公開日:2020年7月31日
更新日:2021年1月25日

開業資金について知ろう。いくら必要?どうやったら集めたらいい?

新しく事業をはじめる時に避けて通れないのが、「開業資金」の問題です。業種によって金額こそ違いますが、開業の際には物件や設備を用意するためにある程度まとまった資金が必要になるもの。そこで今回は開業を検討している方に向けて、業種別の開業資金の目安や、開業資金の調達方法をご紹介します。

◆開業資金でまず知りたいこと

具体的な開業計画を立てている方、あるいは将来的に事業をはじめる可能性があると考えている方にとって気になるのは、大きく分けて以下の2つではないでしょうか。

・自分のはじめたい事業に必要な開業資金は?

・どうやって資金を調達したらいいの?

「こんなお店を開きたい!」というイメージができあがっていても、そのために必要な開業資金がわからない……ということは珍しくありません。また金額に見当が付いたとしても、予想以上に額が多く、どのように調達すればいいのか途方に暮れてしまうケースもあるでしょう。

そのためこの記事では、業種別のおおまかな開業資金をリストアップした後に、その調達方法をいくつかご説明していきます。

◆業種別概算の開業資金ってどのくらい?

まずは業種別の開業資金概算を見てみましょう。

業種開業資金(概算)
カフェ(喫茶店)100~500万円
居酒屋500~1,000万円
美容室500~2,000万円
コンビニ300~350万円
事務所(弁護士・会計士など)100~300万円

必要最小限の準備で開業できる事務所では最低100万円、その逆に専用な什器が必要な美容室では最大2,000万円と、業種ごとに大きく金額が開いていることがわかります。これらの金額には建物を借りる時の初期費用や外装・内装の工事なども含まれているため、多額な印象を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

繰り返しになってしまいますが、上記の金額はあくまで概算です。借りる物件の立地や購入する什器の種類によって金額が大きく上下する可能性がある点には注意しておきましょう。

例えばもともと物件を所有していれば大幅に開業資金を抑えることが可能ですし、飲食店であればチェーン店のフランチャイズに加入して少ない自己資金で開業するという選択肢もあります。その場合には運営資金の中からフランチャイズ使用料を支払うことになるため、“資金の前借り”のようなものであると考えてください。

それとは逆に内装にこだわった店舗を作り上げたい、美容室に特殊な理容器具を導入したい……といった希望があれば、その分だけ必要な開業資金も増えてしまうでしょう。

以上の理由から実際に調達を検討する際には、前もって詳細な見積もりをとっておくことをおすすめします。

◆資金調達の方法を知りたい!

開業資金の概算が把握できたところで、次は調達方法について確認していきましょう。

先ほどのリストから、開業には100万円単位で資金が必要ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。それだけの資金を貯金などの自己資産だけで賄うことはあまり現実的ではないように思えます。

それでは、開業しているのはお金持ち、あるいは開業を見据えて長年貯金を続けてきた人たちだけなのでしょうか? もちろんそんなことはありません。開業資金の調達のために、他にも5つの代表的な方法が存在しているのです。

以下では自己資金を含めた6つの調達方法を、それぞれ詳しくご紹介します。

①自己資金

貯金の他に、株式資産の売却・生命保険の解約・退職金など、自信が過去に得た収入を開業資金に充てる方法です。

借金をせずに開業できるのが一番の魅力ですが、他方で、用意できる資金の額はかなり限られてしまうケースがほとんどです。

②日本政策金融公庫からの融資

以前の名称から「国金」と呼ばれることも多い、財務省所管の金融機関から融資を受ける方法です。個人でも利用可能で無担保・無保証人の「新創業融資制度」の概要を確認しておきましょう。

1.新たに事業をはじめる
2.開業予定の業種での勤務経験がある、あるいは開業によって新たな雇用を生み出す
3.開業資金の10分の1にあたる自己資金を持っている

この3つを満たしたうえで審査を通過すれば、最大で3,000万円(そのうち1,500万円は運転資金)までの融資を受けることができます。融資までのスピードも早いため、優先的に検討したい調達方法であると言えるでしょう。ネックに思える「開業資金の10分の1、自己資金を用意する」という要件も、現在働いている業種での開業であれば免除されます。

一方で申請の際に詳細な事業計画書が求められること、最大融資額は3,000万円でも実際に融資されるのは1,000万円程度であることには注意が必要です。

③民間金融機関からの融資

都市銀行・地方銀行など、民間で運営されている金融機関から融資を受ける方法です。信用金庫・信用組合といった非営利組織も民間金融機関に分類されます。

都市銀行・地方銀行と前述の日本政策金融公庫と比較すると、融資額の上限が上がるメリットがある反面、その分だけ審査が厳しいものになっています。対して相互扶助を目的とした信用金庫・信用組合であれば、多少融通の効いた融資をしてくれる可能性もあるため、状況に応じてどちらを利用するのか検討するとよいでしょう。

④地方自治体からの起業支援制度の活用

各地の自治体が地方創生のために用意している、さまざまな支援制度を活用する方法です。出身地に戻って開業する「Uターン起業」へ支援金など、返済義務がない制度も存在しています。自治体によっては支援金とあわせて、移住にかかる費用の負担や住居の補助をしてくれるケースも。

現在住んでいる地域の支援制度を確認してみるのはもちろん、支援制度を基準に開業する地域を決めるのも選択肢のひとつです。

⑤ベンチャーキャピタルからの投資

今までの融資・支援とは違い、投資ファンドである「ベンチャーキャピタル(VC)」から投資を受ける方法です。VCは将来的に上場の可能性がある企業に初期段階から投資をすることで、大きなリターンを狙うことを目的としています。そのため個人での開業というよりは、雇用を前提とした起業の際に適している調達方法です。

中にはプロモーションや人材採用の手助けをしてくれるVCもあるため、投資を受けられる可能性がある事業の場合には、積極的に検討したい方法であると言えます。

⑥クラウドファンディングの実施

最後にご紹介するのは、最近では頻繁に耳にするようになった「クラウドファンディング」を利用して開業資金を調達する方法です。

クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人が開業や商品開発を支援する仕組みです。開業に100万円が必要な場合、100人に1万円ずつ出資してもらう……と考えればわかりやすいでしょう。

クラウドファンディングは、大きく3つの形式に分類されます。開業の内容によって最適なものを選ぶとよいでしょう。

■投資型

出資の見返りに、事業で得た利益の一部を還元すると約束するもの。会社における株式に近い形式です。

■購入型

調達した資金をもとに商品開発や開業を行い、出資者に商品・サービスを提供することを前提とした形式です。例えば飲食店であれば、食事券などで出資者に対して還元を行います。

■寄付型

特に見返りを用意せず、好意による出資を募る形式です。投資型・購入型と比較すると、「地域伝統の○○専門店を開きたい!」など、共通の価値観を持った出資者からの“応援”という側面が強くなっています。

◆計画的に開業資金を調達して、無理のない開業を目指そう!

開業資金の額を考えるうえでなによりも大切な点は、「事業を成功させるために必要な資金を調達できるかどうか」です。十分な資金がない状態で開業したために設備が整えられず、結局すぐに事業が継続できなくなってしまっては、元も子もありません。

調達できる資金が限られている場合には、開業の形式を工夫して開業資金を抑えるという手もあります。例えば期間限定で出店する「ポップアップストア」であれば、店舗の賃料や什器の購入費用を大幅に削減することも可能です。

参考:突然お店が!話題のポップアップストアって?

開業する本来の目的は事務所や店舗を持つことではなく、事業の成功です。必要な開業資金の額とそれに合った調達方法をきちんと確認して、無理のない開業を目指してください。

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