施設や商店街、飲食店が集まり、常に多くの人で賑わっています。
中央区は住宅街や憩いの場である大きな公園の大阪城公園もあるため、大阪市内でも人気の高いエリアです。
愛知県にある名古屋は、首都圏や関西圏に次ぐ中京圏の中心都市。中京圏における政治や経済、文化の中心でもある名古屋は、日本三大都市の一つでもあります。
歴史的な観光名所や話題となる商業施設など見所が多く、賑わいを見せるエリアの名古屋において都心ともいえる地域は3つあります。
名古屋市の中北部にあり、面積は7.71平方キロメートルと市内でも一番小さな地域が東区。公共の交通機関が充実しており、名古屋駅や栄までスムーズにアクセスできます。
東区は数多くの企業の本社や支社が並ぶビジネスエリアに加えて、名古屋城下の武家屋敷があったことから、徳川美術館をはじめ伝統のある名所や施設が多数あるのが特徴。その他にも、フォトジェニックなスポットで東区のシンボルともいえるオアシス21やバンテリンドーム ナゴヤ、商業施設であるイオンモールナゴヤドーム前もあります。
名古屋市の西部に位置する中村区は、JR名古屋駅を有する地域。豊臣秀吉が生まれた場所でもあります。
JR名古屋駅の周辺は、大規模な商業圏として知られているエリア。交通の利便性からビジネス街としての側面を持つ一方で、名鉄百貨店 本店をはじめとした百貨店や多数の商業施設が集まり、活気に溢れているのが特徴です。最近では超高層ビルも続々と建設されています。
JR名古屋駅の南側にあるささしまライブ24は、大規模な再開発地区。大学やホテルなどが誘致されて、賑わいを見せています。中村区はその他にも、歴史的史跡や西へと離れていくと住宅地もあり、暮らしやすい地域でもあります。
名古屋市の中央にある中区は、愛知県庁や名古屋市役所といった公的機関や名古屋PARCOをはじめとした商業施設、オフィスビルが立ち並ぶ地域。行政や金融、商業における中心地となっています。
中区の北部には観光名所である名古屋城があり、その名古屋城を囲うように官庁街がつくられているのが特徴的です。
中区には名古屋市内で屈指の繁華街・栄地区があり、大型の商業施設や百貨店、飲食店などが勢ぞろい。サカエチカをはじめ大規模な地下街があるのも、注目すべき点です。
都心のイメージが強い中区ですが、久屋大通公園をはじめ豊かな自然を感じられるスポットも多数あります。
福岡県において西部に位置し県庁所在地でもある福岡市は、経済や行政、交通における中心地。また、九州最大の都市でもあります。福岡市は、空港から中心地までわずか11分でアクセスできる交通の便の良さが魅力です。
また、商業施設や行政サービスなどの都市機能が限られた範囲に集約されているため、利便性に優れたコンパクトシティという一面も持ち合わせています。
福岡市における都心は、博多区と中央区の2つの区が挙げられます。
福岡市において東部にあり、九州の玄関口としても知られているのが博多区。福岡県庁もある地域です。
新幹線をはじめ在来線や地下鉄、バスなどが集中し主要な交通ターミナルである博多駅の周辺には、JR博多シティやキャナルシティ博多など大規模な商業施設や高層オフィスビルが集結しています。
博多区は、近代的な街並みと歴史的な名所が融合した地域。現代の都市文化を楽しみつつ、歴史に触れられます。
福岡市のほとんど中央にあるのが、中央区。市役所やオフィス、金融機関、大型商業施設が数多く集まっており、九州の北部における政治や経済の中枢ともいえる地域です。福岡市の中央区には市内で最大級の繁華街でショッピングスポットともいえる天神地区があり、およそ600メートルにも及びさまざまなお店が軒を連ねる天神地下街や、福岡三越・岩田屋本店などの商業施設もあります。
中央区はビジネスやショッピングだけでなく、都市公園が整備されていることや、遺跡・旧城下町の風情のある街並みもあり、歴史に触れることも可能な地域です。
区内には福岡PayPayドームもあり、野球の試合やさまざまなイベントが開催されています。
北海道の政治・経済・文化における中心地となっているのが札幌。面積は東京23区と比較して2倍弱、香港とは同じ広さとなっています。北海道の中でも最大の都市である札幌は、都市における建物群と自然豊かな郊外の要素を兼ね備え、都市と自然が調和している点が魅力となっている地域です。
そんな札幌市の都心は、市内にある中央区が挙げられます。
札幌市の中心部にある中央区は、東西に長く伸びているのが特徴的なエリア。区内は碁盤の目状に整理されており、街路には官公庁やさまざまなオフィスビルが集まっています。
区内にはすすきの繁華街や札幌競馬場といった観光施設もさまざまあるのが特徴。その他にも、西部にありレジャースポットとして親しまれている円山公園や、区内を一周しておりシンボルとしても人気の路面電車もあるのが中央区です。
長い歴史を積み重ね、磨き上げられてきた文化と景観が特徴的なのが、京都。日本を代表する観光都市の京都は歴史や文化だけでなく、大学のまちやものづくり都市など多彩な面を持ち合わせているところも魅力となっている都市です。
京都はコンパクトな面積の中に生活に不可欠な施設が集まっており、暮らしやすい街でもあります。利便性に優れるだけでなく、歴史を感じさせる街並みや金閣寺・清水寺といった世界遺産に登録された寺社もあるのが有名です。
そんな京都の都心は、下京区が挙げられます。
京都市の中央からやや南にあるのが、下京区。面積は6.82平方キロメートルと京都市内でも最も小さく、東西に細長い形をしています。
下京区の南には京都市の玄関口ともいえる京都駅があり、新幹線や在来線、地下鉄にバスなどさまざまな公共交通機関が乗り入れているのが特徴です。
下京区は伝統のある産業だけでなく、大丸京都店をはじめさまざまな百貨店も集まる地域。その他にも区内には、市民の台所として有名な京都市中央卸売市場や、京都リサーチパーク、駅前から見える京都タワーなどもあります。
世界文化遺産に登録された西本願寺、国宝や国の重要文化財がある東本願寺などをはじめ、歴史のある街並みも下京区の特徴です。区内では日本三大祭りの一つ・祇園祭も開催されています。
兵庫県において南東部にある神戸市は、港があることから西洋文化の玄関口でもあり、関西を代表する国際貿易都市です。
港によって数々の西洋文化が入ってきたことから、市内には旧居留地や北野異人館街などの西洋の街並みが今も残っており、観光スポットとして賑わっています。開港以降は造船や鉄鋼を中心に工業が発達したことで、阪神工業地帯の主要な港湾としても成長してきました。
神戸市における都心部は、中央区が挙げられます。
兵庫県庁や市役所が並ぶ中央区は、名前の通り神戸市内においてほぼ中央にある地区。山と海に囲まれている中央区は、経済や観光、文化の中心であり、神戸市において陸・海・空の玄関口でもあります。
中央区には世界でも屈指の国際港である神戸港のほとんどや神戸空港、新幹線が停車する新神戸駅、さまざまな路線が通っている三ノ宮駅などがあり、交通手段が充実しているのが特徴。異人館をはじめとした異国情緒のある街並みや、江戸時代の末期に開港されてから育まれてきた文化も感じられる人気のエリアです。
三ノ宮駅のミント神戸やJR神戸駅直結のデュオこうべなど、主要な駅の周辺には数々の商業施設も集まり、買い物客で賑わっています。
広島県における西部にあるのが、広島市。北部には中国山地・南部には瀬戸内海が面しており、市内には6本の川も流れています。
広島市は世界文化遺産でもある原爆ドームが、平和の象徴であり市のシンボルです。また、近代工業都市という一面も持っており、瀬戸内海周辺の政治や経済を引っ張る存在でもあります。
そんな広島市における都心が、中区です。
広島市において中心部にある中区は、ビジネスや観光、文化の拠点。広島県庁や広島市役所に加えて、金融機関や企業の支店もあることから、広島市のみならず広島県や中国地方の中心ともいえる地域となっています。
区内には八丁堀や紙屋町といった繁華街が広がっており、大型商業施設や百貨店が勢ぞろい。紙屋町にはそごうや広島パルコがあり、地元住民のみならず観光客も集まり賑わいを見せています。
中区には広島城や、広島平和記念資料館と原爆ドームのある平和記念好公園、四季の移ろいを楽しめる縮景園などがあり、見どころが満載です。
都心とは東京の一部地域だけでなく各都道府県にあり、地元住民や観光客で賑わいを見せています。多くの人が集まる各地域の都心は、ポップアップストアの出店の際にも考慮したいエリアです。
本記事を参考に、各地の都心への出店を検討してみるのはいかがでしょうか。
2024年5月1日
2024年5月13日
2024年6月4日
2024年12月24日
2024年3月8日
2024年4月18日
2024年2月1日
2024年9月27日
2016年5月12日
2020年2月14日
2024年4月7日
2024年6月23日
2024年9月26日
2024年10月13日
2024年10月14日
2024年9月7日
