公開日:2024年8月27日
更新日:2024年8月27日

スケルトン物件とは?居抜き物件との比較【メリットとデメリットも解説】

スケルトン物件と居抜き物件は、どのような違いがあるのかご存知でしょうか。実際に言葉は聞いたことがあっても、それぞれの特徴や違いに関して正しく理解している方は少ないでしょう。

本記事ではスケルトン物件と居抜き物件について、それぞれの基本情報とともにメリットとデメリットを借り手目線で比較しました。

目次

スケルトン物件とは
居抜き物件とは
スケルトン物件のメリット・デメリット
居抜き物件のメリット・デメリット

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スケルトン物件とは

スケルトン物件とは、床や天井、壁、柱、梁といった建物自体を支える骨組みだけの状態を指します。内装は一切なく、コンクリートが打ちっぱなしで配線・配管がむき出しの物件です。

「スケルトン」は元々、内部の構造が透けて見える様子を指す言葉でしたが、転じて建築現場において建物の壁や柱、天井の骨組みを「スケルトン」という言葉で表すようになりました。

スケルトン物件は、内装を含め、1から店舗を作り上げる必要があります。逆にいえば借り手にとって内装を自由にできるのが、スケルトン物件の最大の特徴です。

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居抜き物件とは

居抜き物件とは、1つ前に入っていたテナントが使っていた店舗の設備や内装、什器が以前のまま残された物件を指します。居抜き物件は飲食店以外にも、物販店なども含め不動産業界全体にて使用されている言葉です。

居抜き物件は前のテナントが配置した水回りや電気配線を以前のまま使うことになるため、店舗自体のデザインは自由にできません。その代わり開店費用が抑えられて、工期が短く済むのが強みです。

居抜き物件は主要な設備が揃っており、すぐにでも開店できるような状態もあれば、中には厨房の設備だけ・一部の内装が残っているだけという状態も「居抜き」と表示されることもあります。居抜き物件=必ずしも設備や内装、什器などが揃っているわけではないため、借りる際は注意しましょう。

スケルトン物件のメリット・デメリット

メリット

◇店内のレイアウトを自由に決められる

スケルトン物件では一からお店を作るため、店内のレイアウトを自由に決められるのがメリットです。床や壁のクロス、照明器具、イメージした装飾や什器など、自らのこだわりが反映しやすく、統一感のある店舗が造れます。

また、什器を自由に配置できるため、お客様やスタッフが利用しやすい導線にすることもでき、こだわりの店舗を造ることができるのもメリットです。特に顧客体験を重視する業種では、一から店舗を造ることができるスケルトン物件であれば、訪れたお客様により強いインパクトと印象を与えられます。

◇新しい店舗として認識される

スケルトン物件は、以前の店舗とは全く違う新しい店舗としてお客様に認識されるのもメリットです。

居抜き物件の場合は前のテナントの印象が残ってしまうため、場合によってはマイナスな印象を引き継ぐ可能性があります。一から造り上げるスケルトン物件なら、前のテナントのマイナスな印象を引継ぎません。特に新しいブランドを周知する時や新規顧客を獲得したい時に、有利といえるでしょう

また、新店舗のインパクトを利用して広告や宣伝を行えば、開店直後でも集客がしやすくなる場合もあります。

◇設備のメンテナンスと交換時期が把握できる

スケルトン物件では借り手が設備の導入を行うため、各種設備のメンテナンスと交換の時期がしっかり把握できるのがメリット。設備が故障した際も保証書や説明書などが揃っており、修理・交換がスムーズです。保証期間内であれば費用が掛からず修理・交換もできます。

居抜き物件は設備が揃っており初期投資が少なくて済みますが、設備の使用年月や使われ方によって不具合・故障の発生が高くなるかもしれません。その点、スケルトン物件では新しい設備を導入して営業できるため、各種設備のメンテナンスや交換時期が長く、不具合や故障に悩むことが少ないというメリットもあります。

デメリット

◇初期費用が掛かる

スケルトン物件のデメリットは、費用が掛かること。お店を作るにあたって全てを自ら準備する必要があるため、高額な開業資金が必要です。

内装や床、壁、水回りに電気配線といった設備をゼロから造らなければならず、店舗のデザインにこだわってデザイナーに依頼すればその分だけ費用はかさみます。

スケルトン物件は自由にカスタマイズができる反面、開業資金がどんどん増えていく可能性があるため、入念な資金計画や現実的な事業計画などが欠かせません。

◇オープンまで時間が掛かる

一から工事を行う必要のあるスケルトン物件は、オープンするまでの準備期間が長くなり、時間が掛かるのがデメリットです。期間に余裕を持つだけでなく、各種工事の計画を無駄なくきちんと考えないと、予定通りのオープンができません。

また、工事の期間は進行具合によって変動する場合もあります。工事期間が延長するとオープン日が遅れるだけでなく、その分だけ賃料や光熱費などの費用が発生。お店がオープンしていなくてもコストは発生するため、工事期間が延びると財政面の負担が大きくなるのもデメリットです。

◇退去時に原状回復のための費用が必要

スケルトン物件は、退去時にスケルトン状態にする必要があります。原状回復をするために、内装や設備の解体・撤去が必要なうえ、状況次第では修復工事をしなくてはなりません。そのための工事の費用や廃棄の費用が掛かり、退去時にさまざまなコストが発生してしまうのがデメリットです。

店舗でオリジナルのデザインや特殊な設備を利用していると、退去のための費用がさらに高くなる場合があります。

居抜き物件のメリット・デメリット

メリット

◇初期費用を抑えられる

居抜き物件は開業にあたって、費用が抑えられるのがメリット。前のテナントが使用していた什器や設備を、安価か無料で引き継ぐことができるため、新たに用意する設備が減り開店費用を大幅に抑えられます。

◇開店までの期間を短縮できる

居抜き物件はスケルトン物件と異なり、前に入っていたテナントの水回りや電気配線、各種設備がそのまま利用できるため、工期の短縮が大幅に可能。店舗をいち早くオープンさせ、収入を素早く得らえるのもメリットです。

テナントの家賃は開店準備の際も発生するため、開店までの期間が短縮すればその分家賃の負担も軽減できます。また、営業が早まれば出店の資金を素早く回収でき、設備の追加・仕入れの強化に回せるのも、居抜き物件のメリットといえます。

◇全テナントと業種が近い場合、見込み顧客が増える

出店するお店が前のテナントと業種が近い場合は、認知度で有利というメリットがあります。例えば以前アパレルのお店が入っていた場所で今度もアパレルのお店がオープンするのなら、「前にアパレルのお店があった場所に新しい店舗が開店する」などと、開店前から認知される方が多くいらっしゃいます。

デメリット

◇内装やレイアウトの自由度が低い

居抜き物件は内装やレイアウトが自由にできないのがデメリット。スケルトン物件とは異なり、すでにある壁や床の素材、電気・水回りの配線や配管をそのまま使わなくてはならないからです。

内装やレイアウトでオリジナリティが出せないばかりか、事前に内装や設備、什器の配置などを確認しないと、スタッフやお客様の導線に支障をきたすこともあります。

◇設備の管理がしづらい

居抜き物件は、引き継いだ設備の管理がしづらいのもデメリットです。引き継いだ設備には説明書や保証書がないことが多く、購入時期もわからない場合があります。見た目は綺麗な設備でも、実際は交換の時期が近いことがあるかもしれません。

そのため、開店直後に設備が壊れてしまい、結局買い替えや修理をして出費がかさむこともあります。

◇以前のテナントの印象次第で不利になることも

居抜き物件は前のテナントの評判が悪く業種が同じの場合は、印象面で不利になるというデメリットがあります。例えば「警察がよく来ていた」「不良の溜まり場」といった評判の悪さがあると、新しい店舗でも悪影響を受けてしまうものです。

出店の際は、「経営者が変わった」などしっかりとアピールをし、イメージアップを図りましょう。]

まとめ

スケルトン物件と居抜き物件は、それぞれにメリットとデメリットがあります。ポップアップストアを出店する際はどのようなお店を作りたいのか、また出店の目的を明確にしたうえで吟味し、目標を達成できる物件を選びましょう。

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