実際にポップアップストアの出店を経験したブランドに、ポップアップストア出店の経緯や成功/失敗したこと、工夫したポイントなどを語ってもらうインタビュー。今回は、LaFabric様に出店で得た成果や感想を伺いました。
実際にポップアップストアの出店を経験したブランドに、ポップアップストア出店の経緯や成功/失敗したこと、工夫したポイントなどを語ってもらうポップアップストアインタビューです。
今回は2015年11月18日〜11月30日の期間中に浜松町の商業施設内で行われた、カスタムオーダーを手軽に購入できるメンズファッション通販サイト LaFabric ポップアップストア について担当のお2人に話を伺いました！
LaFabric(ラファブリック) は『Wear Your Personality（個性を着よう）』をコンセプトに2014年に立ち上がったカスタムオーダーのメンズ向けオンラインショッピングサイトです。
これまで敷居が高いと思われてきた紳士服のオーダーメイドですが、オンライン上で選んだデザインや生地、サイズなどのデータが直接工場に送られて製造・宅配されることで注文の敷居と価格の敷居を一気に下げたところが特徴のサービス。
特にビジネスマンにとって長時間身につけるスーツは体型に合ったものがほしいという要望も多く、30〜40代のビジネスマンをメインにユーザー数を伸ばしています。
高品質で自分にあったファッションをもっとリーズナブルに楽しみたいと感じていた男性の需要に応えるサービスと言えそうです。
▲今回お話を伺った LaFabric運営会社（株）ライフスタイルデザインの谷崎さん（左）、田村さん（右）
谷崎さん：もともとサービス自体のこれからの動きとして、ECとリアル店舗をシームレスに結びつけていきたいという思いはあったので機会があればポップアップストアを含めたリアルでの出店やイベントには興味がありました。
私たちのサービスの強みとしてはオンライン上でオーダーのすべてが完結できる気軽さがあるのですが、ECだけだとお客様からの反応が見えづらかったり、潜在的な要望や改善点を汲み取ることが難しいというのは常々感じていたのでリアル店舗については早い段階で実現したいと考えていました。
田村さん：もともと、浜松町を含め品川や有楽町などビジネスマンが多いエリアでスペースを探していました。
探していた中で、今回はたまたま実施時期を含めた条件が合致したというのが場所選びの大きなポイントでしたが、予想以上に浜松町エリアを行き交うビジネスマンと私たちのサービスの相性がよかったなという印象でした。
事前にスペースの下見に行った際も、近くを通るのはほとんどの方がオーソドックスなスーツ姿だったのでまずはLaFabricというサービスを知ってもらうことを目的として出店を決めました。
▲浜松町で実施されたポップアップストアの様子。ブランドイメージ同様、すっきりと洗練されたVMD。
谷崎さん：今回の出店の目的としてはLaFabricというサービスを知ってもらい、全身のサイズ計測をした上でご登録いただける方を増やしたいという部分が大きかったのですが、予想以上にそのままご購入いただけた方が多かったのが驚きでした。
LaFabricでは現在、カスタムオーダーのご注文をいただく際に15箇所のサイズ登録をお願いしているのですが、特に男性はご自身で採寸などされたことがない方が多く、サービス登録後の次のステップとしてのサイズ登録がネックになっているなと感じていました。
今回のポップアップストアでは採寸のプロにその場で採寸してもらってそのままサービスにご登録いただく、という流れをメインにしていたのですがそちらも想像以上に多くの方にご利用いただき、採寸したその場でカスタムオーダーをご注文いただいたお客様が多くいらっしゃったのも印象的でした。
また、まずは敷居の低いシャツから、と考えてオンラインでのオーダーよりも価格をさらに抑えた特別価格でご紹介し、ディスプレイもシャツを前面に推しだした構成だったのですが、意外にオーダースーツをご注文されるお客様も多かったことも嬉しい誤算でした。
▲自ら店頭に立って接客も。お客様との会話から多くの課題を得たとのこと。田村さん：もともとは私たちのサービスを知らない人たちに知ってもらうことを目的としていたのですが、意外にもLaFabricのもともとのユーザー様やポップアップストアの告知を見て来てくださった方など、ポップアップストアに来ることを目的に来店される方も多かったのが意外でした。
ざっくりとした体感値ですが、通りがかって足をとめて来店してくださった方とポップアップストア目的で来店してくださった方の比率は6:4くらいだったのではないかと思います。
やはりLaFabricを使いたいと思ってくださっているお客様にとって、実際に見て品質や色味を確かめたいというニーズが強いことを感じました。
また、お客様の反応で一番多かったのは「この値段でオーダーできるって品質としては大丈夫なの？」というお声でした。
直接お話させていただく中で工場と直接取引きしているためリーズナブルにご提供できること、すべて国内工場で生産された商品であることを丁寧にご説明することができたのですが、ECサイトではそうはいきません。
LaFabricのサイトにはじめて訪れた方が同様の不安を持たれた時に、どのような見せ方でこの部分の不安を拭っていくかという点も今後の課題に感じました。
▲（株）ライフスタイルデザイン代表の森雄一郎氏も自ら店頭に立って接客。
田村さん：2016年1月に、渋谷に常設のリアル店舗をオープンする予定で、浜松町でのポップアップストア出店で得た知見も盛り込みながら準備を進めている段階です。
常設店舗ではプロによる採寸やカスタマイズのご相談などを受けられるようにして、LaFabricに興味をもってくださった方の利用までのハードルをさげたいと思っています。
今回のポップアップストア出店で、認知拡大や登録者数の増加という部分で一定の効果が見込めることがわかったので、常設店舗とは別に品川や新宿などビジネスマンが多いエリアに定期的にポップアップストアを出していきたいとも考えています。
谷崎さん:浜松町のポップアップストアでは販売を目的とした商品訴求型のレイアウトで実施しましたが、今後「魅せる」ことに特化したショールーミング中心のポップアップストアにも興味があります。
私たちの強みであるECで完結できる気軽さは残しつつ、リアル店舗での対話を通して満足度をあげていくという両方のよい面をバランス良く使いながら今後のサービス展開をしたいと思っています。
お話を伺う中で、お二人のお客様からの意見を吸い上げたいという姿勢が印象的でした。
リアルでの対話ならばぽろっと漏らしてもらえるお客様の本音も、オンライン上だけでのやりとりではなかなか吸い上げられない意見があったり、少し説明すれば理解していただけるものでもWeb上での説明だけでは表現しきれなかったりと、可視化されていない「売り逃し」はWebを中心としたサービスならば誰もが抱える悩みなのではないでしょうか。
特にLaFabricの場合はサイズ入力をしていただくというオーダーサービスならではの壁があるため、オンラインだけではそこで脱落してしまうお客様へのアプローチやフォローに頭を悩ませていたとのこと。
登録や利用の際にハードルが高いサービスほど、リアルでのアプローチが有効と言えそうです。
また、ポップアップストア出店というと表参道や渋谷、新宿が人気の高いエリアで、浜松町への出店は意外に感じていたのですが全体の交通量ではなくターゲットがどのくらいいるのか、という視点が重要だと改めて感じる事例でした。
■ポップアップストア概要
期間：2015年11月18日（水）〜2015年11月30日（月）
営業時間：10:00～20:00（日曜日を除く）
所在：東京都港区浜松町2-4-12 東京モノレール浜松町駅ビル内 2F（ファミリーマート前）
提供サービス：・LaFabricのオーダースーツ、シャツ、ジャケット、ジーンズの販売
・ネクタイ、チーフ等アクセサリーの販売
・LaFabric専門スタッフによるスタイリング、サイズの採寸サービス
■運営会社
会社名 ： 株式会社ライフスタイルデザイン
住所 ： 東京都渋谷区神南1丁目9-7 丸栄ビル 5F
事業内容 ： カスタムオーダーのファッション通販サイト「LaFabric」事業
URL ： https://lafabric.jp
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