公開日:2024年3月2日
更新日:2024年3月11日

実店舗のVMDを考える6つのポイント

実店舗での販売・プロモーションイベントにおいて、VMDの設計は不可欠です。本記事では、ポップアップストアの出店をしたいけど実店舗に関する知識をこれから収集したいと考えている出店希望者・出店予定者向けにVMD設計に失敗しないための6つのポイントに分けて解説します。

目次

VMDとは
VMDにおける6つのポイント
 1.良いVMDの流れを知る
 2.視線の動きをベースに考える
 3.商品特性に合った配置ボリュームを調整する
 4.商品を魅せるスペースを作る
 5.正しい陳列を知る
 6.適切な商品量を知る

VMDとは

VMDとは「Visual Merchandising(ビジュアル・マーチャンダイジング)」の略称です。
実店舗の売り場において、商品のディスプレイやレイアウトを工夫し、来店したお客様が商品を購入しやすい環境を視覚的に作り出す販売活動を指します。

VMDにおける6つのポイント

1.良いVMDの流れを知る

良いVMDは、VP(ビジュアルプレゼンテーション)、②PP(ポイントオブプレゼンテーション)、IP(アイテムプレゼンテーション)の順で店舗前の通行客にアプローチします。

VP(ビジュアルプレゼンテーション)

店前の通行客に対して、視認してもらい、関心を引き寄せることが重要です。目を引く色や装飾、セール情報、限定感のある情報の訴求などの要素を店舗内の入り口やディスプレイで表現し、入店したくなるように誘導させるのが良いVPです。

PP(ポイントオブプレゼンテーション)

VPに誘導され店舗に入店した入店客に、適切な店舗の楽しみ方、活用方法をガイダンスする手法がポイントオブプレゼンテーションです。
VPでSALE情報を打ち出しているのに、該当のSALE商品は店奥の目立たない位置にあるようだとVPの効果が半減します。
入店後に望ましい店舗滞在時間を実現するにあたり、「ディスプレイに飾ってあったコートに合うマフラー」といった適切な提案商品を配置するなどして、商品をぐるっと見てみようと思わせることが重要です。

IP(アイテムプレゼンテーション)

商品の種類やカラーバリエーション、サイズなどをわかりやすく伝えるものがアイテムプレゼンテーションです。
アイテムプレゼンテーションの設計が良ければ、VP→PP→IPの順で接客がなくとも売れるようになります。

2.視線の動きをベースに考える

商品陳列は、「上から下へ」「商品量が少ない→商品量が多い」「左から右へ」「小さい商品から大きい商品」の順で並べていきます。

上記はすべて、人の視線をベースに考えています。
視線は上から下へ、左から右へ動かすことが最も負担のない動きとなるため、視線の自然な動きにおいて目に留まるようにVMD設計していきます。

3.商品特性に合った配置ボリュームを調整する

高額商品、高級感を増したい商品は配置スペースに対して、商品数を少なくし、余白を多く見せることで高級感やラグジュアリーな商品演出が可能となります。
反対に、セール商品やお得なキャンペーン商品はまとめて多く陳列することで、お得感をアップするVMDを構成します。

4.視線より上は商品を魅せるスペースを作る

視線と同じ高さや視線より上の高さに商品設置する場合、商品を選んでもらうスペースではなく、魅せるスペースとして扱いましょう。
商品陳列を考え、商品の特性や利用イメージが伝わるPOP展示も有効です。

5.正しい陳列を知る

正しい商品陳列とは、商品の推しポイント、特徴などが一目でわかる状態を指します。
ブランドロゴは見える位置に陳列しているか、生地素材にこだわったアパレル商品であれば商品の素材感がパッと見て分かるか、ガジェットや家電商品であれば、セールスポイントの機能が確認できる陳列になっているか、自社商品にとって最適な陳列方法を考えてみましょう。

6.適切な陳列商品量を知る

実店舗はECと異なり、商品を配置するスペースが限られているため、できるだけ多くの商品を陳列したい思いに駆られます。
しかしながら、商品量の多さが売上に直結するわけではありません。
商品量が多すぎて、全体としてごちゃっと見えてしまい、入店後の買上率に悪影響を及ぼすこともあります。
同ブランド、同形状はまとめる、商品属性が異なる場合はネガティブスペースを設けて、陳列ごとの区切りを分かりやすくすることで、来店客目線では、視覚から得られる情報の処理負担が減少します。

まとめ

実店舗のVMDを考える6つのポイント、特に短期間の開催となるポップアップストアではVMDの基本を学んで出店するか否かで、売上結果や出店後の振り返りポイントも明確になる効果も期待できます。
6つのポイントを自社ブランド、商品に当てはめて実現できる部分からVMDコンセプトの設計に生かしてみてはいかがでしょうか。

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