公開日:2022年9月1日
更新日:2024年10月22日

キッチンカー(移動販売)の開業費用、出店場所の探し方、成功のポイントとは

 

キッチンカーとは

その場で食品の調理が可能な設備を持った移動販売車をキッチンカーと表します。他の名称として、フードトラックやケータリングカーなどと呼ばれることもあります。主に扱う商品は、からあげやカレー、ケバブ、丼物、お好み焼き、クレープなど、メインの主食からデザートまで様々です。最近は食フェスや商業施設やスーパーの路面スペース、駐車場など、出店することができる機会や場所が増えています。また、実店舗を持っている飲食店やオンライン販売をメインにしているような会社も既存店や商品の宣伝効果を目的に定期的にキッチンカーの出店をしているケースが見受けられます。

キッチンカーの開業にかかる費用例

キッチンカーの開業費用としては100万円〜350万円あたりが相場になってきます。金額に大きな幅があるのは車両の大きさや外装、キッチン設備など内容により変わることがあげられます。また、材料や容器、販促物などを揃えてキッチンカーをレンタルするといったパターンもあります。開業、購入をする前にどのくらいの売上が出るのかを試験的に知りたいのであれば、より費用を抑えてキッチンカーでの販売ができるレンタルから始めてみるのもおすすめです。

開業までに必要な準備や手順

計画の立案

キッチンカーのコンセプトやターゲット、メニュー、出店場所候補、収支計画(出店回数や1日の売り上げ目標)などを決めていきます。コンセプトを明確にして、収支計画を立てておくことで、目標に対して今何が足りないのかが具体的に把握できるようになります。

開業資金の確保

開業費用としておおよそ必要な金額はお伝えさせていただきましたが今現在、その資金が足りていない人もいることでしょう。その場合にできる開業資金確保の方法が2つあります。

1つ目は、銀行や日本政策金融公庫から融資を受ける方法です。もう1つは、移動販売のローン制度を使うことです。これは一般的に車を購入する際に利用するローンと同じになりますので、キッチンカーの購入先がローンが組める場所かどうかを確認しておくことをおすすめします。

キッチンカーの準備

次に、店舗となるキッチンカーの準備です。

購入とレンタルどちらで始めるかを決める

購入する際は、コンセプトや提供する商品に合わせて外装をどのように塗装するか、キッチン設備がすでに整っている状態のものか、それが新車か中古車かなどで値段が変わってきますので、手元にある開業資金や今後の販売計画に必要な資金などと合わせて考えていきます。

食品販売に必要な資格の取得

まず、飲食物の販売をする上で「食品営業責任者」を取得する必要があります。これは、法律で飲食店の営業や食品製造では施設毎に1名以上の配置が義務付けられており、その役割は、安全な食品を提供するため正しい知識で食品の製造・加工・調理・販売において衛生管理を行うことです。

車両保険の登録、保険の登録

自動車保険(対人・対物賠償、搭乗者・車両保険)

キッチンカーを購入する場合は、入っておく必要がある保険で、事故などの際に活用できます。購入したものではなく、レンタルであれば、レンタル会社が加入していることがほとんどのため、レンタル会社を利用する際は、保険の種類と補償内容を確認しておきましょう。

生産物賠償責任保険(PL保険)

食中毒や提供中の事故などをカバーする保険です。これは、下記のようなことが原因となり、他人にケガをさせてしまったり(対人事故)、他人の物を壊したり(対物事故)したために、被保険者(保険の補償を受けることができる方)が法律上、損害賠償責任を負担された場合に被る損害に対して活用できます。

適用される原因例

1.製造・販売した製品や商品(生産物)
2.仕事の終了後、行った仕事の結果

営業許可の取得

キッチンカーでの飲食物の販売には、保健所から営業許可を得る必要があります。営業許可には、「食品営業自動車」と「食品移動自動車」の2種類があり、提供するメニューに応じてそれぞれ営業許可を申請する必要があります。

販売場所の確保

キッチンカーの売上の構成要素としてメニューや価格と同じくらい重要な出店場所。ターゲットによって、最適な場所自体が変わるため、自分たちの商品や価格と離れているものであれば、その場所の管理者の方から、売れた場所と聞いても思ったよりも売れなかったというケースも少なくはないことでしょう。また、0からキッチンカーを始める人にとっては、場所を探すのも一苦労するような仕事になりかねません。

短期出店のための場所探しのプラットフォーム、SHOPCOUNTERでは、キッチンカーの出店が可能なスペースをこちらにまとめておりますので出店場所をお探しの際はご参考ください。

キッチンカー開業のメリット・デメリット

メリット

初期費用やランニングコストが常設店舗の開業と比べて大きくコストカットできる
固定店舗を持って開業する場合、敷金や厨房設備、内装、外装などで約1,000万円ほどとも言われます。その点、キッチンカーであれば、敷金がいらないだけでなく、厨房設備や外装費用などを大幅に抑えることが可能です。また、オンライン販売とキッチンカーで認知してくれている人を増やし、ファンが多い状態で常設店舗を構えるといった戦略も取ることができます。

毎月の固定費の削減ができる
自宅に駐車場がない場合は駐車場代がかかりますが店舗の家賃と比べたら大きな差があります。毎月の固定費を削減することでリスクを抑えた運営が可能です。また、人件費に関しても、キッチンカーの中で作業をするのがメインのため、1~2名で運営をすることから、固定費の削減が可能です。

出店場所を比較的自由に選べる
トラフィックのあるエリアに出店できるかどうか、周りに強力な競合がいないか、視認性のある場所かどうかこのような点で売上は大きく変わります。キッチンカーであれば、場所との相性が悪ければ、自分たちに合った場所に移動することができます。

場所や曜日に応じてメニューや価格を変えることができる
出店する場所によって、30代の男性が多かったり、20代の女性が多い場所だったりと変わってきます。もちろん、都心への出店と郊外への出店とで販売価格も適正なものにした方が売れ行きは安定することだと思います。そのため、トレンドを取り入れたテストマーケなども行いやすくメニューの変更に対応しやすいのもポイントです。

デメリット

出店場所を確保する手間が大きい
移動販売の重要な要素とお伝えしてきた”出店場所”ですが、人がたくさん集まって、たくさん売れる見込みがあるような出店場所は、出店費用が高騰したり、出店審査のハードルが高い傾向にあります。そのため、複数の場所へ並行して審査を出して、審査に通ったものの中から日程の都合をつけて出店場所を確保していくことがおすすめです。

その際に、自身で出店場所を探し、1つ1つ営業をしていくことは、出店先に応じて申込書や支払い書のフォーマットが違うこともあり、管理が煩雑になってしまい場所を確保し続けることの手間がとても大きなものになっています。

SHOPCOUNTER掲載されている場所への出店であれば、支払いの管理などもまとめることができるため、気になるスペースがありましたら是非、ご利用ください。

保健所の許可を自治体ごとに取る必要がある
キッチンカーの営業に必要な『食品営業自動車』の営業許可は、各自治体の保健所で取得する必要があり、その際に自治体ごとに許可申請のための費用がかかります。もし、自分たちのよく売れる場所を探すために複数の自治体を巡った出店をする予定であれば、漏れがないようにスケジュールを管理していくことに気をつけてください。

天候や気温の影響を受けやすい
キッチンカーは主に屋外での販売になるため、真夏や真冬などでの販売は出店者の方への大きな負担になって来ます。それ以外にも雨や雪などの天候による人通りの減少や夏の食中毒のリスクなどがあり、その時々で対応しなければならない点がとても多くあります。

認知をしてもらうことが大変
固定の住所を持たないキッチンカーは、グルメポータルサイトに登録することができないため、WEB検索からの集客はあまり強くありません。そのため、SNSでの情報発信はもちろん、リピーター獲得のためにその情報をしっかりと受け取ってもらえるように購入してもらった際にSNSのフォローを促すことが重要になってきます。

成功するためのポイント

1.視認性の高いキッチンカー作りや看板の設置をしている

キッチンカーがよく掲げている、商品の写真が載った大型のメニューは「タペストリー」や「横断幕」と言います。遠くからでも何が売っているのかを認識できる状態をにしておくことで、注意を引くといったものです。目立つ看板のデザインなどはフェスで人気のあったキッチンカーなどをSNS上で検索して参考にするのがおすすめです。

2.スムーズな商品提供をしている

常設店のように席数の上限がない代わりにスムーズな商品提供ができないとあっという間に行列ができてしまいます。数人程度であれば賑わいとしていい効果を生みますが行列までなると外に並びながら待つことになるため、購入を諦める方も出てくる可能性があります。特に、夏場や冬場など外にいる時間を極力減らしたい時期は顕著にその傾向が見受けられます。

3.利益率の高いメニューで売上を作る

どれだけ売上が出ても利益率が低いメニューだと手元に残るお金が少なく、天候の影響などで赤字の日にちなどが出来るとそれを補填するためにも大変になってきます。キッチンカーでメニューを考える際は、誰もがイメージしやすく手に取りやすい商品で減価率を30%以下に抑えることを意識したメニューづくりを心がけましょう。

4.自分たちに適した出店場所を見つける

自分たちに適した場所を見つけるために複数の場所への出店を検討するのは、もちろん重要なのですが、経済条件も気にする必要があります。特に注意するべき点は出店料です。商業施設やスーパーであれば来館者数が多ければ、当然売上も上がっていきます。しかしその分、出店料が高くなったり、売上歩率が高く設定されている可能性もあります。SHOPCOUNTERであればキッチンカーが出店可能な場所を紹介していますので、一度検索されてみてください。

まとめ

以上がキッチンカー(移動販売)の開業費用や成功のポイントです。キッチンカーでの販売は、費用を抑えるためにキッチンカーをレンタル利用し、売れるメニューや場所の目処が立ってから始めたり、常設店舗やオンラインショップの宣伝やファン作りも兼ねて出店したりとさまざまな形で利用することができます。開業をして場所探しでお困りの際は是非1度、SHOPCOUNTERをご利用ください!

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