公開日:2016年3月10日
更新日:2023年11月30日

アラサーOL誌 Oggi・Anecan・CLASSY. それぞれの生態を比べてみました

可処分所得が高く、自分の好みで買い物しやすいアラサーOLは、物を売る上で無視できないターゲット層です。そこで今回はアラサーOLを代表する雑誌 “Oggi” “Anecan” “CLASSY.” を比較して、それぞれの生態をまとめました!

購買意欲が強く、マーケティングの中でも常に重視されるF1層(20歳〜34歳の女性)。

トレンドをつくるにはまずはF1層を掴む必要があると言われるほど、物を売る上で無視できないターゲット層でもあります。

しかし最近ではファッションやライフスタイルも細分化され、一概に”F1層” “アラサーOL”という括りでは語れなくなってきました。

そこで今回はアラサーOLを代表する雑誌 “Oggi” “Anecan” “CLASSY.” を比較して、それぞれの購買行動を考察しました!

雑誌概要

<Oggi>

創刊:1991年

発行部数:12万部

コンセプト:「知的・上品・趣味がいい」 働くアラサー世代のためのリアルファッション誌

Oggiは小学館が発行しているアラサーOL向けファッション誌。

仕事を楽しむ「キャリア系の女性」に対してトレンドよりもシンプルでベーシックなファッションを紹介しています。

現在のカバーガールは松島花で、過去には江角マキコや天海祐希といった自立したイメージのある女性が専属モデルとして活躍してきました。

誌面には「きれいめ」「きちんと」といったコンサバティブな言葉が多いのが特徴です。

<Anecan>

創刊:2007年

発行部数:10万部

キャッチコピー:HAPPY&ACTIVEなレディになろう♡

“エビちゃんOL”で一世を風靡したCanCamのお姉さん雑誌。

CanCamOL全盛期時代の専属モデルであった蛯原友里・押切もえ・高垣麗子をそのまま専属モデルとして採用し、「トレンドに敏感」なアラサーOLの心をつかみ続けています。

Oggiと同じ小学館から発行されている雑誌ですが、Oggiに比べるとややカジュアル寄りなコーディネートが多いのが特徴。

休日のおでかけ情報やゴルフなどの習い事、旅行などの情報も多く、仕事だけでなくプライベートも充実させたいという思いが垣間見えます。

「トレンド」「おしゃれ感」といったフレーズも多く、流行に敏感な女性向けの雑誌です。

<CLASSY.>

創刊:1984年

発行部数:29万部

キャッチコピー:本命の彼女に読んで欲しい雑誌NO.1(2010年頃まで。現在は誌面に記載なし)

お嬢様系大学生雑誌JJ、セレブ妻雑誌VERYの系列誌として「きれいめコンサバ」OLに向けた情報を発信。

「モテる」「男ウケ」という単語が誌面いっぱいに並びます。

現在のカバーモデルは小泉里子で、道端ジェシカや相沢紗世など男女問わず好感度の高いトップモデルが歴代のカバーガールを務めてきました。

また現在は誌面に記載はありませんが、2010年までは「本命の彼女に読んで欲しい雑誌NO.1」をキャッチコピーとしており、読者モデルのカップルでの登場や男性からのファッションへのコメントが多いのも特徴です。

比較ポイント1:ファッション

▲左から Oggi OL、Anecan OL、CLASSY.OL。オフィスファッションも三者三様。

「Oggi」4月号の特集は”「バッグ」と「肌」は女の名刺です!”。

「名刺」という通常はオフィスシーンで使うフレーズが「Oggi OL」のキャリア女子らしさを物語っています。

それ以外にも「4月の”はじめまして” 最高好感度プラン5」という特集では仕事関係での第一印象アップをメインに取り上げています。

また昨年から人気が続いているガウチョも通勤服として使えるシルエットのアイテムやコーディネートを紹介。

「かわいい」「おしゃれ」よりも「上品」「知的」を重視しており、トレンドアイテムも「オフィスで浮かない着こなし」ができるかどうかを意識しながら取り入れているようです。

そんなOggi OLに人気なのはBOSHやLOUNIEといった大人っぽいシンプルなスタイルのブランド。

マルニティークやDemi-Luxe BEAMSといった丸の内〜銀座を中心に展開しているセレクトショップも人気です。

「Anecan」3月号は”今日から着られる!春気分をひとつだけ”という特集を前面に打ち出しており、「春」という季節感のある単語を随所に散りばめています。

その中でも”おしゃれプロの「春イチ買い」リスト”ではスタイリストやエディター、プレスなど総勢40名ものおしゃれアイコンが春を先取りして購入したものを披露。

トレンドに敏感な「Anecan OL」らしい特集と言えそうです。

また、ほぼすべてのヤングアダルト誌に掲載されている1ヶ月着まわしコーディネートのコーナーがないのもAnecanの特徴。

着回しやすいアイテムよりも、「トレンドアイテムをたくさん見たい!」という読者が多いのかもしれません。

Anecan OLに人気なのはストロベリーフィールズやジャスグリッティなどかわいらしいお嬢さん系ブランド。

CanCamで人気のマルイ系ブランドのお姉さんラインをメインにしつつ、ユニクロやGUなどの「プチプラブランド」もうまく取り入れています。

「CLASSY.」4月号のメイン特集は”これからは「モテるベーシック」の時代です!”。

OggiとAnecanの二誌には一切でてこなかった「モテる」というフレーズだけで40ページ超の特集が組まれています。

合コン服の指南特集はもちろん、結婚する前と後で変化したファッションについての連載など「男性からの評価に軸足」を置いています。

着まわしのページでも比較的カジュアルなコーディネートが多く、オフィスコードがゆるめのオフィスに勤めているライフスタイルが垣間見えます。

そんなCLASSY.OLに人気なのはジュエルチェンジズやマディソンブルーなどきれいめカジュアルなブランド。

トゥモローランドやエストネーションといったきれいめコンサバ系セレクトショップも人気です。

比較ポイント2:ライフスタイル

▲Anecanでは、ユニクロやGUなどのプチプラブランドもうまく取り入れながらトレンドのスタイルを作り上げている。

雑誌読者層のライフスタイルを考察する際に一番参考になるのは、「1ヶ月着まわしコーディネート」のコーナー。

すべて物語調になっており、主人公の設定やでかける場所、行動などファッション以外のライフスタイルの部分でも読者のあこがれを反映したページになっています。

例えば「Oggi」の1ヶ月コーディネートの主人公は「IT企業の広報部」。

物語は月末に向けた重要な記者発表会の準備を軸に進み、コーディネート紹介の背景も「オフィスがメイン」です。

他誌であれば着回しコーナーにでてくる男性は恋人が中心ですが、Oggiでは彼氏がいる設定でありながら登場する男性は上司のみ。

ライフスタイルの中でもキャリアを特に重視していることがわかります。

誌面に登場する読者の職業に多いのは金融関連や商社、法律関係など比較的「かっちりしたイメージのある会社」。

“30歳で年収1000万になるちょっとした努力”などキャリアアップ系のコンテンツも豊富です。

働くことが前提で「キャリア志向が強い」ため、自己投資や知的好奇心を掻き立てるものへの興味が強いようです。

「Anecan」は「比較ポイント1:ファッション」でも紹介した通り、着回しコーディネートのコーナーは無し。

しかし今月号では”「平成生まれ」女性の真相、「昭和生まれ」女性の真実”という読者向けアンケートをもとにした特集があり、ここからF1層のリアルな声を知ることができます。

またカップルのスナップコーナーではファッションよりも”何をしにどこに行くのか”という点を中心にそれぞれのカップルを紹介しており、「おでかけ好きなAncan OL」の特徴が見て取れます。

ゴルフや料理などの習い事を紹介するページもあり、「自分磨きや趣味で自分の時間を充実させたい」という傾向があるようです。

読者の職業も化粧品メーカーや広告代理店など「トレンドを重視する華やかなもの」が多いのが特徴です。

「CLASSY.」の着回しコーディネートコーナーの主人公は「デザイン会社勤務」。

ストーリーは主人公の恋愛模様中心で、オフィスのシーンでは細身のチェックシャツや白のショートパンツなどきれいめカジュアルなファッションがメインです。

BBQやボーリングといったカジュアルなデート、会社帰りのディナーなど様々なシチュエーションでのデート服も紹介されており、男性とのおでかけ比率も高め。

その他の特集でもカップルでのお買い物デートコースの紹介や彼に褒められる料理など「”いいお嫁さん”」を目指すライフスタイルがCLASSY. OLの基本のようです。

ルームウェアやインテリアの特集もあり、結婚後はVERY妻へ移行していく下地ができあがっています。

比較ポイント3:おでかけエリア

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本日発売のOggi4月号で取材した立正大学特任講師の坂 紅(ばん・べに)さん。 英文学研究を続けながら、大学で英語講師をしている坂さんは、なんと結婚後4か月で、単身イギリスに1年留学しMAを修了。理解ある男性と結婚し、ひとりではなし得ない、パートナーとの“ダブルのパワー”を感じているそう。多忙な彼女の息抜き法はおいしいお茶を飲むこと。特に煎茶の一種、玉露がお気に入り。ということで美容担当Mも手軽な玉露のティーバッグをGET! テアニン摂取でオフィスでちょっとリラックス♪ コーヒーもいいけど、日本茶もいいですよね。 #雑誌Oggi #玉露 #クリニーク

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▲Oggiでは働く女性のインタビューや特集も満載。

キャリア志向な「Oggi OL」が好むブランドは「丸の内〜銀座エリア」に店舗を構えていることが多く、会社帰りはもちろん休日も落ち着いた大人の雰囲気漂うエリアへのおでかけが多いようです。

“いい女の春メシリスト50”という特集では「新宿・代々木・渋谷エリア」がトップにきており、次に「銀座・日本橋・新橋エリア」、「神楽坂・市ヶ谷・飯田橋エリア」と続きます。

恵比寿・代官山・中目黒エリアより先に神楽坂・市ヶ谷・飯田橋エリアが紹介されていることからもOggiの落ち着いたキャリアウーマン像が垣間見えます。

3月のイベントカレンダーではファッションやグルメイベントに加えて展覧会などのアートイベントも充実。
「Oggi OL」を引き込むには「”教養”」、「自己投資」がキーワードになりそうです。

おでかけ大好きな「Anecan OL」向けには春のおでかけガイドが15ページにわたって特集されています。

その中でも「銀座」は見開き2ページを使う力のいれよう。

新しい商業施設の開店や話題のカフェはもちろん、一度はいきたい老舗まで新旧の名店が揃う銀座はトレンドに敏感なAnecan OL御用達のようです。

それ以外にも食べ歩きできる人気ワンハンドスイーツが集まる「渋谷〜表参道エリア」も1Pを割いて紹介。

次々に新しいスイーツが上陸するこのエリアもAnecan OLが足繁く通う街です。

そんなアクティブな「Anecan OL」には「”新しさ” 」「”ワクワク感”」のアピールがおすすめです。

一方でなによりもモテを意識する「CLASSY. OL」はおでかけ先選びも「彼と一緒に行けること」を重視。

CLASSY.誌上唯一のおでかけスポット紹介であるお散歩デートコースの紹介では「渋谷から原宿まで」のショップクルーズが紹介されています。

話題のカフェやレストランの訴求はほとんどなく、カップルで近所をのんびりお散歩するというのがCLASSY. OLスタイル。

他の二誌に比べるとインテリアや料理のページも多く、「代官山・中目黒」といったインテリアショップを覗きながらお散歩できるエリアが人気のようです。

遠出よりも近場でのんびりしたい傾向が強いCLASSY. OLには「のんびり」「彼と一緒に楽しめる」といったワードが響きそうです。

▲CLASSY.ではカップルのカットが多め。

アラサーOLにアプローチ!おすすめのポップアップスペース

同じアラサーOLでも異なる嗜好をもつOggi OL、Anecan OL、CLASSY. OL。
そんなアラサーOLたちそれぞれへのアプローチにおすすめのポップアップスペースをご紹介します!

キャリア嗜好なOggi OL向け:歴史ある建物をリノベーションしてできた商業施設

エリア広さ利用料金(1日あたり)
神田・秋葉原40㎡40,000円/日〜

知的好奇心を大切にするOggi OLにアプローチするなら、おすすめなのは神田川沿いにある高架下をリノベーションしてできた商業施設。

歴史ある高感度な空間にカフェやショップが集まる施設内のスペースはポップアップストアやプロモーションイベント、撮影会の開催に最適なスペースです。

おしゃれなだけではなく、日本の手工芸品やエシカルファッションなど、こだわりを感じさせるアイテムにおすすめです。

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トレンドに敏感なAnecan OL向け:丸の内の洗練されたセレクトショップ

エリア広さ利用料金(1日あたり)
丸の内10㎡30,000円/日〜

話題の場所に敏感なAnecan OLはショッピングもレストランもぎゅっとつまった街に足を運ぶことが多いもの。

ウィンドウショッピングが楽しめるエリアは特に人気です。

そんなAnecan OLにアプローチするなら、丸の内のセレクトショップの一角を使ってポップアップストアを開催してみてはいかが?

丸の内仲通りに面したトレンド感あるショップでは、アパレルはもちろんコスメも展開可能です。

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のんびりインドア派CLASSY. OL向け:木の温もりを感じるギャラリー

エリア広さ利用料金(1日あたり)
清澄白河10㎡10,000円/日〜

彼とのおでかけが中心のCLASSY. OLには男性と一緒に行きやすい場所がおすすめ。
男性人気も高い清澄白河エリアは特に注目のエリアです。

男性ウケも狙えるリノベーションカフェのガレージブースは、カップルで使えるユニセックスなアイテムやお部屋を彩るボタニカルアイテムとも相性がよさそうです。

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※本記事は2016年3月時点でSHOPCOUNTERが独自に調査・作成したものです。
各紙の公式な見解を示すものではありませんのでご注意ください。


<雑誌考察シリーズ 過去記事はこちらから!>


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