「頑張って売り場づくりをしているつもりなのに、なかなか売上が伸びない」。そんなお悩みをお持ちの経営者・売り場担当の方はいらっしゃいませんか?
この記事でご紹介する4つのポイントをふまえて売り場を作り変えれば、すぐにでも「売れる売り場」を実現できるかもしれません
「売れる売り場」を作るポイントの前に、NGな売場づくりをしてしまっている例、「売れない売り場」の特徴を押さえておきましょう。皆さんの店舗が以下の項目に当てはまっていないかどうか、検証してみてください。
売れない売り場に共通している特徴として、お客様が店内を巡る道順、「導線」の設計が悪いことが挙げられます。
奥まった場所などにお客様が立ち入らないスペースがある、通路が狭くなっていて歩きづらいなど……。きちんと導線を意識せずに作られた売り場では、商品に触れてもらえる機会が少なくなるため、結果的に売上の減少を招いてしまう恐れがあります。
売り場のレイアウトを考える時にはお客様の目線に立ち、「売り場の隅々まで巡ってもらえるような導線を作れているか?」「ストレスなく歩き回れる通路の幅を確保できているか?」などの点に目をつけておきましょう。
売り場の見た目は、売上に直結する重要な要素です。
入り口から店内を覗いた時に「何を売っている店なのかよくわからない」と思われてしまうような売り場では、自然と客足も遠のいてしまいます。もし素晴らしい商品を揃えていたとしても、その見せ方が洗練されていなければ、お客様に手に取ってもらえない可能性もあります。
そのため売場づくりの際には、店内の目立つ場所に売れ筋商品を配置する、色や大きさによって商品を並べ替えて売り場を魅力的に見せるといった工夫が必要です。
前述の導線設計も含めて、お客様が楽しく・快適に買い物をできる、視覚的にもワクワクするようなレイアウトを心がけるとよいでしょう。
売れない売り場では、長期間にわたって商品の陳列を変えていないケースが多く見られます。
「セオリーどおりに陳列できているならそれでも問題ないのではないか?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし季節や流行にあわせて陳列を変えることで売り場をより魅力的にできるのはもちろん、目新しさから既存のお客様により頻繁に足を運んでもらえるようになる効果も期待できます。
しばらく売り場に手を加えていないという場合には、これを機に陳列の仕方を見直してみてはいかがでしょうか。
ディスプレイがうまく活用されていないのも売れない売り場にありがちな特徴です。
商品の魅力やブランドイメージを伝えるうえで、お客様の目を引くようなディスプレイの存在は必要不可欠です。書店で商品の表紙が見えるように大量に積んでアピールする「平積み」やアパレルショップのマネキンは、その代表的な例だと言えるでしょう。
店内を見渡した時に物足りない印象を抱く場合には、似たような種類の商品を集めて特設コーナーを作る、注目を集められるようにディスプレイをデコレーションする……といったように、従来の売り場づくりにプラスアルファの工夫を取り入れてみることをおすすめします。
ディスプレイと同じく、POP(売り場広告)も売上を伸ばすうえで重要な役割を担っています。POPの見栄えが悪ければ、商品をアピールするどころかお客様の興味を削ぐことにもつながりかねません。
キャッチーな文面と文字の大きさ・色によるインパクトでお客様の購買意欲を刺激するだけでなく、商品の説明をする手段としても有用なPOP。デザインや設置場所を考え、効果的に活用したいところです。
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売れない売り場にありがちな傾向をチェックできたところで、本題である「売れる売り場」を作るためのポイントを見ていきましょう。今回は数ある中から厳選した4つをご紹介します。
まず確認しておきたいのが、商品の「視認率」に関するポイントです。
商品の売上を伸ばすためには、視認率=お客様が商品を見る割合を高める必要があります。お客様にその存在が認識されている前提があってはじめて、商品を手に取ってもらえる、そして購入してもらえるという考え方です。
視認率を高めるもっともシンプルな方法として、商品の陳列面を増やすことが挙げられます。つまり、自然とお客様の目に留まるように、同じ商品を複数並べて陳列するのです。
視認率向上だけでなく一度に陳列できる商品の量が増加することで在庫切れを防止できるのも、この方法の大きなメリットです。これから積極的に売り込みたい商品や売れ筋商品がある際には、ぜひ活用してみてください。
特定の商品を売りたい時には、「ゴールデンライン」を活用した陳列も意識しておきたいところです。
ゴールデンラインとは、お客様が商品をもっとも見やすい・手に取りやすい高さにある陳列スペースを指した言葉です。売上のほとんどがこのゴールデンラインから生まれるケースも多く、売りたい商品を陳列するのに最適とされています。
実際にはお客様の身長によって変化しますが、垂直型ゴンドラの場合にはおおむね床上85~150cmのスペースがゴールデンラインだと考えてください。男性・女性・子どもなどターゲットとしている人物像がいるのであれば、その目線の少し下を上限、下ろした手が無理なく届く高さを下限として考えるとわかりやすいでしょう。
ゴールデンラインに売りたい商品を陳列するのはもちろんですが、それ以外のスペースを有効に使う方法をあわせて考えてみるのもおすすめです。たとえばゴンドラの最上部などの遠くから目立ちやすい位置にその商品のPOPを設置すれば、さらなる売上アップが期待できます。
さきほどゴールデンラインという商品を陳列する“高さ”についてご紹介しましたが、商品の“並び”も売上に大きな影響をおよぼします。
ゴンドラ(陳列棚・ラック)に複数の商品が陳列されている時、ほとんどのケースで中央に置かれた商品がお客様にもっとも注目されます。そのため売りたい商品は中央に配置するのがベターと言えるでしょう。
ちなみに中央の後には、正面から見て右、正面からみて左の順番で注目される割合が高くなります。優先度に応じて商品の並びを変えることで、売上の最大化を図れるはずです。
最後にご紹介するのは、あまり売上が期待できない商品の陳列方法です。
売れ筋商品の隣にそれよりも魅力の弱い商品を陳列した場合、お客様の注目は売れ筋商品の方だけに集まってしまいます。
そこで売上の低い商品を陳列する時には、売れ筋商品の間に挟むように配置するのがおすすめです。売れ筋商品に対する注目を利用して視認率をあげることで、売上を改善できるでしょう。
今回ご紹介した4つのポイントはすべて、扱っている商品や手持ちの什器に関わらず実践できるものです。商品の陳列方法を少し工夫するだけでも、今よりも売上を伸ばし、「売れる売り場」を作ることは十分に可能なのです。ぜひこの記事を参考に、皆さんの売り場を改善してみてください。
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