ペットグッズのポップアップストアが注目される理由とは?出店メリットと成功事例を解説
拡大するペット市場を背景に、販売手法の一つとしてポップアップストアが注目されています。ペットグッズ・ペット用品ブランド向けに、イベント出店のポイントやD2Cにおけるリアル施策の活用方法を紹介します。

近年、ペットグッズ市場の拡大とともに、EC中心で展開してきたブランドの間で「リアル出店」への関心が高まっています。なかでも注目されているのが、短期間・低リスクで出店できるポップアップストアです。本記事では、ペット市場の成長背景をふまえながら、ポップアップストアが注目される理由や具体的な事例、成功のポイントまでを解説します。
目次
拡大を続けるペット市場の現状

消費行動や価値観の変化を背景に、ペット市場は安定した成長を続けています。まずは、市場規模の現状と成長の理由について整理していきます。
実は1.8兆円超え? ペット市場のいま
日本のペット市場は年々拡大を続けており、その規模は2023年度で1.8兆円を超える水準に達しています。かつてはペットフードや基本的な飼育用品が中心でしたが、現在ではトリミングや動物病院、ペット保険といった周辺サービスに加え、ペット向けのアパレルや雑貨、さらには宿泊施設やイベントなど、消費領域が大きく広がっています。特に近年は、健康志向の高まりを背景にしたプレミアムフードや機能性商品の需要が伸びており、単価の上昇が市場規模の拡大を後押ししています。
頭数は増えていないのに市場が伸びる理由
一方で、犬や猫の飼育頭数は増えているわけではなく、ほぼ横ばいまたは微減傾向にあるといわれています。それにもかかわらず市場が拡大している背景には、「ペットは家族の一員」という価値観の浸透があります。既存の飼育者がペットにかける支出を増やしていることが、市場成長を支える大きな要因となっています。近年は、無添加・高品質なフードや機能性の高い用品、さらには誕生日や記念日を祝うイベント消費など、ペット1匹あたりにかける支出が増加しています。また、動物医療の発展や健康志向の高まりによりペットの寿命が伸びており、サプリメントや動物病院、ペット保険などへかける支出が増えていることも市場が拡大している要因の一つです。
ペットグッズとポップアップストアの相性が良い理由

ペットグッズ市場の拡大とともに、EC中心で展開してきたブランドがリアル出店に注目するケースが増えています。なかでもポップアップストアは、短期間・低リスクで出店できるだけでなく、ペット領域ならではの価値を最大化できるため、相性の良い手法といえます。その理由を4つ紹介します。
ECだけでは伝わらない、試着・試食の体験ニーズがある
ペットグッズは、サイズ感や素材感、嗜好性など「実際に試してみないと分からない」要素が多い商材です。特にウェアやハーネスは試着によるフィット感を、フードやおやつは食いつきや好みを確認したいというニーズがあります。ポップアップストアでは、オンラインで判断できない不安や悩みを解消できる場を提供できるため、購入のハードルを下げるだけでなく、ブランドへの信頼感の醸成にもつながります。
飼い主同士がつながるコミュニティの場になる
ポップアップストアは単なる販売の場にとどまらず、飼い主同士の交流が生まれる場としての役割も果たします。同じ犬種やライフスタイルを持つ飼い主同士が自然と会話を交わすことで、ブランドを起点としたコミュニティが形成されやすくなります。こうしたつながりはリピーターの創出や口コミ拡散にも寄与しやすく、長期的なブランド価値の向上につながります。
ペット×ポップアップはSNSで拡散されやすい
ペットはもともとSNSとの親和性が高く、写真や動画としてシェアされやすいコンテンツです。ポップアップストアに、ブランドの世界観を反映した空間やペットと一緒に撮れるフォトブースなどを設けることで、来場者が自然と撮影して投稿したくなる仕掛けをつくることができます。特に「期間限定」「ここでしか体験できない」といった要素は拡散力を高めやすく、広告に頼らない集客効果も期待できます。
出店前のテストマーケティングにも最適である
ポップアップストアは、常設店舗に比べて低コストで出店できるため、新商品の反応や価格帯、ターゲット層との相性を検証する場としても有効です。来場者の声や購買データを直接収集できる点は、ECだけでは得られない大きなメリットといえます。こうしたリアルなフィードバックをもとに商品改善や戦略の見直しを行うことで、次の展開につなげられます。
ペットグッズのポップアップストア事例
ペットグッズ領域では、ポップアップストアを活用して成果を上げている事例が増えています。ここでは、実際に集客や売上、ブランド認知の向上につながった代表的な取り組みを紹介します。
ココグルメ – ポップアップで会員数が2倍以上に

手作りフレッシュドッグフードのD2Cブランド『ココグルメ』は、ポップアップストア出店を通じてリアル接点を強化したことにより、前年比で会員数を2倍以上に伸ばした実績があります。ポップアップストアでは、無料で試食してもらうだけでなく、その場で購入してもらうことを意識。購入時にLINE@への登録を促して、ECでのリピート購入につなげる施策を行いました。また、つい撮りたくなる、投稿したくなるよう、フォトブースのデザインも工夫することで、UGCによる二次拡散や投稿者自身の購入意向を高めることにも成功しています。
PETTENA – マルイで「試乗できる」ポップアップを開催

ペットカートブランド『PETTENA』は、マルイにてポップアップストアを開催。実際にカートを「試乗」できるため、使用感や操作性、持ち運びやすさといった購入前の不安を解消する場を提供しました。特に高単価商品においては、こうした体験の機会が購買意思決定に大きく影響します。また、購入の後押しとなるポップアップストア限定の特別価格や購入特典などのキャンペーンも行われました。ポップアップストアに来られない方向けには公式サイト限定の特典を用意することによる、ポップアップストアの情報をキャッチしたユーザーを購入につなげる導線づくりも特徴的です。
にゃんだらけ・わんだらけ – みんなで出るマーケット型イベント
「にゃんだらけ」「わんだらけ」は、数百規模の出展者が集まる大型のマーケット型イベントで、ペットグッズの販売だけでなく、試食・サンプリング、ワークショップ、ステージ企画など多彩なコンテンツが展開されています。来場者は複数のブランドを一度に比較・体験できるため、購買意欲が高まりやすく、新しいブランドとの出会いの場としても機能しています。出展者にとっては、短期間で多くの見込み顧客と接点を持てる点が大きなメリットです。SNS投稿キャンペーンや来場者同士の交流も活発で、イベント自体がコミュニティの場となりやすく、認知拡大とファンづくりを同時に叶えられるのが魅力です。
百貨店もペット売場を拡充中 – 伊勢丹や大丸の事例

近年、百貨店でもペット関連カテゴリーの強化が進んでおり、ペット用品専門店の出店やポップアップストアの開催が相次いでいます。例えば、伊勢丹新宿店や大丸東京店では、ペットケアブランドが手がける専門店『Paddy by WAFONA』が出店し、フードやケア用品、雑貨などを幅広く取り扱っています。さらに、大丸松坂屋名古屋店では、ドッグウェアのファッションショーやワークショップ、屋上遊園でのドッグラン、館内での期間限定グッズ販売などを行うイベントを開催。百貨店内でのペットグッズ展開は拡大傾向にあります。
ペットグッズのポップアップストアを成功させるポイント

ペットグッズのポップアップストアは、単に商品を販売するだけでなく、「体験」と「関係性づくり」が成果を左右します。ここでは、出店効果を最大化するために押さえておきたいポイントを紹介します。
ペット同伴OKの空間づくりと安全面の工夫
ペット同伴を前提とした空間づくりは、来場ハードルを下げる重要な要素です。一方、ペットを守るための安全面への配慮も欠かせません。滑りにくい床材の使用やリードフックの設置、衛生管理の徹底など、ペットと人が安心して過ごせる環境づくりを意識しましょう。小型犬・大型犬でエリアを分けるなどの工夫も、トラブル防止につながります。
試食・試着・フォトスポットを使った体験づくり
ポップアップストアの強みは、リアルならではの体験を提供できることにあります。フードの試食やウェアの試着はもちろん、フォトスポットを設けることで来場者の満足度を高めることができます。特にペットは「撮りたくなる存在」であるため、思わず写真を撮りたくなる演出を用意することで、SNS投稿や口コミの促進による二次拡散も期待できます。
来場者をEC・SNSにつなげるポップアップ後の導線設計
ポップアップストアは、来場時の一時的な接点で終わらせず、その後の関係構築につなげることが重要です。QRコードを活用したECサイトへの誘導や、SNSフォローを促す施策、LINE登録によるクーポン配布など、継続的に接点を持てる仕組みを設計しましょう。来場をきっかけにオンラインへとつなげることで、リピート購入やファン化を促進できます。
ペットグッズのポップアップ出店におすすめのエリア・スペース
ポップアップストアの成果は「どこで出店するか」に大きく左右されます。ペットグッズの場合は、ターゲットとなる飼い主が集まりやすい場所や、ペット同伴が可能な環境を選ぶことが重要です。ここでは、出店先としておすすめのエリアや考え方を紹介します。
インターペットなど大型イベントに合わせて出店する
「インターペット」は国内最大級のペットイベントで、ペット同伴が可能です。多くの企業が出展し、数万人規模の来場者が集まるため、効率的に認知拡大や新規顧客獲得が狙えます。また、来場者は購買意欲が高い状態にあるため、試食や体験を通じてその場での購入やSNSフォローにつながりやすいのが特徴です。短期間で大きなリーチを獲得したいブランドにとって、有力な選択肢といえるでしょう。
ペットOKの商業施設・百貨店を活用する
ペット同伴可能な商業施設や百貨店は、安心して来場できる環境が整っているため、ターゲットに直接アプローチしやすい点が魅力です。特に都市部の施設では、感度の高い飼い主が多く訪れるため、デザイン性やストーリー性のあるブランドとの相性が良い傾向にあります。さらに、施設自体の集客力や信頼性を活用できるため、自社単独ではリーチしづらい層にもアプローチが可能。館内イベントや他テナントとの相乗効果も期待できるため、ブランドの認知向上や新規顧客の獲得にもつながりやすいのが魅力です。
公園やドッグラン近くのスペースを狙う
公園やドッグラン周辺は、日常的にペットオーナーが集まるエリアです。散歩やレジャーのついでに立ち寄れるため、自然な来店を促しやすいのが特徴です。特に週末や天候の良い日には来場者数が増え、偶発的な出会いから購買につながるケースも期待できます。また、屋外に近い環境であることから、実際にペットが商品を使用するシーンをイメージしやすく、体験価値の訴求にも適しています。エリア特性を活かした出店は、ブランドの親しみやすさを高める効果もあります。
ショップカウンターでスペースを探してみよう
ポップアップストア出店を成功させるには、立地や条件に合ったスペースを効率よく見つけることが重要です。ショップカウンターでは、商業施設、駅ナカ、路面スペース、イベント会場など、多様な選択肢の中から比較検討が可能です。エリアや来場者属性、利用可能な設備などをふまえて選べるため、自社ブランドに最適な出店場所を見つけやすいのが特徴です。また、短期出店やテストマーケティング用途にも対応しているため、初めてポップアップを実施する事業者にもおすすめのサービスといえます。
まとめ
拡大を続けるペット市場では、家族化やプレミアム志向の高まりにより、「体験」を通じて価値を伝える重要性が増しています。こうした背景から、試食・試着、コミュニケーションを通じてブランドの魅力を直接届けられるポップアップストアは、ペットグッズ販売と相性の良い施策といえるでしょう。その第一歩として重要になるのが、自社に合った出店場所の選定です。
ショップカウンターでは、ポップアップや期間限定出店に対応したスペースを簡単に探すことができ、エリアや利用シーン、施設タイプなどの条件から比較検討が可能です。効率よく場所を検索できるため、まずは気になるエリアから、スペース探しを始めてみてはいかがでしょうか。

累計85,000ブランドの出店データと、全国28,000スペースとの取引実績をもとに、出店戦略やオフライン出店における売上最大化に関する実践的な情報を発信中。出店を検討するブランド担当者、ならびに商業施設・レンタルスペース運営者に向けて、再現性のあるノウハウや業界動向をわかりやすく解説することを心がけています。
【メディア掲載実績】「ネットショップ担当者フォーラム」「ダイヤモンド・チェーンストア」「激流」「日経MJ」「日経クロストレンド」「繊研新聞」など。



















