ここ数年で、従来の店舗の枠にとらわれない、新しいスタイルの出店が注目を集めています。この記事では、移動型店舗を集めて開催されたマーケットイベントを通して、これからの「移動販売」の可能性について探ります。
ポップアップストアやファッショントラックなど、従来の店舗の枠にとらわれない出店方法が増えてきました。
そこで今回は、BETTARA STANDで開催されたマーケットイベント「もしもお店が動いたら。もしもお家が動くなら。 〜場所にとらわれないライフスタイルが日本橋に集合〜」を通して、これからの「移動販売」の可能性について探ります。
今回は、BETTARA STANDのマネージャーである熊谷さんと、今回のイベントを企画した鈴木ゆきこさんにお話を伺いました。
―今回、「移動販売」をテーマにイベントを開催しようと思ったきっかけを教えてください。
ゆきこさん:今回協賛のblue studioの「b-Caravan」をより多くの人に知ってほしいという思ったことがきっかけです。
b-Caravanは、中古キャンピングカーをリノベーションした自走式オフィスなのですが、自分だけの趣味の部屋や子供部屋など、その人らしい空間をどこでも再現して楽しむことができます。
そんなb-Caravanの取り組み以外にも、たくさんの魅力的な移動販売を行っているお店があり、それらを集めてイベントにしたらみんなが楽しめるのではないかと思い、今回のイベントを企画しました。
熊谷さん:BETTARA STANDとしても、母体であるYADOKARIが新しい住まいのかたちとして移動式住居を提案しているということもあり、親和性を感じました。
移動式住居も非常に反応がよく、店舗も今後は移動式のものが注目されると感じています。
―出店者は、どのように集められたのでしょうか?
ゆきこさん:今回は、マーケットイベントとして楽しんでいただくだけでなく、自分でも移動式店舗をやってみたいという方にアプローチしたいと考えていました。
そこで、移動販売にも様々な種類があることを知ってもらうため、車や自転車、人力、トランクなど出店形態の異なるお店を集めました。
実際に、DIYの方法や出店場所の探し方を質問するシーンもあり、足を運んでくださった方の扉が開くきっかけにつながったかなと感じています。
―イベントへの集客で気をつけていることはありますか?
熊谷さん:一番気をつけているのは、外部へ発信する画像とタイトルの付け方ですね。
どんなに中身がよくても、興味をひく画像とタイトルでなければ、まず見てもらうことができません。
特に私たちの場合は、未来を提示するようなタイトルをつけることを意識しています。
また、イベント概要にストーリーを載せることも大切にしています。
なぜこのイベントを開催しようと思ったのか、企画者の思いや、登壇者の取り組みとその背景について丁寧に説明し、興味をもっていただけるように工夫しています。
そうした点を意識したところ、今回のFacebookのイベントページは、リーチ数や「参加予定」数ともに過去最高となりました。
―お客様や出店者からの反応はいかがでしたか?
ゆきこさん:これまでBETTARA STANDで開催したイベントの中でも、来場者数、客層の幅広さは今までにないもので、ニーズの高さを感じました。
家族連れやカップルでの来場も多く、それぞれ思い思いのかたちでイベントを楽しんでいただけたようで、企画者としても嬉しく感じています。
人気の高かったお店は、他のイベントよりも反響があったとのことで、興味関心のあったお客様が足を運んでくださったのかなと思います。
熊谷さん:マーケットと同時に開催した、トークイベントも好評でした。
移動式店舗を自分でもやってみたい、そのきっかけがほしいというニーズの大きさを感じています。
もともとBETTARA STANDにいらっしゃるお客様は社会問題に関心があったり、新しい働き方や暮らし方に興味があるなど、感度の高い方が多いのですが、今回のイベントは特に反響が大きかったですね。
今回のイベントをきっかけに「移動式販売をはじめました!」という方がでてきてくれたら嬉しいですね。
―今後も、「移動販売」を切り口にしたイベントは開催されていく予定ですか?
熊谷さん:はじめて「移動販売」をテーマにイベントを開催しましたが、お客様からの反応もよく、今後も継続的に開催していきたいと考えています。
今回はマーケットの開催時間中にトークイベントも開催しました。
トークイベント自体は好評だったのですが、出店者がゲストとしてお店を離れることになり、トークイベント中は売り上げが立たなかったり、お客様が並んだ場合ゆっくりお話いただけなかったりと課題も見つかりました。
次回は時間の構成を工夫したいですね。
マーケットが終わった後にトークイベントを開催して、その後に各出店者と個別に話していただける懇親会の時間を設けるなど、人と人とがつながる場づくりを意識したいと考えています。
BETTARA STANDは「はじまりの場所」をコンセプトに掲げており、興味はあるけれど一歩を踏み出せない人と、実際にやっている人をつなげることで、コミュニティづくりに力をいれています。
そうしたコミュニティ同士が刺激しあい、新しいものが生まれる場として、これからもBETTARA STANDを育てていきたいと思います。
ここからは、実際にイベントへ出店した2つのブランドの感想をご紹介します。
移動販売にいたった経緯や、お客様の反応について、「きょうのおやつ」と「b-Caravan」の2人にお伺いしました。
「きょうのおやつでは、すべてDIYで改造した軽トラを使って、コーヒーと焼き菓子の移動販売を行っています。
移動販売をはじめたきっかけは、お客様にコーヒーとお菓子をゆっくり楽しんでもらう場を作りたいと考えたことです。
菓子製造許可のみでは、テイクアウトの営業しかできないため、そうした場を作ることができません。
そこで、移動販売というかたちでイベント出店し、その場でコーヒーとお菓子を楽しんでいただくというスタイルをはじめました。
普段は神奈川エリアを中心に活動しているので、今回はじめて東京の東側に出店し、普段と異なるお客様と接することができ、僕自身も楽しめました。」
「b-Caravanはもともと移動型オフィスとしてはじめたのですが、最近子供部屋や趣味の部屋としての提案をはじめました。
実際に車両の中に入って見ていただき、写真を撮って行かれる方も多かったですね。
また、美容師さんや鍼灸師さんから、移動式店舗としての相談も受けました。
“移動型”への関心の高まりを感じているので、個人の趣味の空間としても、店舗空間としても、どういったかたちがベストなのか、私たち自身も探っていきたいと考えています。」
SHOPCOUNTERでは、これまでにも欧米で注目される「ファッショントラック」の解説や、日本の事例としてSUPERTHANKS BOXをご紹介してきましたが、車両以外にも様々な形態の「移動型店舗」が増えてきています。
移動型店舗は、車や自転車そのものが店舗になるため、机やテントの用意があるマーケットイベント以外にも出店しやすいというメリットがあります。
今はまだコーヒーやお菓子などの食品が中心ですが、今後ファッショントラックのように物販にまで広がれば、週末に移動型店舗同士が集まって、簡易的なマーケットを開催するといった動きもでてきそうです。
SHOPCOUNTERでは、こうした移動型店舗を出せる場所として屋外のイベントスペースまとめもご紹介しています。
新しい出店のかたちとして、移動型店舗も選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
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【イベント概要】
▼開催日時:2017年4月23日(日) 10時〜16時
▼開催場所:BETTARA STAND
▼イベントページ:もしもお店が動いたら。もしもお家が動くなら。 〜場所にとらわれないライフスタイルが日本橋に集合〜
▼出店者一覧:
・b-Caravan
中古キャンピングカーをリノベーションしたブルースタジオの自走式オフィス
・怪しい骨董品屋 byブルースタジオ
世界各国、全国各地から怪しくて雰囲気のある物を集め、愛を込めて歩いて販売
・きょうのおやつ
おやつとオーガニックコーヒーの販売
・似顔絵自動販売機『THE MACHINE』
地球に優しい99%ヒューマンエネルギーによる似顔絵販売
・妄想インドカレー ネグラ
インドに行ったことのない店主がつくる妄想インドカレーの販売
・チャリンコーヒー
体と自転車を使ったエコミュニケーション活動によるコーヒー販売
・もりのあかりやさん 〜earth light〜
自然やアンティークをモチーフにしたディスプレイ全般と照明を制作
・伊勢天の魔法屋さん/伊勢天(いせたかし)
タロットカードを使った出張鑑定
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