睡眠グッズの最新トレンドとは?市場拡大の背景とスリープテック・D2Cブランドの動向を解説
睡眠グッズ市場は今なぜ急成長しているのか?本記事では、睡眠市場の拡大背景や最新トレンド、注目ブランドの動向を解説。「試してから買いたい」というニーズの高まりをふまえ、ポップアップストアなどリアル出店の可能性についても紹介します。

近年、「睡眠」は単なる休息ではなく、日々の健康やパフォーマンスに直結する重要なトピックとして注目を集めています。市場の拡大に伴い、高機能寝具やリカバリーウェア、スリープテックなど、多様な睡眠グッズが登場し、消費者の選択肢も大きく広がりました。特にD2Cブランドを中心に、機能性や体験価値を重視した商品が増え、「自分に合うかどうかを試してから購入したい」というニーズも高まっています。
本記事では、こうした睡眠市場の成長背景や最新トレンド、注目ブランドの動向を整理しながら、今後の販売戦略のヒントを探ります。あわせて、体験機会の提供が重要となる中で、ポップアップストアをはじめとしたリアル接点の可能性についても解説します。
目次
なぜ今、睡眠市場がこんなに伸びているのか

睡眠市場の拡大は、単なるトレンドではなく、社会課題と消費行動の変化が重なった結果といえます。市場規模そのものの成長に加え、日本人特有の睡眠不足という課題、そして「睡眠の質」への関心の高まりが需要を押し上げています。ここでは、こうした市場拡大を支える3つの視点から、その背景を整理していきます。
2,000億円に迫る睡眠サポート市場
近年、睡眠の質の向上を目的とした「睡眠グッズ」をはじめとする睡眠サポート市場は、2,000億円に迫る勢いで急速に拡大しています。富士経済が発表した市場調査では、2030年までに2000億円を超える市場拡大が予測されています。従来の寝具に加え、サプリメントやリカバリーウェア、さらにはITやAI技術を活用して睡眠をサポートする「スリープテック」が生まれたことで、市場の裾野が大きく広がりました。
特にD2Cブランドの台頭により、機能性やストーリー性を打ち出した商品が増加し、オンライン起点で認知を獲得した後、リアルな接点へと展開する動きも活発化しています。これにより、これまで「生活必需品」にとどまっていた睡眠関連商品が、「比較検討される消費財」へと変化し、市場全体の活性化につながっています。
日本人は世界で一番寝ていない? 睡眠課題が生んだ巨大な需要
経済協力開発機構(OEDC)が2021年に発表したデータから、先進国33カ国の中で日本の睡眠時間が最も短いことが明らかになりました。先進国33カ国の平均睡眠時間が8時間28分であるのに対し、日本は7時間22分と慢性的な睡眠不足が社会課題として指摘されています。仕事や通勤時間の長さ、スマートフォン利用の増加などが影響し、「しっかり休めていない」と感じている人は少なくありません。
こうした背景から、「どうすれば質の高い睡眠がとれるか」というニーズが顕在化し、睡眠改善への関心が一気に高まりました。単なる不調の解消だけでなく、日中のパフォーマンス向上やメンタルヘルス対策としても睡眠が重視されるようになり、結果として睡眠グッズ市場の需要拡大を後押ししています。
「睡眠の質」への関心が消費行動を変えている
近年の特徴的な変化として、「睡眠時間」ではなく「睡眠の質」を重視する消費者が増えている点が挙げられます。短時間でも深く回復できる睡眠を求める傾向が強まり、それに応える高機能な睡眠グッズが支持を集めています。
また、スマートウォッチやアプリを活用して睡眠状態を可視化する人も増え、「なんとなく良い」ではなく「データで納得できる」商品選びへとシフトしています。この流れは、商品の体験価値を重視する傾向とも結びついており、実際に試してから購入したいというニーズを高めています。こうした消費行動の変化により、オンラインだけで完結しない購買行動が生まれているのです。
今注目の睡眠グッズトレンド

睡眠市場の拡大に伴い、商品カテゴリーも大きく進化しています。従来の寝具にとどまらず、機能性を追求したプロダクトやテクノロジーを活用したサービスなど、多様な「睡眠グッズ」が登場しています。ここでは、いま注目すべき代表的なトレンドを4つの視点から整理します。
高機能寝具:「脳を冷やす枕」やリバーシブルマットレス
近年の睡眠グッズの中でも注目されているのが、科学的アプローチを取り入れた高機能寝具です。たとえば、「脳を冷やす」というコンセプトの枕や、季節や体調に合わせて使い分けられるリバーシブルマットレスなど、従来の寝具とは一線を画す商品が増えています。単なる寝心地の良さだけでなく、深部体温や寝返りのしやすさといった睡眠の質に直結する要素を改善する設計が特徴です。体感による違いが分かりやすいため、リアルな場での体験ニーズが高いカテゴリでもあります。
リカバリーウェア:着るだけで回復をサポート
「休養=寝るだけ」という考え方から、「日中の過ごし方も含めて回復を促す」という発想へと変化する中で、リカバリーウェアも急速に広がっています。特殊繊維や遠赤外線素材などを用い、血行促進や疲労回復をサポートする設計が特徴で、就寝時だけでなく日中にも利用できる商品も開発されています。着用するだけで効果が期待できる手軽さから、習慣に組み込みやすく、幅広い層に支持されているのがポイントです。ギフト需要やセット購入にもつながりやすく、D2Cブランドとの相性も良いカテゴリといえます。
スリープテック:アプリやウェアラブルで睡眠を可視化
睡眠の質を「感覚」ではなく「データ」で捉える動きも加速しています。スマートウォッチや専用デバイス、アプリを活用することで、睡眠時間や深さ、途中覚醒の有無などを可視化できるようになりました。これにより、ユーザーは自分の睡眠状態を客観的に把握できるため、自分に適した改善方法を考えやすくなっています。スリープテックは継続利用されやすい特性があり、サブスクリプション型サービスとも親和性が高い領域です。ハードとソフトを組み合わせた体験設計が、今後の差別化ポイントになるでしょう。
睡眠×エンタメ:ゲームや読書と組み合わせた新しいアプローチ
近年では、「楽しく続ける」ことを重視した睡眠改善アプローチも登場しています。睡眠導入をサポートする音声コンテンツや、ゲーム感覚で生活リズムを整えるアプリ、リラックス効果を高める読書体験など、エンタメと掛け合わせたサービスが広がっています。これまで継続が難しかった睡眠改善を習慣化しやすい体験へと変換している点が特徴です。特に若年層を中心に支持が広がっており、今後の市場拡大を支える新しい切り口として注目されています。
知っておきたい注目の睡眠ブランド
睡眠市場の拡大に伴い、プロダクトだけでなくブランド単位での競争も激化しています。特に近年は、機能性だけでなく「体験価値」や「購入プロセスの設計」に強みを持つブランドが支持を集めるようになりました。ここでは、今のトレンドを象徴する代表的な睡眠ブランドを紹介します。
ブレインスリープ──「脳を冷やす枕」が20万個突破

株式会社ブレインスリープは、「脳を冷やす」という独自コンセプトを打ち出した枕で注目を集めています。通気性の高い素材と熱を逃がす構造により、深部体温のコントロールをサポートすることで、睡眠の質向上を目指した商品設計が特徴です。SNSや口コミを起点に話題となり、短期間で大きく販売数を伸ばしました。シンプルながらも体感差が分かりやすく、ポップアップストアなどリアルな接点との相性が良いブランドです。
コアラマットレス──120日お試しとショールームで体験を重視

コアラマットレスは、「120日間トライアル」という大胆な購入体験を打ち出し、D2C市場で存在感を高めてきました。オンラインで購入できるのは手軽でありながら、高価格商品は不安を感じやすいもの。そのため、120日間という長期間のトライアルで、自分に合うかをじっくり試すことができ、万が一合わなければ返品可能という安心感が支持されています。さらに近年ではショールーム展開を進め、実際に寝心地を体験できる場づくりにも注力しています。ECとリアルを組み合わせた購買導線設計は、睡眠グッズにおける成功事例のひとつといえます。
BAKUNE(TENTIAL)──リカバリーウェアで急成長

TENTIALが展開する「BAKUNE」は、着るだけで疲労回復をサポートするリカバリーウェアとして急成長しているブランドです。価格の高いリカバリーウェアは、もともとアスリート向けに開発・販売されていましたが、一般向けに着用を提案しはじめたのがTENTIALでした。血行促進を促す特殊素材を使用し、睡眠中だけでなく日常生活でも着用できる点が特徴です。また、購買データをもとにギフト需要をキャッチし、「プレミアムギフトシリーズ」をスタートしたことも売上拡大を後押ししています。
西川──老舗寝具メーカーがスリープテックに本格参入
老舗寝具メーカーの西川も、近年はスリープテック領域へ積極的に参入しています。長年培ってきた寝具開発のノウハウに加え、睡眠データの計測や分析を取り入れた商品・サービスを展開し、従来のイメージをアップデートしています。たとえば、これまでの知見から開発されたリカバリーウェアは、特殊繊維素材「PHT」を採用していたり、手首や足首をカバーできる「スリープフラップ」があったりと西川ならではの特徴があります。また、店舗でのカウンセリングや計測体験など、リアルならではの強みを活かした販売手法も特徴です。
小売・流通側の動き──睡眠売場が拡大中
睡眠市場の拡大は、ブランド側だけでなく小売・流通の現場にも変化をもたらしています。これまで寝具売場の一部として扱われていた睡眠関連商品は、近年では独立したカテゴリとして売場が拡張され、体験を重視した販売手法へと進化しています。ここでは、小売・流通側における代表的な動きを紹介します。
ビックカメラが睡眠コーナーを新設、売場は3倍に
家電量販店でも睡眠市場への対応が進んでいます。ビックカメラでは、睡眠関連商品を集約した専用コーナーを新設し、売場面積を従来の約3倍に拡大。寝具だけでなく、スリープテックデバイスやリカバリーウェアなども横断的に展開することで、「睡眠をトータルで提案する売場」へと進化しています。実際に商品を試せる体験型の展示も強化されており、オンラインでは伝わりにくい価値を補完する役割を担っています。
百貨店やコストコでも体験型の睡眠フェアが増加
百貨店やコストコでも、睡眠をテーマにした催事やフェアが増加しています。百貨店では専門スタッフによるカウンセリングや計測体験を組み合わせたイベントが実施され、個々の悩みに合わせた提案が行われています。一方、コストコのような大型店舗では、マットレスや枕をその場で試せる展示や購入を後押しする割引を行う睡眠フェアを実施。こうした体験型の売場づくりが、「納得して購入したい」という消費者ニーズに応える動きとして広がっています。
まとめ
睡眠市場は、社会課題としての「睡眠不足」と、「睡眠の質」への関心の高まりを背景に、今後も拡大が見込まれる成長領域です。高機能寝具やリカバリーウェア、スリープテックなど多様な睡眠グッズが登場する中で、消費者は「自分に合うかどうか」を重視し、納得して購入したいという気持ちが強まっています。その結果、「実際に試してから買いたい」というニーズはこれまで以上に大きくなっています。
こうした購買行動の変化をふまえると、リアルな接点で体験機会を提供できるポップアップストアは、睡眠グッズブランドと非常に相性の良い手法といえます。短期間・低リスクで出店できるポップアップは、商品の体感価値を伝えながら顧客との接点を創出できる有効な手段です。睡眠市場の成長をビジネス機会として捉えるなら、リアル出店の第一歩としてポップアップストアがおすすめです。
ショップカウンターでは、ポップアップストアや短期出店に利用できるスペースの検索・予約が可能です。エリアや利用用途、スペースの形態などから探すことができ、希望に合うスペースを見つけやすいのが魅力。まずは、ショップカウンターでスペース検索から始めてみてはいかがでしょうか。

累計85,000ブランドの出店データと、全国28,000スペースとの取引実績をもとに、出店戦略やオフライン出店における売上最大化に関する実践的な情報を発信中。出店を検討するブランド担当者、ならびに商業施設・レンタルスペース運営者に向けて、再現性のあるノウハウや業界動向をわかりやすく解説することを心がけています。
【メディア掲載実績】「ネットショップ担当者フォーラム」「ダイヤモンド・チェーンストア」「激流」「日経MJ」「日経クロストレンド」「繊研新聞」など。




















