自分で作った商品を販売するとき、見落としがちなのが「品質表示」です。品質表示の内容に不備があると、最悪の場合販売中止になってしまうこともあります。自信を持って商品を販売するためにも知っておきたい、品質表示の基本をまとめました。
普段なにげなく目にしている、商品の品質表示を正しく理解していますか?
いざ自分で作った商品を販売する側になったとき、見落としがちなのが商品の品質表示です。「この商品は品質表示が必要なのか?」「品質表示になにを記載すればいいのか?」など、わからないことだらけの方も多いのではないでしょうか。しかし、一般消費者の安全・安心への関心は日々高まっていることもあり、商品を販売する場合には品質表示の知識が今後ますます必要になっていきます。
そこで、この記事では、自分で作った商品を販売する人を対象に、品質表示のキホンをわかりやすく解説します。
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品質表示(家庭用品品質表示法に基づく表示)にまつわる規則は、家庭用品品質表示法で規定されています。
家庭用品品質表示法は、消費者が製品の品質を正しく認識し、購入する際に損害を被ることがないよう、事業者に対して家庭用品の品質に関する表示を適正に行うことを目的に昭和37年に制定された法律です。対象範囲は衣料品から家電製品、生活雑貨まで多岐にわたり、一般消費者向けに商品を販売する際には原則として品質表示の義務が課せられるといっても過言ではありません。(※1)
また、家庭用品品質表示法は輸入品も対象となるため、輸入雑貨を個人で販売している方も注意が必要になります。
家庭用品品質表示法は対象範囲が幅広いため商品特性によって細かく表示項目や形式が定められていますが、大きく下記の4つに分けられます。
まずはそれぞれの「表示の手引き」を読み、素材を表す指定用語や定義を確認しましょう。
(※1)…食品に関しては”食品表示法“という別の法律の対象範囲となります。詳細は消費者庁のWebサイトでご確認ください。
家庭用品品質表示法に沿った表示がなされていない場合は誰でも消費者庁に申し立てをすることができ、行政指導が入ることがあります。
また、行政指導後にも改善が見られない場合には、販売停止措置がとられることもあります。
これらを防ぐためにも、まずは品質表示について正しく理解し、適切な品質表示を行う必要があります。
百貨店やショッピングセンターなどの商業施設へ出店する際には、正しく品質表示されているかどうかが出店先の商業施設から必ずチェックが入ります。
そのため将来的に商業施設での販売を考えている場合には、事前に家庭用品品質表示法を正しく理解し、早めの品質表示の準備をおすすめします。
ひとくちに品質表示といっても、表示する内容は商品特性によってすべて異なります。また、表示すべき項目や用語はすべて家庭用品品質表示法にて細かく定められているため、商品ごとに表示内容の確認を行うようにしましょう。
例えば衣料品である”スカート”は、下記の3点を記載する必要があります。
【表示例】
▲品質表示タグ例 出典:消費者庁HP
なお繊維製品の品質表示は下げ札でも取付ラベルでもよいものの、見やすい箇所にわかりやすく表示すること、とされています。
しかし特に家庭洗濯等取扱い方法については、簡単に取れない方法で表示することが望ましいとされており、縫い付ける方法が一般的です。
お皿やキッチンツールなどの雑貨は”食事用、食卓用又は台所用の器具”に分類されます。このケースにおける必須の記載事項は下記の3点です。
それ以外にもまな板や台所用容器(タッパーなど)は容量、寸法なども別途表記する必要があります。
【表示例】
▲品質表示タグ例 出典:消費者庁HP
品質表示は見える場所に表示すればよいとされていますが、取扱い上の注意は本体印刷や刻印、ラベルの貼り付けなど簡単に離れない方法で製品自体に表示させる必要があります。
このように基本的には原材料と使用方法、表示者名の付記が基本ですが、商品によってはサイズや用途を明記しなければなりません。
商品の原材料や成分がわからない場合は、製品テストのための第三者機関を活用することをおすすめします。
百貨店をはじめとする小売店で自社の商品を取り扱ってもらう場合、取引前に製品の原材料や成分表示が正しくなされているか、第三者機関がテストした結果の提出を求められる場合があります。
このテストでは原材料の名称や混合率だけではなく、摩擦や耐久性、撥水性などの特徴も項目別に評価されます。
それぞれの百貨店や小売店ではテストの各項目ごとに基準値を設けており、基準を下回る商品であれば扱ってもらうことはできません。
テスト対象の商品や検査項目にもよりますが、おおむね3,000〜5,000円程度で製品テストを受けることができます。
正しい品質表示のためだけではなく、自社の製品の品質をチェックするためにも、製品テストを一度受けてみることをおすすめします。
国民生活センターのWebサイト上で、製品ごとに商品テストの実施機関が一覧も紹介されていますので確認しておきましょう。
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このように品質表示にはさまざまなルールがあり、それらを適切に守っていく必要があります。
細かく定められた品質表示に関するルールを正確に把握し、遵守していくことは、骨が折れることのように感じられるかもしれません。
しかし、一般消費者の安全・安心のためには必要不可欠な情報であり、適切な品質表示を行うこと自体が自社の製品の質を担保することにもつながります。
正しい知識をもって品質表示を行い、より安全・安心な商品を提供していきましょう。
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