公開日:2020年3月3日
更新日:2020年3月3日

ユーザーさんの気持ちを離さないように / 古着女子

Instagram上でもファン獲得を目指すブランドを多く見るようになった昨今。今回はその先駆けとも言える“古着女子”にポップアップストアにおける世界観の創り方などお話を伺いました。

昨今、Instagram上でファンを獲得した上でECに展開していく、
そんなブランドを、多く見かけるようになりました。
今回は、30万以上のフォロワーを抱えるブランド “古着女子” の
野崎航平さん・江渡伊毬さんにお話を伺いました。
ルミネ新宿に出店いただいたポップアップストアについて、
世界観の創り方やSNS上でのユーザーさんを離さない方法など、
具体的なものまでお答えいただきました!

(以下、敬称略)

↑出店時の様子(Type B)

SNSで告知の山を作っていく

―ブランドの“古着女子”について教えて下さい。

野崎:“古着女子” は株式会社yutoriが運営するInstagramアカウントで、古着が好きな女子たちの投稿をピックアップする形でコンテンツを配信しています。約30万ほどのフォロワーを抱えており、一つの古着コミュニティになっています。
ポップアップストアも時々開催していまして、今回はSHOPCOUNTERさんにお声掛けいただき、ルミネ新宿さんの区画にて出店しました。

―普段はどのようにポップアップストアの出店場所を決めていますか?

野崎:基本的には、その場所に来るユーザーとストアの親和性を考えながら出店場所を決めています。これまでは、僕らのお客様が多く、アクセスもいい、下北沢で数回開催しています。

江渡:今回のルミネ新宿への出店は、私達としては挑戦でした。新規のお客様にお越しいただこうと考えていたものの、結果的には既存のお客様が多いイメージでした。古着女子のInstagramで告知していたので、新規のお客様向けにはもう少し他の工夫が必要だった、という反省点があります。

―ポップアップストアに向けて行った、集客等の施策を教えて下さい。

野崎:大きく分けると、イベントと集客に関する施策を行いました。その中でも、「古着詰め放題」は毎回人気のイベントです。オープンから並ぶお客さんも多く、僕らとしても魅力的に思っています。

江渡:pool(※yutoriが運営していたコミュニティスペース)でもかつて開催したことがあるんですけど、チケットは完売するほどの人気でした。Instagramで告知した際の反応が一番いいのも、詰め放題イベントです。
ルミネの場合、チケットではなく、「〇〇時から!」というスタイルで詰め放題をやったんですが、オープンから人が押し寄せる、みたいな感じになってしまいました…。

―SNSにまつわる施策はどのようなものを行いました?

江渡:集客の部分だとタグ付け&フォローでステッカー+ブランドロゴの巾着を配布するキャンペーンを行いました。期間後のフォロワーの増減を見て、キャンペーンの成否を考えていますね。

野崎:ちょっと毛色の異なる施策だと、期間中にレセプションを開催しました。ゆかりのあるインフルエンサーさんを招待して、イベントの紹介などをしていただきました。極力、お客様が来やすい日時に告知の山を作るように意識して、ポップアップの初めと週末に来ていただくようお願いしていました。

江渡:来ていただいたインフルエンサーさんにはオリジナルで作った商品を渡して、「帰ったら着てね!」って伝えて投稿してもらったりもしていて。これは結構SNS上で効いていた印象です。

↑オリジナル商品も販売

世界観を作り上げ、自発的に投稿を

―総合して、今回のルミネ新宿のポップアップストアの満足度を教えて下さい。

野崎:定量的な数字の面で言うと満足な結果ではありませんでした。ただ、試さないとわからないものも多かったので、総合的には出店してよかったと考えています。館さんとのやり取りは、路面で出店する際とルールが異なったので、その辺りも含めて、これだけの準備をしてどれだけの効果が出るのか、というチャレンジとして良かったと考えています。

―内装を期間ごとに2パターン展開されていたとのことですが、どういう内容でした?

江渡:今回のポップアップストアのコンセプトを「MIX TAPE」にしていたので、、「A面・B面にしたら面白そう!」という発想でテイストを2パターンにすることに決めました。A面ではメンズライクなブランドで2週間、次の2週間ではガーリーな感じのブランドの商品を置いていました。それらに合わせて内装も変え、A面では韓国のおしゃれなカフェっぽいシュールな世界観を目指し、B面ではガーリーを目指してドライフラワーを置くなどしていました。テイストによってお客さんが欲しいアイテムは異なるので、それに合う形に商品の位置など変えるなど、VMDも意識して変更を行いました。

↑メンズライクな古着ブランド “9090”

―学びが大きかった部分はどこでしょうか。

野崎:1番は、什器を含めた世界観を作り上げ方ですね。館さんは人がそもそも来る場所なので、その中でいかに、自分たちの世界観を作り上げるか考えられたのは、良かった部分です。これまでのポップアップストアでは文化祭のような雰囲気で、そこまで作り込みをせずに出店していたので、今回はかなりバタバタしながらも、しっかりと作り込めたのは勉強になりました。

江渡:今回のポップアップストアの内装については、Instagramで投稿していただいたお客様が多かった印象です。店舗でも販売スタッフに直接、「可愛いですね!」と言っていただくなど、これまでにない反響がありました。世界観を作り込んで、結果的にInstagramのストーリーをユーザーさんから自発的に投稿していただけたので、タグ付けから、古着女子のフォロワー自体も増えています。

↑小物などで世界観を提示

ユーザーさんの気持ちを離さない

―世界観を表現するのに難しかった部分はありますか?

江渡:コンセプトやVMDの方針が決まったのがギリギリだったので、切羽詰まりながらルックの撮影なども行い、さらに什器も探しながら…とスケジュールが結構大変でした。ショッパーとかフライヤーとか印刷物系も含め、業者さん探しから話が始まるので、そこに時間がかかっていて、注文当初は「入金しちゃったけど、本当に配送されてくる…?」みたいな不安を持ちながら待ってたりもしていましたね…。

―他に工夫した部分はありますか?

野崎告知を小出しにして、ユーザーさんの気持ちが離れないようにしていました。会期の2週間前に大きく「やります!」告知をした後、1週間くらい前から内容が被らないよう注意しながら、毎日「今日はオリジナル商品、明日は詰め放題」みたいに告知していました。ポップアップストアではなく、ECの告知もスケジュールをしっかり決めているので、そこを踏襲して行っていました。

―ポップアップストア出店の中で大変なことがあれば教えて下さい

野崎:想像よりもレジがかなり大変でした。古着ということもあって、これまでは毎回手打ちでやっていたので、普段もレジ操作しないことが多く…。普通のレジ操作もままならない状態で運営するのはちょっと大変でしたね。

↑コンセプトに基づいたフライヤー

「yutoriらしさ」を崩さずに

―今後のオフラインの利用に関して考えていることはありますか?

野崎:オンラインではできない、コミュニケーションに軸を置いたことをしていきたいな、と考えています。現状、ユーザーさん同士が繋がれる場を提供できていないので、社内でもコミュニティを中心としたイベントをできたら、という話は挙がっています。ただ、そこにはあまり人手を割けていない状況です。Instagram上では、ユーザーさん同士でハッシュタグで繋がっているんですが、オフラインの場がやはり欲しいと考えています。

―今後の目標があれば教えて下さい。

野崎:今後、何をやるにしても、「yutoriらしさ」は崩さないと思うんです。僕らは売上だけを追ってるわけではないので、「これが流行っていて、ビジネスチャンスがある」というものには飛びつかないと思います。自分たちのペースを守りつつ、ちゃんと成果を出す、という文化があるので、「らしさ」を崩さずに、企業としても成長していけたらと思います。

―貴重なお話、ありがとうございました!