旗艦店(フラッグシップストア)とは?目的・メリット・事例を解説
旗艦店(フラッグシップストア)とは何かを、目的や役割、メリット・デメリット、代表的な事例とあわせて解説。出店者目線で、検討時に役立つ情報をまとめています。

旗艦店(フラッグシップストア)は、ブランドを代表する店舗であり、近年あらためて注目を集めています。売上を上げる以外にも、ブランドの価値観や商品・サービスの魅力を伝える、体験を通して顧客との接点を増やすなど、その役割は多様化しています。一方で、出店や運営にかかる負担は大きく、全てのブランドにとってベストな選択肢とは限りません。
本記事では、旗艦店(フラッグシップストア)とは何かを整理したうえで、その役割やメリット・デメリット、国内の代表的な事例を解説します。
目次
旗艦店(フラッグシップストア)とは
まずは、旗艦店とはどのような店舗を指すのか、その基本的な意味や一般的な店舗との違いを解説します。

旗艦店の基本的な意味と定義
旗艦店(きかんてん)とは、企業やブランドを代表する、重要な位置付けの店舗のことを指します。
旗艦店は、英語の「フラッグシップストア(flagship store)」を日本語化した表現で、ほぼ同じ意味で使用されています。もともと「旗艦」は艦隊を率いる中心的な船を指す言葉で、そこから転じて、企業やブランドの中核となる店舗を意味するようになりました。
旗艦店は、単に商品やサービスを販売するだけでなく、ブランドの世界観・価値観を空間や体験を通して伝える役割を持っています。そのため、立地・店舗デザイン・商品構成・接客において、ブランドの世界観・価値観が強く反映される傾向があります。
一般的な店舗との違い
一般的な店舗は、日々の売上を安定して確保することを主な目的としています。一方で、旗艦店は、短期的の売上よりも、ブランド全体にどのような影響を与えるかを重視して設計されます。例えば、新商品の見せ方を試したり、ブランドの方向性を示す場として活用されたりするケースが多く見受けられます。
そのため、店舗数を増やすためのモデル店という位置づけではなく、ブランドを象徴する拠点として運営されるケースが一般的です。これまでは、複数の店舗を展開している大手ブランドが設けるケースが中心でしたが、近年では、オンラインストアを中心に展開してきたブランドが、顧客と接点を持つ場として旗艦店を設ける例も増えています。
旗艦店の役割
旗艦店は、ブランドごとに異なる役割を持って運営されています。ここでは、旗艦店が果たす主な役割をいくつかの観点にまとめます。

◇ブランドの価値観や方向性を伝える役割
旗艦店は、ブランドがどのような価値観で商品やサービスをつくっているのかを伝える役割を担っています。広告やWebサイトだけでは伝えきれない情報を空間を通して伝えられる点が特徴です。
例えば、店舗デザインや商品の展示方法などにブランドの意図を反映することで、ブランドがどのような方向性で商品やサービスを展開しているのかを伝えることができます。また、注目されやすい立地に大規模な売り場を展開するケースが多く、ブランドの認知向上につなげる役割もあります。
◇商品やサービスを深く伝える役割
旗艦店では、商品やサービスについて通常店舗よりも詳しく伝えることが重視されます。
実際に商品を試せるスペースを設けたり、専門知識を持つスタッフが顧客ごとに時間をかけて接客することで、来店客の商品への理解を深めることができます。また、フルラインアップの商品展示や限定商品・最新トレンドの紹介など、他の店舗では実現しにくいサービスを提供できる点も、旗艦店ならではの役割です。
◇ブランドを体験できる場としての役割
旗艦店は、ブランドを「購入する」だけではなく、「体験する」場としての役割も担っています。
イベントやワークショップを開催したり、来店客が商品やサービスを試せる機会を設けたりすることで、来店客との接点を増やすことができます。このような取り組みによって、ブランドがより身近な存在となり、継続的にブランドを意識してもらうきっかけをつくる役割も果たしています。
旗艦店のメリット・デメリット
旗艦店は、ブランドにとって多くの効果が期待できる一方で、運営面での負担や注意点もあります。ここでは、出店を検討する際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理します。

◇旗艦店のメリット
メリットの1つとして、ブランドの世界観・価値観や商品の魅力を、時間やスペースをかけて伝えられる点が挙げられます。通常店舗に比べて、売り場面積に余裕を持たせたり、時間をかけて接客することができるため、ブランドや商品への理解を深めてもらいやすくなります。
加えて、注目されやすい立地や話題性のある店舗づくりによって、ブランド認知を広げやすい点もメリットです。SNSやメディアで店舗が拡散されることで、オンラインストアや他店舗への関心につながるケースもあります。
また、新しい商品やサービス、売り場づくりを実験的に試すことができる点も魅力です。旗艦店でスモールに始め、実際の顧客の反応を見ながら改善を重ねることで、通常店舗への展開がスムーズにできるようになります。
◇旗艦店のデメリット
一方で、旗艦店にはコスト面での負担が大きいというデメリットが存在します。広い売り場面積や良い立地の場所を選ぶケースが多いため、賃料や内装費、人件費が高くなりやすく、短期間で回収することが難しくなります。
また、旗艦店は売上以外の目的も持つため、成果を数値で判断しにくい点も課題です。来店客や売上だけでは効果を測りきれず、どの指標で評価するかを事前に決めておかないと、社内での合意形成が難しくなります。
旗艦店を検討する際のポイント
ここでは、旗艦店の役割やメリット・デメリットを踏まえ、出店を検討する際に確認しておきたいポイントをまとめます。

◇旗艦店に求める役割を整理する
・認知向上、商品のトライアル販売、顧客との接点づくりなど、何を重視する店舗なのかを明確にする
・役割が曖昧なままだと、売り場や運営方針が定まりにくくなる
◇立地や規模は役割に合わせて考える
・一等地や大型店舗が必ずしも最適とは限らない
・伝えたい内容や体験に合った立地・広さを検討する
◇成果の見方を事前に決めておく
・売上だけでなく、来店客数や反応、話題性などを見る視点を持つ
・社内で評価の軸を共有しておく
旗艦店の代表的な事例
ここでは、国内で旗艦店を展開しているブランドの代表的な事例を紹介します。ブランドによって異なる旗艦店の位置づけを見ていきます。
◇@cosme TOKYO|東京都・原宿

@cosme TOKYOは、コスメや美容の総合情報サイト「@cosme」が展開する大型の旗艦店です。2020年1月に、原宿駅前という若者・Z世代が多く訪れるエリアにオープンしました。売り場面積は約400坪で、約600ブランド、20,000点以上のアイテムを取り揃えており、多い日には1日10,000人が来店するとされています。
この店舗の特徴は、「購入する前に試す・比較する」体験を重視している点です。@cosmeのランキングや口コミと連動した売り場構成に加え、パーソナルカラー診断など、商品選びをサポートする体験型の施策を数多く実施しています。商品選びで失敗したくないというニーズを汲み取り、情報収集から体験、購入までを完結できる設計になっています。
◇ユニクロ 銀座店|東京都・銀座

ユニクロ銀座店は、ユニクロを代表する旗艦店として展開されている大型店舗です。銀座という国内外の来訪者が多いエリアに立地しており、12フロアにわたってメンズ・ウィメンズ・キッズのフルラインアップを展開しています。
この店舗の特徴は、商品販売に加えて、オリジナルTシャツを作成できる「UTme!」やカフェの併設、スタッフの採寸によりオーダーメイド感覚でスーツを選べる「CUSTOM ORDER SALON」など、ユニクロの取り組みをまとめて体験できる点です。インバウンドの来店も多く、ユニクロというブランドを知ってもらうための拠点としての役割も担っています。
◇Snow Peak LAND STATION TOKYO|東京都・丸の内
Snow Peak LAND STATION TOKYOは、アウトドアブランドであるスノーピークが展開する、都市型の旗艦店です。東京駅直結のKITTE内にあり、ギアやアパレルの販売に加えて、ブランドの価値観やライフスタイル提案を体験できる店舗として位置づけられています。
この店舗の特徴は、アウトドア用品を並べて販売するだけでなく、実際の使用シーンを想起しやすい売り場構成や、スタッフとの会話を通じて商品理解を深められる点です。限定アイテムの展開やイベントの開催などを通じて、ブランドと顧客の接点をつくる役割も担っています。
直近オープンした/オープン予定の旗艦店

◇JINS 銀座
JINSは2026年春、銀座中央通りにグローバル旗艦店をオープン予定です。世界的な建築家が設計を手がけ、偶然のようで必然のような出会いを大切にする日本的思想「縁(えにし)」をコンセプトに掲げています。
◇Tiffany Ginza Flagship
ティファニー 銀座は、2025年7月、銀座にアジア最大級となる旗艦店としてオープンしました。ブランドの世界観を発信する拠点として、唯一無二の店舗デザインが施されています。また、日本初となるカフェ「Blue Box Café by Natsuko Shoji」もオープンし、食を通じた体験も提供しています。
まとめ
旗艦店(フラッグシップストア)は、売上のみを目的とせず、ブランドを代表する店舗として、ブランドの世界観・価値観を空間や体験を通して伝える役割を持つ店舗です。ブランドの価値観や方向性を伝える、商品やサービスを深く理解してもらう、体験を通して顧客とのつながりを強めるなど、その役割はブランドやフェーズによって様々です。
一方で、旗艦店は出店や運営にかかる負担が大きく、常設で長期出店することがデメリットとなる場合もあります。近年では、ポップアップストアの形式で、短期間の出店やイベントを通して、顧客の反応や立地との相性を確かめた上で、出店を検討するケースも増えています。
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