2022年11月にリリースされたChatGPTを皮切りに、Gemini、Claudeなどの生成AIが日々の生活に浸透してきました。
小売業界でもAI技術の活用が進められており、ポップアップストアにAIを導入する試みが増えています。本記事では、AIがポップアップストアにもたらす影響や実践事例、今後のトレンドを解説します。
小売業界にAI技術が導入されることにより、人員削減や顧客対応のパーソナライズ化、詳細な顧客データの蓄積・分析、施設管理の効率化など、ポジティブな影響がもたらされています。AI導入における変化はポップアップストアにおいても同様で、多くのメリットがあります。
まず挙げられるメリットとして、AIのよって店舗運営を効率化でき、ポップアップストアの出店ハードルが下がることがあります。ポップアップストア出店に伴い、スタッフを確保しなくてはならない、遠方への出店はコストが高くなる、といった懸念があります。AIにより、無人運営や効率のよい在庫管理が実現することで、人件費削減、コストパフォーマンスの向上が見込めます。
さらに、顧客体験の面でもプラスの変化が期待できます。AIによるパーソナライズされた商品レコメンドや、デジタルサイネージを通じたインタラクティブな接客により、従来の店舗では実現できなかった新しい購入体験を提供できるようになります。ポップアップストアという限定的な出店でありながらも、顧客との深い関係を構築できる可能性が高まるのです。
2023年以降に行われたポップストアへのAI活用事例を紹介します。それぞれの事例の特徴や成果から、AI活用の具体的な効果と可能性を見ていきましょう。
「HP AI ラボ in 渋谷」は、日本HPが実施した期間限定のポップアップストアです。「なりたい自分を、起動しよう。」をコンセプトに、最新のAI PCを活用してクリエイター診断や動画・音楽・イラスト生成などを体験できます。
AIアシスタントのCopilotを活用した「クリエイター診断」では、いくつかの質問に回答すると、「音楽クリエイター」「動画クリエイター」「イラストクリエイター」の中から自分のクリエイタータイプを教えてくれます。クリエイタータイプに合わせて、生成AIを使用したクリエイター体験ができるという流れです。
YouTuberのようなクリエイター職が注目されているものの、「どのように一歩を踏み出したらよいか分からない」「なんだか難しそう」と思っている方に、AI PCを使って職業体験をしてもらうことで、「自分でもできるかも!」と感じてもらえる機会を提供しています。
西日本鉄道と日立製作所のコラボにより、デジタル技術を活用したポップアップストアが開催されました。テナントの負担削減や顧客満足度を高める接客を目指したポップアップストアのプレ運用です。
AIアバターを活用した接客用サイネージでは、対話やAIカメラを用いた商品レコメンドに対応。手をかざした商品の詳細が見られる人感センサーを活用したスマート棚、オンラインで相談・手続きができるリモート接客などが導入されました。
生成AIを含むデジタル技術を生かして無人店舗が運営できるようになることで、人的コストの削減や属人化しやすい業務の代理としての機能が目指せます。また、多言語対応をはじめ、お客様一人ひとりに合わせた接客が実現できれば、顧客体験の向上も実現します。
niaulab by ZOZOは、完全予約制で超パーソナルなスタイリングを無料で体験できる施設です。応募者の中から抽選で選ばれた方が2時間以上貸切で、AIとプロのスタイリストと一緒に「似合う」を見つける体験が楽しめます。
似合うラボAIによるコーディネートは、ZOZOが運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」がもつデータと事前カウンセリングシートの回答をもとに提案されます。AIとプロ視点で選ぶことにより、普段は選ばないスタイルやブランドを知り、新たな自分を発見できるのが何よりの魅力です。
また、提案されたコーディネートを試着して、プロによるヘアメイクと撮影をしてもらえるというスペシャルな体験も特徴です。
AIの導入により、ポップアップストアにおける顧客体験がどのように向上するのか、具体的な活用方法をみていきます。
顧客体験を向上させる中核となるのが、チャットボットやAIアバターといったAI接客ツールです。AIによる接客は、人手不足の解消だけでなく、 24時間対応や多言語対応といったところまでカバーできるようになります。お客様は、いつでも対応してもらえるノンストレスな体験を得られ、店舗は、機会損失を防ぎ、顧客満足度が高められるというメリットがあります。
また、AIの学習により、属人化しがちな情報量が均一化され、最新情報へのアップデートが容易になるといった利点もあります。
AIは、顧客の購入履歴やブラウジング履歴を分析し、一人一人に最適化された商品提案を行うことができます。パーソナライズされた提案により、購買体験の向上が期待できます。
特にポップアップストアは、ネットショップがメインのビジネスが新たな顧客との接点として、商品にじかに触れられる機会として活用されることが多いため、オンラインデータとオフラインの体験をつなげることができれば、お客様に特別感を感じてもらえる接客も可能です。
また、AIカメラでお客様の性別や年齢を判断して、商品を提案できるツールもあるため、初めての方に対しても、パーソナライズされた接客を提供できます。
株式会社日立製作所のPR times より画像引用
AIによるバーチャル試着やシミュレーション体験も、新しい購入体験として注目を集めています。オンライン限定のサービスであっても、お試し体験ができることから、購買率や顧客単価の向上が見込めます。また、店舗運営の場合、在庫がなくても試してもらえるため、機会損失を防げます。
さらにバーチャルで試してから購入することで、ネット販売でありがちなサイズやイメージの違いが理由で返品されてしまうリスクを削減できる、試着や体験にかかるスタッフや商品管理のコストが減らせるといったメリットもあります。
AIによるデータ収集と分析、顧客フィードバックの活用も、AI導入による顧客体験向上の要素です。顧客の購買情報や興味関心、店舗内の行動などが蓄積されることで、店舗の商品ラインナップや店舗レイアウトを改善できます。また、より顧客のリアルな購買行動が明らかになることで、商品改善や開発にも生かすことができ、顧客満足度の向上につながります。
ポップアップストアにAIを導入することにより得られるメリットや活用事例、顧客体験向上の具体例を紹介しました。AIの活用により、顧客との新しいコミュニケーションが生まれ、顧客満足度アップにつながるだけでなく、運営側もポップアップストアを運営しやすくなります。
また、AIとIoTを組み合わせたスマートストアの展開や、省エネ運営やフードロス対策などの持続可能な店舗運営を実現する取り組みが今後も増えていくでしょう。
AIの技術の進化は、ポップアップストアの可能性をさらに広げていくことが予想されます。 無人化と効率化が進むことで、ポップアップストアがより魅力的な購買体験を提供する場となっていくでしょう。
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