OMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフラインの境界を取り払い、消費者にシームレスな購買体験を提供する新たなマーケティング手法です。本記事では、OMOの概念や関連用語との違い、実際の事例を交えて詳しく解説します。
1.OMOとは
2.OMOとオムニチャネルの違い
3.OMOとO2Oの違い
4.OMOを設計したポップアップストアの事例
5.まとめ
OMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフラインの融合を意味する小売戦略の概念です。この戦略は、消費者の購買行動が複雑化し、オンラインとオフラインの境界が曖昧になっている状況に対応するために生まれました。
OMOの本質は、消費者視点に立ち、オンラインとオフラインの垣根を取り払うことで、シームレスな購買体験を提供することにあります。つまり、消費者がどのチャネルを利用しても、一貫性のある良質な体験ができるよう設計することが重要です。
例えば、オンラインで商品を閲覧し、実店舗で試着をして、その場でスマートフォンから購入するといった行動パターンに対応できるようにすることなどが挙げられます。また、店舗で見た商品をオンラインで購入できたり、オンラインで注文した商品を店舗で受け取れたりすることもOMOの概念を取り入れた購買体験を提供しているといえます。
OMOを実践するためには、以下のような対応が求められます。
OMOの実践により、企業は顧客満足度の向上、売上の増加、顧客ロイヤルティの強化などのメリットを得ることができます。消費者も、より便利で快適な購買体験を享受できるようになります。
OMOとオムニチャネルは、どちらもオンラインとオフラインの融合を目指す概念ですが、その視点と重点の置き方に違いがあります。
オムニチャネルは、主に事業者目線の戦略です。この戦略では、複数の販売チャネル(実店舗、Eコマース、SNS、カタログなど)を統合し、顧客との接点を創出することに重点を置いています。オムニチャネルの主な目的は、顧客がどのチャネルを利用しても同じ情報やサービスにアクセスできるようにし、購買機会を最大化することです。
一方、OMOは消費者目線の戦略です。OMOは単にチャネルを統合するだけでなく、消費者の購買体験全体をシームレスにデザインすることを重視します。つまり、消費者がオンラインとオフラインを行き来する際の手間を減らし、より自然でストレスフリーな購買体験を提供することで、顧客満足度の向上と長期的な関係構築を目指しています。
OMOは、オムニチャネルの考え方を更に発展させ、より消費者中心のアプローチを取っているといえます。
OMOとO2O(Online to Offline)は、どちらもオンラインとオフラインの連携を目指す概念ですが、その起点と目的に違いがあります。
O2Oは、「Online to Offline」の略で、オンラインからオフラインへの誘導を主な目的としています。この戦略は、オンライン上で顧客の興味を喚起し、実店舗への来店や購買を促すことを重視しています。例えば、オンラインでクーポンを配布し、それを使って実店舗で商品を購入してもらうといった施策がO2Oの典型例です。
一方、OMOはオンラインとオフラインを融合させたシームレスな顧客体験の提供を目指しているため、送客先は実店舗でも、オンラインでも問題ありません。OMOでは、消費者が自分の購入しやすいチャネルを選んで買い物をすることができます。
OMOは、O2Oの考え方を包含しつつ、より包括的で顧客中心のアプローチを取っているといえます。
OMOの概念を取り入れたポップアップストアの事例をいくつか紹介します。
楽天ファッションは、楽天が運営するファッション通販サイトです。身長、体重などの体型に関する情報を入力するとおすすめのサイズを提案してくれる「フィット・アドバイザー機能」や着こなしをチェックできる「コーディネート機能」があります。
Speedoは、競泳用水着やスイムウェアを中心に展開する世界的なスポーツブランドです。ポップアップストアでは、実店舗数が少なく、ECでの展開がメインとなる「Speedo breath」のアイテムを手に取れる機会を提供しました。
FruOatsは、オートミールやおから、ドライフルーツなどの植物由来の素材で作られたグルテンフリークッキーを販売しています。実店舗は東京・清澄白河の1店舗のみですが、より多くの顧客とつながるため、ポップアップストアを開催しました。
OMOは、消費者の変化する購買行動に対応し、シームレスな体験を提供する重要な戦略です。オンラインとオフラインの境界を取り払い、消費者中心のアプローチを取ることで、企業は顧客満足度を高め、長期的な関係構築につなげることができます。今後、テクノロジーがますます進化する中で、より満足度の高い顧客体験を提供するOMO事例が増えていくことが期待されます。
「SHOPCOUNTER」は、ポップアップストア・催事・展示会などの出店/出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォームです。ショッピングモール、スーパーマーケット、百貨店、商店街、駅ナカ、買取催事、撮影スタジオ、展示会場など様々な商業スペースの検索・予約が可能です。
今すぐ出店スペースをお探しでない方もアカウント作成 することで、新着やおすすめスペース等のお役立ち情報を受け取ることができますので、ぜひご登録ください。
2017年2月22日
2024年4月30日
2017年2月7日
2016年12月20日
2024年8月10日
2015年12月28日
2024年4月27日
2024年9月7日
2016年5月12日
2024年6月23日
2020年2月14日
2024年4月7日
2020年3月12日
2024年4月28日
2016年1月15日
2024年7月16日