Park-PFI制度により、大きく生まれ変わった都市公園が増えてきました。人気の飲食店などがオープンし大規模なリニューアルが行われた都市公園は、現在注目を集めるスポットです。
本記事ではPark-PFI制度について、概要や特徴、都心エリアにおける代表的な事例や各公園で行われたイベントの事例をご紹介します。
Park-PFI制度とは、公募設置管理制度の通称です。2017年6月に都市公園法が改正されたことで創設された制度で、『P-PFI』と称されることもあります。
Park-PFI制度は都市公園における魅力と利便性を向上するべく、公園の整備に加えて都市公園内に飲食店をはじめとした収益施設の設置、管理を担う民間事業者を公募にて選定する制度です。民間事業者のノウハウを利用することで公園内にさまざまな便益施設や保育所・通所施設などを設け、地域における課題の解決や活性化に貢献します。
Park-PFI制度に参画するための条件は、公募対象となる公園施設で得た事業収益を公共施設の整備に還元し、さらに園路や広場などの公共部分の整備も合わせて行うことです。
Park-PFI制度が整備された背景には、多くの都市公園が老朽化により魅力やポテンシャルを発揮できていない現状があります。制度の目的は各地域の公園を適切に更新して、その質を向上させることです。
Park-PFI制度の特徴は、3つ挙げられます。1つ目は、公園の整備や運営に民間資金を活用する点です。
民間事業者の資金を利用することで、公園整備や管理に必要な財政負担が軽減できます。さらに民間事業者のアイデアを採用した整備や管理を行うことで、公園のサービスの質が向上するのもPark-PFI制度の特徴といえるでしょう。
2つ目は、公園利用者における利便性の向上です。Park-PFI制度では都市公園内に飲食店をはじめとした施設が充実することで快適性が向上し、今以上に利用がしやすくなります。
都市公園の老朽化の改善もでき、より快適で安全に公園の利用ができます。
3つ目は、収益施設の設置です。民間事業者としては都市公園内に飲食店や売店といった収益施設を設置でき、長期での投資や経営が行えます。
さらに、民間事業者は自身が設置する収益施設に関連するデザインを、広場などに一体的に手掛けることも可能。収益の向上が見込める魅力的な空間を、公園内に創出できます。
Park-PFI制度を活用した都心エリアにおける代表的な事例として、東京都内にある3つの都市公園をご紹介します。
渋谷区にある北谷公園は、渋谷区初のPark-PFI制度を活用しリニューアルした公園です。以前は自転車やバイクの駐輪、短い時間での休憩利用が主だった公園が、新たに生まれ変わりました。神南エリアに2021年4月1日にリニューアルオープンした北谷公園は、敷地内にカフェのBLUE BOTTLE COFFEEを併設。公園を眺めながら、ゆっくりとコーヒーを楽しめます。
北谷公園はカフェ以外にも、以下のエリアで構成されている公園です。
・広場であるランウェイエリア
・カフェと隣接し半屋外のイベントエリアでもある大屋根エリア
・段差を利用してベンチを設置してくつろげるスペースのステップエリア
・階段から見下ろせる位置にあるパフォーマンス空間のステージエリア
Park-PFI制度を活用しリニューアルした北谷公園の運営と維持管理は、東急を代表企業とし日建設計と株式会社CRAZY ADで構成された「しぶきたパートナーズ」が担っています。
北谷公園では地域の企業と連携し、イベントなどを定期的に開催。地域と協力した公園運営が行われている公園です。
1966年に東京において初となる屋上公園として誕生した渋谷区の宮下公園は、老朽化により立体都市公園制度を活用して整備され、2020年7月から順次リニューアルオープンしました。
全長でおよそ330mとなる商業施設の屋上に宮下公園が移設され、その下層にはPark-PFI制度の活用によりオープンした商業施設の「RAYARD MIYASHITA PARK」があります。個性あふれるおよそ90の店舗が集まり、ハイブランドやシェアオフィス、飲み屋横丁といった多彩な店舗が勢ぞろいです。その他にもホテルが一体となり、施設全体を「MIYASHITA PARK」と呼称されています。
新たな宮下公園の指定管理者には、三井不動産と西武造園で構成された宮下公園パートナーズが選ばれています。
東京都の西新宿にある新宿中央公園内に2020年7月16日にオープンした「SHUKNOVA(シュクノバ)」は、新宿区においてPark-PFI制度を活用して誕生した交流施設です。
新宿中央公園内の一角にオープンしたSHUKNOVAは、1階にすかいらーくグループの新ブランド・むさしの森Dinerの1号店である新宿中央公園店や、公園内への出店実績も豊富に持つスターバックスコーヒーの新宿中央公園 SHUKNOVA店が入りました。1・2階にはフィットネスクラブのPARKERS TOKYOも入居しています。
SHUKNOVAの開業に合わせて、施設の前面には芝生広場が整備。開放的で都会のオアシスのような空間で、食事やフィットネスが楽しめます。
運営管理を行うのは、新都市ライフホールディングスです。(公園自体の指定管理者は新宿中央公園パークアップ共同体)
Park-PFI制度の活用によりリニューアルした都心エリアの公園において、開催されたイベント事例をまとめました。
渋谷区にある北谷公園では、2024年9月21日・22日に出雲観光物産展を敷地内で開催。出雲で大人気のお店が手掛ける手打ちそばをはじめとしたグルメや、出雲のお酒を楽しめる燗酒バーに角打ち、御朱印づくりなど出雲のご縁の体験、出雲の名産・特産品の購入が出来ました。
その他にも、Park-PFI制度を活用して生まれ変わった北谷公園では、Vintage & Artisan Marketを定期的に開催。古着や古雑貨、ハンドメイドアクセサリー、雑貨をはじめ選りすぐりのアイテムや個性豊かなアイテムを販売するお店がおよそ30店舗集まり、他にはない特別な一品と出会えるイベントも行われています。
2024年5月11日から5月12日にMIYASHITA PARKの4階・宮下公園の芝生エリアにて行われたのが、スケートボードのイベントであるJeep presents『MIYASHITA SKATE PARK 〜 LAZY SKATE BOARDING〜』です。
スケボーエリアでは、プロスケーターによるパフォーマンスが、特設ステージではDJやアーティストによる音楽パフォーマンスが行われました。
会場内ではキッチンカーでのグルメが楽しめるだけでなく、ストリートアイテムを購入できるマーケットも出店。スケートボードカルチャーをとことん満喫できるイベントが開催されていたのです。
さらに宮下公園では、普段から冊子やフリーペーパーのZINEを制作しているクリエイターたちが集まる、ZINE PARKを開催。100名を超えるクリエイターたちが出店し、制作した冊子やTシャツ、ステッカーなどが販売されました。
新宿中央公園のSHUKNOVAにて定期的に開催されているのが、パークマルシェ@新宿中央公園SHUKNOVA前。加工食品や飲料、雑貨など多彩なアイテムを販売するマルシェやキッチンカーも出店し、買い物やグルメを楽しめるイベントが賑わいを見せています。
その他にもゴミ拾いとフィットネスを合わせたフィットネスのイベント「Plogging Day ~体と心をリラックス パークヨガ~」や、スターバックス コーヒー新宿中央公園SHUKNOVA店とのコラボイベントである「新宿中央公園PARK CLEAN UP」など、数々のイベントも開催されています。
従来の公園がPark-PFI制度によって生まれ変わると、利便性が向上するだけでなく注目度も高まります。自社のサービスや商品の認知拡大にも検討したいスポットです
Park-PFI制度によってリニューアルした都市公園も、ポップアップストアの出店先として考慮してみてはいかがでしょうか。
2024年4月30日
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