Blog / 2017/04/21

世界観を作り込んだ「ポップアップギャラリー」を通して、ブランドコンセプトを伝える/KEI

近年、販売のためではなくコミュニケーションの場として、リアルの場を活用するブランドが増えてきました。そこでこの記事では、販売をメインとせずブランドの世界観を表現する「ポップアップギャラリー」を通して、ファンを醸成するKEIの事例をご紹介します。

「ポップアップストア」というとその場での販売をイメージしがちですが、EC発のブランドを中心に、販売だけではなくその場での「体験」を重視したポップアップストアの活用が増えてきました。

あえて商品は少量しか置かず、ブランドの世界観に触れたり体験させることにフォーカスしたポップアップストアの開催の裏には、顧客とより密なコミュニケーションをとり、ファンの醸成につなげたいといった狙いがあります。

そこで今回は、幡ヶ谷の人気コーヒースタンドPADDLERS COFFEE内にあるギャラリーで開催された、オーダーメイドシャツブランドKEIの事例をご紹介します。

売るための「ショップ」ではなく、ブランドの世界観を感じてもらうための「ポップアップギャラリー」を開催


▲「KEIのデザイナーが住む部屋」をイメージして作り上げられた空間

-2016年8月にブランドを立ち上げてから、今回が初めてのポップアップストア開催ということですが、開催のきっかけについて教えてください

増田さん:KEIは「最上の日常」をコンセプトに、リーズナブルなオーダーシャツをオンラインで提供しています。

昨年ブランドを立ち上げてから、徐々に商品ラインナップも増え、ちょうど新作のデニムシャツが完成したこともあり、そのお披露目も兼ねて実物を見て・触っていただける場所を作りたいと思い今回のポップアップギャラリーを企画しました。

あえて「ポップアップストア」ではなく「ポップアップギャラリー」という言葉を使っているのは、商品を売る場所ではなく、KEIのコンセプトや世界観を体感していただく場として作り上げたかったからです。

「最上の日常」というブランドコンセプトを表現するため、日常の中でKEIのシャツを着て過ごすイメージを持っていただける空間として作り上げたいと考えていました。

また、今回は新作のデニムシャツをお披露目するという意図もあったため、デニムの雰囲気と合うアメリカンカルチャーを感じさせる場所をイメージしていました。

PADDLERS COFFEEはアメリカのポートランドカルチャーをベースにしているため、その雰囲気が私たちのイメージと合致したこともあり、ポップアップギャラリーの開催に至りました。


▲什器もアメリカのインダストリアルデザインのものにこだわり、世界観を統一。

-ギャラリー内でシャツが置いてある空間はほんの一部で、ショップというよりまさにギャラリーのような雰囲気ですが、見せ方で特にこだわったポイントはありますか?

増田さん:今回のポップアップギャラリーは、「KEIのデザイナーが住む部屋」をイメージして作り上げました。

そのため、デスクにシャツのパーツやテキスタイルの見本を置いたり、ミシンやスタイルブックを用意したり、壁一面にスナップ写真を貼り付けるなど細部までこだわっています。

また今回はアメリカの雰囲気を出したかったので、什器もすべてアメリカらしいインダストリアルデザインのものを使用しています。

特に、デスクの上に散りばめられた貝ボタンはお客様からの反応がよく、SNSにアップしてくださる方も多かったですね。

販売の場としてではなく、KEIの世界観に共感していただくことを重視してポップアップギャラリーを作り込んだので、SNSにアップしてくださるお客様が多かったのは嬉しい反応でした。

商品に触れたからこそ伝わるよさがある。ポップアップギャラリーを通して、高価格帯商品の注文が増加


▲デザイナーの作業場をイメージし、ミシンやデザイン画、作業用品などの小道具にまでこだわったディスプレイ。壁に貼り付けられた「WORK/LIFE」は、日常を構成する「働く」と「暮らす」を表している。

-訪れたお客様はどんな方が多かったのでしょうか?

増田さん:KEIのポップアップギャラリーのためにご来店くださった方が多かったです。

想像以上に多くのお客様に足を運んでいただき、初めての試みとは思えないほど大盛況でした。

特に、これから購入してみたいというお客様が採寸も兼ねて来店され、自宅に帰ってすぐにインターネットで注文されるというパターンが特に多かったように感じました。

さらに、カフェを訪れたお客様も興味をもってくださり、新しいお客様にもアプローチできました。

KEIを目的に来店された方も、カフェを目的に来店された方も、シャツを見てくださった方は9割方
採寸していかれたように思います。

一般的にオーダーシャツは高いというイメージがありますし、お店で採寸をしてもらった経験がない方がほとんどなので、採寸だけでも体験してみたいという方が多かったのかもしれません。

採寸したデータは、今回のポップアップギャラリー用に作成したオリジナルの用紙に記入し、ご自宅でゆっくりサイトを見ながら購入していただけるように、URLを添えてお渡ししました。

他にも最新のカタログやKEIオリジナルのチョコレートなど、帰ってからもKEIを思い出していただくための工夫をしています。

結果として、採寸していかれた方の半数以上がその日のうちに購入してくださり、商品の体験から購入までの流れをデザインする重要性を感じています。


▲ギャラリースペースの入り口には、このイベントのために作成したカタログと採寸したサイズの記入用紙を用意。カフェに訪れたお客様が手に取っていく姿も多く見られた。

-ポップアップギャラリーで人気の高かった商品はありますか?

増田さん:今回初めてのお披露目となったデニムシャツが予想以上に人気でしたね。

普段KEIで提供しているシャツと比較すると高価格帯の商品なのですが、実物を見て気に入ってくださり、ポップアップギャラリーの初日から多くのご注文をいただきました。

このデニムシャツは、世界でも最高峰のデニムを織り上げることで有名なクロキと共に作り上げた、こだわりの商品です。

しかし、その肌触りや光沢感を表現するには、PCやスマートフォンの画面上だけでは限界があります。

今回は、実物を見て・触ってその商品のよさを体感していただけたことで、購入につながったのではないかと思います。

このように、Webだけでは伝わりづらい商品そのもののよさを体感していただけるというのは、リアルの場をもつ大きな意味だと思います。


▲雰囲気のあるPADDLERS COFFEEの外観。

-今後やってみたい企画や、次回に生かしたいポイントはありますか?

増田さん:今回のポップアップギャラリーを通して、改めてリアルの場でお客様とコミュニケーションをとる意義を感じたので、今後も数ヶ月に1度のペースで開催していきたいと考えています。

もともとカフェで開催しようと考えたのは「日常に溶け込む」というコンセプトの実現のためでしたが、今回PADDLERS COFFEEで開催させていただいたことで、カフェならば採寸の待ち時間も楽しんでいただけるという新たな発見がありました。

採寸が混み合ってお待ちいただくことになった場合も、カフェでコーヒーを飲みながら過ごしていただけたことで、待ち時間を「楽しい時間」に変えることができました。

KEIの考え方として、早く効率的なものを追い求めるのではなく、一見無駄に思えるようなことや時間も楽しみたいというものがあります。

「早い=正義」と追い立てられる日常の中で、KEIのポップアップギャラリーが、そこに流れる時間そのものを楽しめる場であればいいなと思っています。

今後開催する際も、こうした私たちの考え方に合致するような場所で開催していきたいと考えています。

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【ポップアップストア概要】

・開催ブランド:KEI

・開催期間:2017年4月15日(土)〜16日(日)

・開催場所:PADDLERS COFFEE

・イベントページ:KEI Popup gallery #01

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