若者を中心にファッションアイテムとして注目を浴びている「ショッパー」。ただの袋と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはブランドや店舗の“顔”としてマーケティングにも活用できる重要なアイテムです。
ショッパーの種類や、なぜショッパーがマーケティングに役立つのかを、具体例を交えながらご紹介します。
ショッパー(ショッパーバッグ)とはその名前の通り買い物袋のことで、主にアパレルや雑貨など、店舗で購入した商品を入れるバッグとして使われています。
レジ袋のように店舗が買い物客に対して無料で配布することが多い一方で、有名なブランドなどがそれ自体を商品として販売するケースもあるショッパー。買い物袋としての側面はもちろんファッションアイテムとしても注目されており、うまく店舗に取り入れればマーケティングの手段として活用することも可能です。
特に「ポップアップストア」など期間限定の店舗では、話題性が必要なことから、ショッパーを有効活用できるかどうかが成功の鍵になることも。ポップアップストアを出店する際には、ショッパーの作成もあわせて検討したいところです。
ショッパーにはほとんどの場合、ブランドロゴやショップの名前が入っています。そのため「どこで買い物をしたのか」「そのショッパーがどこで提供されているのか」が一目瞭然です。ショッパーをマーケティングに活用する際には、このポイントを最大限意識する必要があります。
この説明だけでは抽象的かもしれませんので、もう少し具体的に考えてみましょう。
意識すべきことは大きく分けて2点です。
ロイヤルティは英語で「Loyalty」と表記され、マーケティング用語において「愛着」「信頼」を表す言葉です。特定のブランドやショップに高いロイヤルティを抱いている顧客=ファンは、商品を繰り返し購入するだけでなく、そのブランド・ショップのショッパーを持ち歩くことで対外的に「ファンであること」をアピールしたくなるだろう……という考え方が前提になっています。
もちろん、持ち歩いてもらうためにはショッパー自体のデザインにもこだわる必要があります。顧客がブランドやショップにどれだけロイヤルティを抱いていても、ショッパーのデザインが魅力的でなければ使い続けてもらえる見込みは薄くなります。
前述のとおりショッパー自体が魅力的であれば、そこにプリントされているロゴや名前から、ブランド・ショップに対するイメージの向上にもつながります。
例えば、電車に乗っている時に素敵なバッグを持っている人を見かけたとしましょう。気になって注視してみると、バッグのロゴからとあるブランドのショッパーであることがわかりました。そんな時、あなたはどのような考えに至るでしょうか?
おそらく「この○○というブランドはどのような商品を販売しているのだろう」「この人は○○というブランドで何を購入したのだろう」と、興味が湧いてくるはずです。さらに一歩進んで、スマートフォンを使ってその場でブランドについて調べてみることもあるかもしれません。
消費者の購買行動モデルを説明した理論である「AIDMA」では、このように潜在顧客にブランドや商品などを認知してもらうことを先頭の「A」=「Attention」として、購入につながる行動の第一歩に位置づけています。
AIDMAについては以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
ショッパーを活用してのマーケティングは、売上増加が期待できるのはもちろん、「顧客の方から自発的に行動を起こしてもらえる」という部分も見逃せません。
広告を打ち出す、セール情報など宣伝メールを送る……といった企業主導の“プッシュ型”マーケティングは今でも数多くの企業で採用されていますが、押し付けがましさやステルスマーケティングへの警戒から、消費者に避けられてしまうリスクもはらんでいます。
対してショッパーを活用して顧客の行動を促す“プル型”マーケティングであれば、そういったリスクを避けながら注目を集めることが可能です。すでにさまざまなマーケティングを行っているという場合にも、追加の選択肢にショッパーを加えてみてはいかがでしょうか。
ショッパーは素材や形状によって、大きく3タイプに分類できます。それぞれの特徴をご紹介しますので、オリジナルのショッパーをつくる際の参考にしてください。
多くの場合、口が大きく開いたトートバッグのような形状をしています。手から提げることも肩に掛けることも可能で、使い勝手が良いのが特徴です。
繰り返し使うことを前提としているため、素材には紙ではなく布やポリエステルを採用するのが望ましいでしょう。次にご紹介する紙袋型よりも原価が高くなりがちであり、人気・知名度を獲得している有名なブランドが有料で販売するケースも多くみられます。
エコバッグ型のショッパーを作る場合に注目したいのは、普段使いしやすいデザインになっているかどうか。ロゴや名前をアピールすることも大切ですが、あまりに主張が激しいと「持ち歩きづらい」と思われてしまい、かえって逆効果になる恐れもあります。
紙袋に紐やリボンを通し、持ち歩けるようにしたタイプです。比較的安価で作ることができ、大きさやプリントなどをカスタマイズしやすいのが特徴。
その作りやすさから広く採用されているため、マーケティングを意識する場合には、目を引くようなキャッチーなデザインにすることがポイントです。ブランドやショップの知名度が低いのであればそれに加えて、どのような商品を扱っているのかを一目でわかるようにしておくとよいでしょう。
女性が小物を持ち運ぶためにコスメ系の小さなショッパーを使う……など、顧客がどのような場面で・どのように利用するかに注目して形状を考えるのも有効です。
ナイロン袋と聞くとスポーツ用品店をイメージしがちですが、有名セレクトショップなどでも採用されています。丈夫な作りのものが多く、紙袋型と比較した場合に再利用してもらえる可能性が高いのが特徴です。
カジュアルな見た目に仕上げることができるため、若者向けの商品を扱っているショップであれば普段使いでの利用も期待できます。デザインにこだわったうえで持ち運びやすさなどの利便性にも気を配れば、高いマーケティング効果を得られるでしょう。
上記で紹介した以外にも不織布やポリ袋、紙袋をビニールで加工したものなど、ショッパーの種類は数多く存在します。需要も多く、ショッパー自体を専売している業者もいるほどです。
同業他社のショッパーをリサーチするのも重要ですが、なによりも大切なのは顧客が「使いたくなる」ようなショッパーを作れるかどうかです。そのためには洗練されたデザインはもちろん、ブランド・ショップのイメージが正確に伝わることが必要不可欠になります。
ぜひ当記事を参考に理想的なショッパーを作り上げ、ご自身の店舗やポップアップストアのマーケティングに役立ててください。
2016年5月12日
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