公開日:2024年4月17日
更新日:2024年6月5日

路面店スペースの出店メリットと活用事例【2024年最新】

近年、都心部を中心に路面店の需要が高まっています。路面店は店前通行量と視認性の高さから絶好のロケーション要素を持ち、飲食店やファッション、雑貨など、様々なジャンルの小売事業者がこぞって路面店出店を検討しています。本記事では、路面店の出店メリット、デメリット、注目を集める活用事例を2024年最新の動向とともに紹介します。


記事のポイント

1.路面店は店前通行量と視認性の高さが最大の魅力
2.運営の自由度は高いが、集客は自己責任
3.2024年はファッション・アパレル~フードまで様々な路面店ポップアップストアが登場中


目次

路面店とは?
路面店のタイプ
路面店の出店メリット

路面店の出店デメリット
路面店でおすすめの商材、開催形式
まとめ

路面店とは?

「路面店」は、店舗が道路に面して設置されているスペースをことを指します。商業地区やビジネス地区に位置していることが一般的です。

店前通行量、視認性の高さは実店舗運営において重要な要素であるため、コンビニエンスストア、ラーメン店やファストフード店といった低単価で高回転が求められる飲食・フードの小売店、商品ディスプレイによる世界観の演出を仕掛けるラグジュアリーブランドの直営店舗、サンプリングで呼び込みを図る生活必需品を扱うドラッグストアや専門小売店は、ショッピングセンターや百貨店を除くほとんどの場合、路面店舗に出店します。

路面店のタイプ

視認性の高さと店前通行量の多さが魅力

店舗独立型(10㎡~30㎡)

路面店舗としてスペースが独立しているタイプです。
イベント利用をターゲットにしたレンタルスペース運用をしているケースと長期利用が決まっておらず、期間限定で短期利用も受け入れているケースに大別されます。

駅付近の通行量の多い一等地、住宅街内、商店街の空き店舗などスペース自体はエリアに点在しています。

東京23区内における店舗独立型の路面店スペースは、広さに関してはコンパクトな場合が多く、10㎡~30㎡ほどで貸出価格は30,000円~50,000円ほどです。

最短1日から貸出可能なスペースもあり、常設店舗出店に向けたエリアマーケティング、アドホックなイベントのプロモーションに適しています。

ロードサイド型(50㎡~)

郊外のホームセンターや飲食店に多くみられるロードサイド型

店舗が独立しているタイプで、幹線道路に面して配置されているスペースを「ロードサイド型」といいます。

自動車が多く通る幹線道路沿いにあるため、近くの道路を車両で運転している人々への視認性の高さ、駐車場を完備している点が特徴として挙げられます。

また、ほとんどが郊外に立地しているため、都心部のスペースと比べて賃料がリーズナブルになっています。

ロードサイド型店舗は、既存店が店内の一部をイベント利用をターゲットにしたレンタルスペース運用をしているケースと、長期利用が決まっておらず、短期利用を受け入れているケースに大別されます。

広さに関しては、店内の一部を貸出するinshop形式では10㎡以内、店舗ごとの貸出であれば50㎡以上の規模で貸出されているケースが多く、価格はinshop形式 10,000円~20,000円、店舗ごと30,000円~50,000円ほどです。

最短1日から貸出可能なスペースもありますが、常設店舗出店に向けたエリアマーケティングや広さを擁するチームラボプラネッツのようなインタラクティブなイベント空間、マルシェやハンドメイドマーケット、家具のファミリーセールといった車両での運搬を必要とする商品の合同出店の会場として有用です。

商業施設付き路面店(30㎡~50㎡)

表参道ヒルズ付きの路面店

通行量の多い道路に対して、路面店型のスペースを設置している商業施設も存在します。

都心部であらば、表参道や銀座といったショッピングストリート内にそびえたつ表参道ヒルズ、六本木ヒルズ、麻布台ヒルズ、GINZA SIXや松屋銀座といった百貨店の路面と接する部分にはラグジュアリーブランドのショップが立ち並びます。

商業施設付き路面店のスペースは通行量の多さと視認性の高さが非常に優れているため、短期レンタルを募集しているケースは珍しいです。

また、人気スペースであるため、価格も500,000円~と高額であるケースがほとんどでしょう。

予算を準備できる周年イベントやプロモーションイベントのスペースとしては、最適に近いすぺーすといえます。

路面店の出店メリット

1.通行量の多さと視認性の高さ

通行量の多い出店スペースとしては、駅ナカ、ショッピングセンターや百貨店、ファッションビルを含めた商業施設が挙げられますが、路面店スペースは立地と通行量の多さ、通行量を構成する通行客属性と商材の相性によっては、駅や商業施設を凌ぐ集客パフォーマンスも可能です。

特に、都心部のショッピングストリートは土日祝日、駅前や駅と住宅地をつなぐ商店街内の路面店は朝と夜の通勤・通学のピークタイムにおいて一定の通行量を見込めます。

また、インバウンド需要の高いエリアも特定のターゲットに絞った出店スペースとしては路面店スペースは有効です。

2.店舗運営の自由度が高い

ショッピングセンターや百貨店などの商業施設は、通行量の多さや商業施設が集客販促を実施してくれるメリットがある反面、施設の共通ルールに準じて店舗運営をする義務が生じます。

営業時間をはじめ、施設のルールに沿ったセール期間やディスプレイの陳列ルール、店舗照明の設定、カラーリングなど、様々な制約が発生します。

また、商業施設内では多くの店舗が営業しているため、施設内の競争も発生します。

上記に対して、路面店スペースは商業施設付きを除き、運営ルールに関しては細かい規定は少なく、最低限のルールのみ順守すれば自由度の高い出店が可能です。

3.売上をそのまま回収可能

多くの商業施設では、出店店舗に対して「預り金による清算」を採用しています。

出店者は現金預かり機に毎日の売上分を入金、商業施設側の取り分(賃料や販促協力費)を除いた金額が月2回、指定の口座に振り込まれるケースが多いです。

上記方式の場合、手元に売上金が戻ってくるのはおおよそ1か月後となり、先に広告費や原料費が支払いとなる業種にとっては、キャッシュフローの違いが思わぬボトルネックとなることもあります。

その点、路面店スペースは売上管理も出店者による自己管理である場合がほとんどであるため、キャッシュフローの差分が生じない運営が可能です。

路面店の出店デメリット

1.立地によっては賃料が高額

路面店スペースは、不動産管理会社が地権者からスペースを長期で借りて、イベントスペースとして貸し出しているケースがほとんどです。

そのため、地価の高い都心部にいけばいくほど、家賃自体は高額となります。

しかし、SHOPCOUNTERに掲載されているポップアップストア向けのスペースは、最短1日あたりからレンタルが可能、保証金をはじめとした初期費用(イニシャルコスト)が不要な場合が多いため、期間の設定を工夫することで予算内でレンタルできる可能性は十分に考えられます。

2.集客はすべて自前

店前通行量の多さは前提としたうえで、イベントの事前告知や期間中の集客含め、自社ですべて企画・実施していく必要があります。

貴金属買取や携帯電話の乗り換えイベントであれば、近隣へのポスティング、インフルエンサーのファンイベントやD2Cブランドの展示販売会イベントはSNSでの事前告知を1か月前から段階的に実施するなど、集客に対する対応も考慮しておきましょう。

3.設備や什器、内装の不足

路面店スペースは電気、空調、トイレといった最低限の設備以外は持ち込み形式である点も注意が必要です。

スケルトン渡しのケースもあるため、事前の内覧で店舗のスペックを確認しておく必要があります。

前店舗の居抜きで活用できる、貸出什器が充実している路面店スペースも存在はしているため、什器の持ち合わせがない場合は、居抜きスペースや什器貸出アリのスペースを優先して問い合わせましょう。

路面店でおすすめの商材、開催形式

体験型PRイベント

価格に対する理由付けや納得感の醸成が必要な商品やサービスの開催形式として「体験型店舗」は有効ですが、実施スペースとしてアクセス利便性の高い路面店スペースは相性抜群です。

2024年3月に開催されたFendi(フェンディ)によるポップアップストア「フェンディ セレリア」は渋谷・宇田川町の路面店スペースで実施されています。

フェンディが擁するメゾンのレザー職人によるアイコンバッグの製作工程をイタリア・トスカーナ州のカパヌッチアにある「フェンディファクトリー」の職人が直接披露、対象のキットを事前購入すれば職人技を体験できるワークショップの開催、フェンディジャパンのメンズブランドアンバサダーを務める目黒蓮さん出演の特設ムービーといったコンテンツを揃え、渋谷という立地も踏まえてZ世代を中心とした若年層への認知訴求を目的としていることが伺えます。

Fendiによる体験型ポップアップストア

ブランドローンチ・日本初出店お披露目イベント

手掛けたブランドのローンチや日本初出店ブランドのお披露目といったタイミングにおいて、ディスプレイの自由度が高い路面店スペースを活用した事例は多く見かけます。

韓国の人気バーガー&チキンブランド「マムズタッチ」は、2024年4月16日(火)から渋谷のマクドナルド店跡地に日本初の常設店をオープンします。

マムズタッチは、2023年10月に約3週間の日本初上陸と称したポップアップストアを同じ渋谷エリアの路面店スペースで開催しており、エリアマーケティングと認知拡大を経て、今回の常設出店に至っています。

アーティストグッズやファッション・アパレルのSS/AW受注販売会

従来のSS/AWにまつわるポップアップ利用といえば、ファッションショーの開催時期に合わせ、卸のバイヤー向けにクローズドな空間で展示会形式でした。

しかし、最近はサプライチェーンマネジメント(SCM)戦略の高度化やD2Cブランドの台頭もあり、自社SNSのフォロワー向けにSS/AWの商品が店頭に並ぶ時期を見込んで、期間限定のポップアップストアを開催するケースも見受けられます。

日韓で活躍する5人組ガールズグループ「LE SSERAFIM (ルセラフィム)」のポップアップストア『LE SSERAFIM 2024 S/S POP UP』は、東京・渋谷にて2024年2月16日〜3月3日まで路面店スペースでSS向けの期間限定出店を実施しています。

日本と韓国で同時開催されたポップアップストアは、2024年2月19日にリリースされる3rd Mini Album’EASY’の発売を記念しており、店内は、3rd Mini Album’EASY’のアルバムジャケットの世界感で構成されています。

商業施設では、セールおよび商品展開時期も横並びでタイミング設定されている先もあるため、運営自由度の高い路面店スペースは、世界感の醸成+商品販売を実現する空間として有効です。

LE SSERAFIM ポップアップストア外観 

まとめ

路面店は商業施設と比較して、事前集客の企画・実行の工夫が求められるものの、店前通行量、視認性の高さ、運営の自由度などを踏まえると、隠れた優良ポップアップストア出店スペースといえます。

商業施設の出店を繰り返しているが、路面店スペースでの出店に関心がある、外装・内装をフルカスタマイズした実店舗企画を策定している商品・サービスがある出店者さまは、ぜひ1度SHOPCOUNTERにて路面店のイベントスペースをご覧ください。

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