キッチンカーは、街中やオフィス、フェスなどのイベントで見かけたことがある方も多いでしょう。新規事業を始める際にもうってつけのキッチンカーは、移動販売とは何が違うのでしょうか。
本記事ではキッチンカーの基本情報とともに移動販売との違い、キッチンカーと移動販売におけるそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
キッチンカーとは？
移動販売とは？
キッチンカーと移動販売の違い
キッチンカー活用のメリット・デメリット
キッチンカーとは食品を調理する設備を備えた移動販売車両を指します。車内にはキッチンがあり、注文後に調理や盛り付けなどを行い、料理を提供します。
キッチンカーの強みは、その場で調理した料理を提供できること。他の場所で調理した料理を販売するのではなく、出来立ての料理を楽しんでもらえる点が魅力です。
キッチンカーは昨今イベントやフェスで見られる唐揚げやお弁当などのグルメを提供する車だけでなく、広義の意味では古くからあるラーメンやおでんの屋台も該当します。
さまざまな食事を提供するキッチンカーですが、提供する料理はこだわりのものやお洒落なものという印象を持たれる方が多いです。
移動販売とは、移動しつつ商品の販売を行うことを指します。車を利用して行う移動販売はイベントやお祭りだけでなく、中には買い物が難しい高齢者が多い地域などに出向いて販売を行う事業者もいます。
移動販売で使われるのは、軽トラックや軽バン。取り扱う商品は多岐にわたり、食品だけでなく雑貨や古着、生活必需品、花なども販売しています。
販売方法は主に2通り。1つは焼き芋のように各地を巡回しながら販売するパターンで、もう1つは屋台のようにある程度停車して販売を行うパターンがあります。
株式会社 魚初「同じようで違う？！「移動販売車」と「キッチンカー」の違いについて」
キッチンカーと移動販売の違いは、キッチンカーは食品に特化しており、移動販売は食品だけでなく扱う商品が多岐に渡る点にあります。
| ＜移動販売で扱うものの例＞ ・調理済みの食品 ・生活必需品 ・アパレル・アクセサリー ・雑貨 |
キッチンカーはいわば移動販売の一種。そして移動販売の中でも、食品を調理する設備を車内に備えた車両を指しています。
移動販売は扱う品物が食べ物以外も含まれますが、キッチンカーが扱うのは車内の設備を利用しその場で作った料理に限られているのが違いです。
移動販売とキッチンカーは営業するうえで必要となる資格や許可は同じなものの、食品を扱うため営業地域を管轄している保健所の許可や、調理設備が適切か審査を受けなくてはなりません。別の場所で作った調理済みの食品を移動販売するよりも、手続きや手間がかかるのがキッチンカーです。
移動販売の設備は扱う商品ごとに変わりますが、商品を並べる什器が最低限必要となります。
キッチンカーの場合は、下記のような設備が必要です。
| ・シンク ・給水タンクと排水タンク ・照明設備 ・換気扇 ・備品を収納するスペース ・冷蔵設備 ・蓋の付いた廃棄物容器 ・電源装置 |
移動販売は扱う商品ごとに必要なアイテムが異なり、アパレルや雑貨などであれば最小限の設備でも営業が可能。反対にキッチンカーは車内に調理設備をはじめ、各種設備を揃えることが必須です。
参考
会社設立プロ「移動販売で起業する際のメリット・デメリット、注意点について解説」
参考：キッチンカー販売 T・RA「キッチンカー・移動販売車で必要な設備」
キッチンカーは店舗よりも初期費用が抑えられて出店できるのがメリット。固定の店舗なら厨房設備や内装、食材費、家賃、人件費などが必要となり、およそ500〜1,000万円かかります。
キッチンカーの場合は車両の購入費に100〜200万円ほど、さらに運転資金があればスタートが可能。固定の店舗では必要となる店舗代や土地代が掛からないため、初期費用を抑えられるのが強みです。
キッチンカーは曜日やイベント、季節などに合わせてお客様が集まる場所に移動して営業できるのがメリットです。なぜならキッチンカーは出店する場所を自由に決められるため、売り上げが見込めなければ場所を移動する・良い場所を見付けたら移動して営業するなど、気軽に出店先を変えられます。
固定の店舗と異なり、立地に関するリスク（店舗のあるビルが立て替えられる、人の流れが変わってしまったなど）を避けられるのもキッチンカーの利点といえるでしょう。
既存店舗を保有・運営している場合、キッチンカーは新商品の試験販売や、認知度向上のためにも利用できるのがメリットです。
モスバーガーは2022年にキッチンカー「MOS50（モスフィフティ）」の営業を開始。
販売しているバーガーの価格は通常の店舗商品と比較して高価格ながら、実験的に販売、販売を通じて自社店舗の進出していないエリアでのブランドの認知度向上を図っています
はじめてのキッチンカー「【実例紹介】地域再生・町おこしにキッチンカーが活躍しています！」
木村容器株式会社「キッチンカーってなに？！ 移動販売車となにがどう違うの？！」
FUJI CARS JAPAN「キッチンカーとは？移動販売車・屋台との違いを解説」
キッチンカーは自由に出店先を探せますが、良い出店場所を見つける難しさというデメリットがあります。買い物客が集まる場所はすでに他のキッチンカーが出店しているケースが多く、特に初期は出店場所を確保するだけでも大変な思いをする事業者もいます。
SHOPCOUNTERではキッチンカー専用の募集掲示板があり、SHOPCOUNTER経由でしか出店できないスペースや新規スペースの情報が更新されています。
キッチンカーは各エリアを移動して営業できるのがメリットですが、営業許可に関しては基本的には許可が出た保健所の管轄内のみ有効となります。地域をまたぎ、管轄が変わる場合は各保健所で営業許可を取得しなくてはなりません。
東京都は1つの営業許可書でどこでも営業できますが、地域によっては各市区町村で営業許可が必要となります。出店先の営業許可について、事前に調べておきましょう。
キッチンカーは車両の形状により調理設備のレイアウトが決まってくるため、レイアウトの変更はほぼできないものです。レイアウトは作業効率に直結するため、事前にどのような作業導線になるのかきちんとイメージを固めてから、キッチンカーを購入しましょう。
FUJI CARS JAPAN「キッチンカーとは？移動販売車・屋台との違いを解説」
花王プロフェッショナルサービス「キッチンカー開業のメリット・デメリット/成功のポイント」
車で販売を行う移動販売は初期費用が車のみのため、費用が抑えられます。
店舗の場合は土地代や内装、外装などさまざまな費用が掛かるもの。店舗で必要な費用が移動販売なら掛からず、費用を抑えて出店ができるのが移動販売のメリットです。
キッチンカーと同じく、移動販売は販売場所を日ごとに自由に変更できます。
移動販売なら集客が見込める場所へ移動する、曜日やターゲットに合わせて商品を変えるなど柔軟な営業ができる点も強みです。
店舗内の移動範囲が限定的な移動販売は、1人営業や少人数でのオペレーション構築によるスムーズな作業や接客が求められますが、少人数であるため、人件費は見込みを立てやすいのも費用計算面においてはメリットです。
移動販売は原料、器具、販促グッズといった必須アイテムの格納スペースが限定的である点は悩みの種です。販促グッズを準備することで、来店客の増加を見込めますが、大盛況で売上が見込めそうな時に販促グッズを保管するスペースの犠牲となった材料や原料、商品が不足し、機会ロスに陥ってしまうケースも見受けられます。
移動販売は基本、屋外で営業するため、客足は天気に左右されるのがデメリットです。晴れの日はお客様が多くても、雨の日や雪の日は客足が遠のいてしまいます。
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キッチンカーは移動販売の一種ですが、共通部分や決定的に違う部分があります。共通しているのは出店場所や商品を自由に変えることができ、売り上げアップを図れることです。販売したい商品や目的に合わせて、キッチンカーや移動販売の利用をご検討ください。
「SHOPCOUNTER」は、ポップアップストア・催事・展示会などの出店／出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォームです。ショッピングモール、スーパーマーケット、百貨店、商店街、駅ナカ、オフィスビル、撮影スタジオ、展示会場など様々な商業スペースの検索・予約が可能です。
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