単館商業施設の価値を、どう“資産”として残していくのか〜単館SC研究会での登壇レポート〜

単館商業施設の価値を、どう“資産”として残していくのか

2025年12月19日、カウンターワークスのエンタープライズ事業部 事業開発・川村が、 一般社団法人日本ショッピングセンター協会「単館SC研究会」の会員企業プレゼンテーションの場に登壇し、 『単館商業施設の価値を、どう “資産” として残していくのか』をテーマに事業紹介を行いました。 単館ならではの強みを再定義しながら、価値を未来へ継承していくための“デジタル化”の捉え方と、 実務に落とし込むための要諦として「型化(かたか)」の重要性をお話した様子をお伝えします。

単館の価値を、あらためて言語化する:地域に根ざした“オンリーワン”

川村がまず確認したのは、単館が発揮すべき価値の再定義です。 単館は大規模SCのように「規模」や「話題性」で勝負するのではなく、 地域性/顔が見える距離感/意思決定と改善の速さといった、地域に根ざした強みを磨きやすい存在です。 言い換えれば、単館は地域コミュニティのハブになり得る“オンリーワン”であり、 その価値は一過性ではなく継承されるべきものです。

単館の価値を言語化する(スライド) 地域に根ざしたオンリーワン(スライド)

ただし、単館の価値は個別最適に閉じやすく、成功体験も現場の経験則に留まりがちです。 そこで提示したのが、単館同士をデジタルでつなぐ「単館アセット」という発想です。 空き区画の兆し、募集条件の工夫、催事の当たり外れ、テナントとの接点づくりなど、 単館が日々直面する“判断の材料”を(可能な範囲で)蓄積・参照できる状態が整えば、 単館の運営は「属人的な頑張り」から「再現性のある改善」へ近づきます。

単館アセットの発想(スライド)

この考え方は、競争領域と共通基盤を切り分け、共同化できるところは共同化するという意味で、 他業界(例:地域金融の共同基盤化)とも通じます。 単館は商圏が重なりにくいケースも多く、競合関係にないからこそ“学び合い”が成立しやすい。 単館研究会の取り組みを、デジタルで補助線を引いて拡張するイメージです。

単館同士の学び合いを拡張する(スライド)

資産化の決め手は「型化」:催事・常設の運営を“残せる形”にする

単館アセットを“絵に描いた餅”にしないために重要なのが、現場の運営を型化していくことです。 成功が偶然や属人性に依存している限り、再現も共有も難しく、担当者の異動・退職で知見が途切れてしまいます。 一方で、判断軸やプロセスが整理され、データとして残れば、組織として学習でき、改善スピードが上がり、 次の挑戦も設計しやすくなります。

型化の重要性(スライド)

講演では、型化の例として「催事」と「常設リーシング」を取り上げました。

催事は、「空いているから貸す」から一歩進めて、目的別に分解して運用することがポイントです。 たとえば「収益最大化」「賑わい創出」「将来の常設化に向けたテスト」「区画を埋めるための戦略的な企画」など、 目的が異なれば、設計・KPI・振り返りの観点も変わります。 ここが整理されるだけで、企画の良し悪しが判断しやすくなり、改善が回り始めます。

催事を目的別に分解して運用(スライド)

常設リーシングは、問い合わせ〜商談〜契約に至るまでの情報が散在しやすく、 結果として「分かる人しか分からない」状態が生まれがちです。 そこで、案件情報や交渉履歴、条件検討の背景などを一元管理し、 誰でも追える状態にしていくことが、運営の型になります。

常設リーシングの情報一元管理(スライド)

そして、型化が進みデータが整うほど、AI活用の土台もできていきます。 AIそのものを目的にするのではなく、“AIが活きる状態(データが整った状態)を先に作る”。 この順序が、現場で無理なく進むデジタル化のコツとして共有されました。

AIが活きる状態を先に作る(スライド)

まとめ:単館をデジタルでつなぐ“基盤”へ

最後に川村は、単館をデジタルでつなぐ基盤となり、日本中の地域が継続して繁栄する未来を実現したい――と締めくくりました。 単館の強み(地域性×近さ×行動速度)を、単館同士のネットワークと型化によって“資産化”していく。 そこに、次の挑戦と改善の循環が生まれる、というメッセージです。

単館をデジタルでつなぐ基盤(スライド) 登壇の様子(画像)

▼ショップカウンター エンタープライズに関するお問い合わせ

単館商業施設の運営・リーシング業務において、

  • 催事/常設リーシングの情報が分散している
  • 募集〜商談〜契約の進捗管理が属人化している
  • 成約データや出店実績を“資産”として残しづらい
  • 施設横断(複数館)での運用を標準化したい

といった課題をお持ちの場合は、ショップカウンター エンタープライズにてご相談を承っています。 現状の業務フローを伺いながら、改善の進め方や運用設計の論点整理からご一緒します。

ショップカウンター エンタープライズへのお問い合わせはこちら

まずは資料請求。

具体的な機能や導入スケジュールなど、サービスの詳細について説明している資料を無料でお送りします。お気軽にお問い合わせください。

資料請求する無料