ポップアップストアでは、短期出店だからこその大胆な施策を行うことができ、お客様にブランドの世界観を体験してもらうことが可能です。この記事では、ただ商品を売るのではなく、体験を通じてブランドのファンを増やすための「5つの施策」をまとめました。
ポップアップストアを開催する上で、販売だけではなく、お客様に「ブランドを体験」してもらうことを重視するブランドも多いのではないでしょうか。
特に若者世代は「モノではなくコト」を重視するともいわれており、ただ商品を並べて待っているだけでは、新規のお客様はもちろん、既存のお客様にも来店していただくのは難しいという現実があります。そのため、販売以外のお店での「体験」の重要度は年々増してきています。
しかし「ブランドを体験してもらう」と一口に言っても、どのような体験をしてもらうのか考え、それを実現するための「施策」をゼロから生み出すのは大変なものです。
そこでこの記事では、ブランドのファンを増やすことを目的にした、ポップアップストアを成功に導くための5つの「施策」のアイデアとその実現方法をご紹介します。
Photo credit: splityarn via Visual Hunt / CC BY-NC-SA
個人のハンドメイド作家や小規模な事業者でも取り入れやすい施策が、商品への「名前入れ」や「オーダーメイドの受注」です。
特にプレゼントにもできる商品の場合は、名前入れによって「世界にひとつだけしかない商品という付加価値」をつけることができます。
名前入れが難しい場合でも、ポップアップストア限定で色や素材を組み合わせたセミオーダーができるという施策も有効でしょう。
セミオーダーを取り入れる場合、Eコマースでは実現することのできないポップアップストアならではの「体験」をベースとした付加価値を生み出すことができ、普段Eコマースで購入している既存ファンの方も足を運んでみたくなるでしょう。
それ以外にも、ポップアップストア限定の商品を置いたり、来店者にはポストカードやシールといった、「ポップアップストアのオリジナル粗品」をプレゼントするというのも、簡単に取り組める施策の一つではないでしょうか。
このような施策を行う場合は、事前にSNSやHPで写真などを含めた具体的なイメージを沸かせるための宣伝を行うことで、より施策の効果を高めることができます。
商業施設をはじめとする店舗の中は、他のお客様のことを配慮して「お店での撮影禁止」が当たり前とされてきました。
しかし、お客様がInstagramやFacebookなどのSNSにお店の情報をシェアする際には、写真も一緒に投稿したくなるものです。また、お客様がお店の写真を投稿すること自体がお店の宣伝ともなり、お店にとっても良い効果が生まれます。
とはいえ、店舗内をどこもかしこもパシャパシャと撮影されるのは困るというケースの場合は、「あえて写真撮影ポイントを作る」という施策をおすすめします。
ショップの一角にフォトプロップスやInstagram風のフレームを用意するだけで、あっというまに撮影スポットが完成します。
他のお客様の迷惑になることなく写真撮影を楽しんでもらうことができ、撮影スポットの作り込み次第ではSNSでの拡散も期待できるでしょう。
お客様の積極的な写真撮影、そしてSNSでの拡散を促すためにも、お客様に満足いただけるような、ブランドの世界観にマッチする撮影スポットを作成してみましょう。
はじめにご紹介した、「名前入れ」や「オーダーメイド」と組み合わせ、既存の商品に「自分で」名前をいれたりカスタムしたりする「ワークショップ」も、お客様に体験を促す施策としてオススメです。
また、モノづくりのワークショップだけではなく、アパレルならば色の合わせ方のレッスンや、飲食ならばおいしいお茶のいれ方のレッスンなど、専門知識を活かしたレッスン系の施策もオススメです。
これからの生活に役立つ情報を得られる場を用意することで、レッスンを目当てに来店するお客様も格段に増やすことが可能です。
もちろん、ワークショップやレッスンを行う場合は事前の告知が重要です。どのような人がワークショップやレッスンの講師を行うかといった講師のプロフィールを充実させたり、出来上がったモノの写真を添えるなどして、お客様に具体的なイメージが湧くような告知を心がけましょう。
施策のアイデアに煮詰まったときは、自分たちの知識を活かして何かお客様に教えられることがないかといった視点や、お客様に何か有益な情報を伝えられることはないかといった視点でアイデアを考えてみると、ワークショップ型の体験アイデアがでてくるのではないでしょうか。
近年、カフェ併設型のアパレルショップや書店が増えてきています。これは、お店の中にカフェスペースがあることで、「お客様がお店に入りやすく、お店に長く滞在していただける」というメリットがあるためです。
また、飲み物やスイーツ系は、商品よりも気軽にSNSに投稿される傾向があり、お店自体の拡散も見込みやすいという副次的な効果もあります。
ポップアップストアの場合は、大掛かりなカフェを併設しなくとも、出張型のコーヒーショップやジュースバーとコラボレーションしたり、もともとカフェが併設されている場所を選んで出店するということも可能です。
なお、ポップアップストアでカフェの併設を考える際は、カフェスペースを何席くらい作ることができるのかという広さの観点や、そもそも飲食可のスペースかどうかという部分を事前に確認するようにしましょう。
そしてポップアップストア当日までに、食品営業許可をとるのも忘れずに行うようにしましょう。
Photo credit: Drift Words via Visual hunt / CC BY-NC-SA
施策の実施難易度は非常に高いのですが、ブランドを体験してもらう上でもっとも効果が見込まれるのは、「サプライズを用意する」という施策です。
ポップアップストアでのサプライズとは、オンラインショップはもちろんのこと、通常のリアル店舗でも体験できないような、思ってもみなかった体験ができるというものです。
たとえば世界の斬新なポップアップストア事例 11選でご紹介したような、「ボルダリング体験をさせられるドッキリストア」や「ディスカウントスーパーが仕掛けた一流レストラン」といったポップアップストアが、まさにこのサプライズ施策を成功させたポップアップストア事例といえます。
サプライズ施策を行うポップアップストアは、販売を目的としたものよりもプロモーションとしての場合が一般的です。とはいえ、ブランドや商品の世界観を伝える最高の手段である「サプライズ」を使わない手はありません。
まずは、「自分たちのブランドが伝えたいメッセージは何か?」、そして「実現したい世界とは何なのか?」というWhyの部分を突き詰めることで、サプライズ体験のアイデアが湧いてくるのではないでしょうか。
実施難易度は非常に高いものの、是非ともトライしていきたい施策です。
Photo credit: Poul-Werner via Visual Hunt / CC BY-NC-ND
これまでポップアップストアで使える5つの施策をご紹介してきました。もちろんそれぞれの施策の作り込みも大切ですが、何よりも重要なものは、オンラインでは実現不可能なリアル店舗ならではの「接客」による体験です。
お客様がどれだけ楽しめる施策を用意していたとしても、販売員から乱雑な対応があったり、心ここにあらずな対応を受けてしまえば、施策の効果がすべてが台無しになってしまいます。
人の興味がモノからコトにうつってきている中で、より良い商品を作り揃えるだけではなく、魅力的で知識や経験が豊富な販売員と楽しみながら買い物をしたいという需要はますます高まっています。
そして、「魅力的な人から買う」ということこそが、リアル店舗の価値の中心に移り変わりつつあります。
ポップアップストアの出店時には、接客を体験したことがない人も店頭に立つことがあると思います。しかし、自分にとっては初めての接客といえど、そこに来られるお客様からすれば全く関係ない話です。
商品本来の良さを伝えるためにも、そして「お客様に良い体験」をしていただくためにも、「接客がお客様にとって一番重要な体験」だということを心に留め、お客様に楽しんでいただくことを大切にしながら接客をしていきましょう。
「SHOPCOUNTER」は、ポップアップストア・催事・展示会などの出店/出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォームです。ショッピングモール、スーパーマーケット、百貨店、商店街、駅ナカ、オフィスビル、撮影スタジオ、展示会場など様々な商業スペースの検索・予約が可能です。
今すぐお探しでない方もアカウント作成 することで、新着やおすすめスペース等のお役立ち情報を受け取ることができますので、ぜひご登録ください。
2016年5月12日
2024年6月23日
2024年7月16日
2020年2月14日
2024年4月7日
2024年4月28日
2020年3月12日
2016年1月15日