ポップアップストアの出店形態は様々ですが、どの出店形態を選ぶべきか迷うシーンは多々あるものです。この記事では、ポップアップストアの出店形態ごとのメリット・デメリットを整理し、事業規模にあわせた出店場所選びのポイントを説明します。
商業施設の一区画や、路面店で開催されることが多いポップアップストア。
しかし、事業規模によって適した出店形態は異なり、漠然と出店するだけでは思うような効果を得られません。
そこで今回は、3つの出店形態と、それぞれのメリット・デメリットをまとめてご紹介します。
それぞれの出店形態の特徴を正しく理解し、自社の事業規模やブランドにあった出店方法を選びましょう。
ポップアップストアの開催形態は、下記の3種類に大別されます。
1.レンタルスペースを丸ごと借り切る
レンタルスペースやギャラリーを貸し切って、その場で商品を販売したり体験をしてもらうスタイルです。
2.ショップやカフェの一部を利用する
セレクトショップやカフェの棚や一部スペースを借りて、展示や販売を行うスタイルです。
3.百貨店や商業施設に出店する
施設内の空き区画や共用部を利用して、商品を販売するスタイルです。
ここからは、3つのスタイルそれぞれのメリット・デメリットやおすすめの事業規模をまとめてご紹介します。
<メリット>
<デメリット>
<おすすめの事業規模>
<開催事例>
路面店を丸々貸し切って場合は空間活用の自由度が高く、自分たちの世界観を確立しやすい点が最大のメリットです。
空きスペースさえあれば、新作が完成したタイミングなど、自分たちの好きなタイミングで出店することができます。
スペース内の空間を自由に使えるので、ワークショップやオーダー会、ドリンクの提供など、お客様とのコミュニケーションを密にし、ブランドへの愛着を高めることができます。
また、一定数のSNSフォロワーがいるブランドであれば、「実物を見て買いたい」というお客様に商品を見ていただくことで、その場での購入はもちろん、ECでの継続的な購入にもつなげることができる開催形態です。
レンタルスペースで開催するデメリットとしては、集客を自分たちで行う必要があることや、レジや什器を自分たちで用意しなければならないことが挙げられます。
事前の集客施策はもちろん、お客様が足を運びやすい駅近スペースや、通りがかったお客様を呼び込みやすい路面スペースなど、開催場所選びも重要になります。
集客スケジュールや路面スペースまとめなどの記事を参考に、集客のための工夫をしましょう。
レジや什器などの準備をスムーズに進めるには、決済サービスまとめや什器レンタルサービスまとめなどの記事を参考にしてください。
レンタルスペースを丸ごと借り切る手法は、中小規模のブランドにおすすめの手法ですが、クラフト作家やクリエイターなど複数ブランドで集まって、マーケット形式で開催する場合にもおすすめです。
<メリット>
<デメリット>
<おすすめの事業規模>
<開催事例>
カフェやショップの一角を使用する場合、そのお店に訪れるお客様へアプローチできるのが最大の魅力です。
店舗の一角という小規模なスペースなので、立ち上げたばかりで商品数が少ないブランドや、1点1点が小ぶりなアクセサリーブランドなど、レンタルスペースを自社商品だけで埋めるのが難しいブランドにもおすすめです。
また、店舗の棚をそのまま利用できるので、最小限の什器で手軽に出店できるのもポイントです。
委託販売可能なスペースまとめでご紹介しているようなスペースであれば、自分が店頭に立たなくても販売可能なため、ポップアップストア期間中に並行して製作することもできます。
個人で活動するクラフト作家やクリエイターなど、規模が小さく、まずはお客様の反応を見たいといった用途におすすめの出店形態です。
デメリットとしては、店舗の一部での出店となるためブランドの世界観を表現しづらく、雰囲気の合う店舗を精査する必要がある点が挙げられます。
また、カフェや美容院の一角を利用する場合、訪れるお客様は買い物を目的としてないため、購買率が低くなる傾向にあります。
販売はメインにしないと割り切って、認知拡大やお客様からのフィードバックなど、販売以外の目的を設定しておきましょう。
店のつくりによっては、ファンのお客様が入りづらい場合もあります。
SNSで告知する際には、店舗の雰囲気や自分が立っている時間などをあわせて発信しましょう。
セレクトショップで開催する場合も、自分が接客しない場合には、店舗の方にブランドの資料を渡すなど、商品について理解してもらう努力が必要です。
<メリット>
<デメリット>
<おすすめの事業規模>
<開催事例>
商業施設や百貨店へ出店する最大のメリットはその施設の集客力です。
お客様も「買いたい」というモチベーションで来館しているので、その場での販売に適しています。
期間限定のショップは商業施設のメディアや冊子に載せてもらえることも多く、来館される方だけでなく、商業施設自体のファンのお客様に認知してもらえるといった効果もあります。
さらに、商業施設のほとんどが売上金額に応じて出店料を徴収しているので、出店前に固定費を払うリスクがないのも嬉しいポイントです。
ただし、レジの貸与は別で料金がかかったり、什器はすべて自前で用意する必要があるなど、別途費用が発生することもあります。出店時にかかる費用については、事前に確認しておきましょう。
商業施設出店の際のデメリットとしては、各種制約が多いという点があります。
出店スケジュールが館全体の年間カレンダーに左右されるのはもちろん、商品展開やVMDについても様々な指摘が入ります。
特に百貨店の催事スペースに出店する際は、店頭に立つ前の事前研修や商品表示のチェックなど、事前準備が必要になる場合もあります。
さらに、メリットとして売上金額に応じた出店料の徴収も、裏を返せばその場での販売につながる企画が必要という制約にもなります。
ショールームのように商品を見せることに注力した展開や、ECでの販売を促進するような施策はNGがでることが多く、販売可能在庫数や売場での展開イメージなど、その場で販売する力をアピールすることが重要です。
また、百貨店とショッピングセンターもそれぞれ違いが大きいため、 百貨店とショッピングセンターの違いとは?もあわせてご確認ください。
ポップアップストアの開催を検討する際は漠然と出店場所を選んでしまいがちですが、このようにメリット・デメリットを整理して、目的にあわせて開催することが重要です。
またどの出店形態を選んでも、場所の力だけに頼るのではなく、自分たちで集客する意識が必要です。
ポップアップストアを通してファンのお客様を増やすためにも、目的を意識して事業規模にあった出店形態を選びましょう!
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